スマホのオンライン契約に向いている人、向いていない人(2/2 ページ)
スマホを契約する際、店舗とオンラインのどちらで契約したらいいか迷っている人のため、オンラインでの契約に向いている人、向いていない人の傾向を紹介する。
スマホをオンライン契約するときの注意点
スマホをオンライン契約するときの注意点やデメリットで一般的に挙げられていることは、店舗スタッフの説明が受けられない、実物のスマホを見たり、触ったりできない、などがあります。これ以外にも筆者が感じたオンライン契約に関する注意点を2つ、そして筆者自身の失敗談を1つお伝えします。
注意点の1つ目は、キャンペーンや割引の条件が複雑でも、自分でそれを理解して契約しなければならないことです。例えば、あたかも30歳以下でなければ受けられないようなキャッシュバックキャンペーンでも、よくよくキャンペーン規約を読んでみると実は30歳以上でも適用というケース。あるいは中~大容量のデータ量が使えるプラン加入による特典と、小容量プラン加入による特典の違いに気付かずに小容量のプランで契約してしまい、後日受けられる特典の内容にがっかりしてしまうケース。
こういったことは確かにキャンペーン規約を細かく読めば避けることができるかもしれませんが、規約というものは得てして内容が複雑で理解することが難しいものです。
また、後からキャッシュバックされるキャンペーンの中には、「契約して数カ月たった後に、キャッシュバック申し込みの手続きメールが届き、さらにキャッシュバック自体の手続きが必要」というものもあります。契約後の必要な手続きについても規約を注意深く読み込むことが非常に重要になってきますが、少しでも内容に疑問が生じたら、契約前に有人のチャットサポートに問い合わせするなどしておきましょう。
2つ目の注意点は、機種によっては、実はオンラインで契約するよりも実店舗で契約した方が安くなる場合があることです。スマホ契約をオンラインでするか、実店舗でするかについて解説した記事はネット上にはたくさんありますが、その多くは「オンラインで契約した方が安くなる」と説明しているものが多いです。確かに、契約事務手数料不要、頭金不要であるオンライン契約の方が、金銭的負担が小さいことも多いです。
しかし、実店舗が一切値下げをしていないということはありえず、さらには2019年10月1日施行の改正電気通信事業法で定められた「端末の割引は上限2万円」以上のスマホ端末値引きをしている店舗が増えてきました(一部の通信キャリアのオンライン契約では2万円以上の値引きをしているものもあります)。
詳細はここでは割愛しますが、この販売法は決して違法ではなく、2022年2月現在、家電量販店だけでなく、一店舗でさまざまな通信キャリアを扱っている「併売店」でも行われている販売手法です。「スマホを契約するなら、絶対にオンラインの方が安い」とも言い切れなくなってきたことにも注意を払うべきでしょう。
スマホをオンライン契約する際に筆者がやってしまった失敗談を最後にご紹介します。一言で言えば、「申し込みが完了したと思っていたら、実は申し込みエラーが発生していて申し込みが完了していなかった」という初歩的なミスです。
以前、povo2.0の申し込みをしました。スマホ上での申し込み時の本人確認時にeKYC(electronic Know Your Customer、スマホのカメラで自分の顔や本人確認書類を撮影してオンライン上で本人確認を完結させる技術)を利用しますが、そのときの本人確認書類の読み込みが不鮮明だったためか、申し込みエラーになってしまいました。それにすぐ気付けばよかったのですが、筆者は申し込みエラーが送られてきたことに気付かず、数時間後に契約できていないことを知ったのです。
筆者の場合は、あくまでもpovo2.0の体験談を書くための申し込みだったので、大事には至りませんでしたが、普通にpovo2.0を利用する方からすれば、これは避けたいミスです。
スマホのオンライン契約を避けた方がいい人は?
記事を読んで、「ちょっと自分ではオンライン契約が厳しそう。自分でスマホをオンライン契約するのは面倒」と感じた方はオンライン契約を避けられた方がいいでしょう。さらに、店舗で働いている同僚から聞いた話では「オンライン上のサイトにクレジットカードの番号を入れるのが不安」「通信キャリアのサイトが、もしかしたら詐欺サイトだったら怖い」「そもそもオンラインでの買い物が怖い(Amazonすら使ったことがない)」という方もいるそうです。
店員と相談しながらスマートフォンや料金プランを選びたい、インターネットに個人情報を預けることに抵抗がある、という人は、実店舗でスマホを契約されることをおすすめします。
著者プロフィール
吉田裕紀
長野県出身。2009年「株式会社ディ・ポップス」に入社。NTTドコモ、au、ソフトバンクなどさまざまな通信キャリアを取り扱う携帯ショップ「TOP1」やワイモバイルショップにて11年間携帯電話の販売に従事。
現在はコンテンツマーケティング部署に所属。現場の経験を生かし、「携帯電話料金プランについて分かりやすい記事を書き、分かりやすく情報を発信する」をモットーに、日々売り場からの声や、最新の携帯電話に関する情報を収集し、記事の執筆にあたっている。
- スマホの料金プランに関する情報を随時更新→D-POPS スマホブログ
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