日本市場攻略に本気のXiaomi 「Redmi Note 11」は5G非対応版も納得の理由:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
ミドルレンジモデルのコストパフォーマンスが評価され、徐々に日本での存在感を高めているXiaomi。同社は、2021年初のモデルとして、1月26日にグローバルで発表した「Redmi Note 11」を3月10日に発売する。そんなXiaomiが2022年に進めていくのが、さらなるローカライズだという。
2022年にローカライズを深化させるXiaomi、日本法人の役割も拡大
2021年はFeliCaや防水・防塵(じん)などに対応した日本市場専用モデルを投入し、ローカライズを進めたXiaomiだが、Redmi Note 11はグローバル版ほぼそのままだ。対応周波数は日本に合わせ、メニューの日本語化も行っているが、それ以外は海外で販売されているRedmi Note 11と同じ。パフォーマンスやカメラなどの基本性能の高い端末を、よりリーズナブルに手に入れたい人に向けた端末だ。
グローバルメーカーの強みを生かしたRedmi Note 11のようなモデルを投入する一方で、Xiaomiは2022年に、ローカライズをより深めようとしているという。Xiaomiの東アジア担当ゼネラルマネージャー、スティーブン・ワン氏は、「100%グローバル、100%ローカライズ」が2022年の戦略だと語る。
そのローカリゼーションは、多岐にわたる。1つ目はXiaomi Japanそのものの強化だ。ワン氏は「日本におけるオペレーションはローカルであるべきで、人材に追加投資したい」と語る。先に登場した安達氏を採用したのも、その一環だ。同氏は、ソニー(当時はソニーモバイル、ソニー・エリクソン)でXperiaなどの商品企画を担当してきた人物。端末の「フィードバックを商品作りや日本市場での展開に反映させていく」(安達氏)役割を担う。
ワン氏が「今年はさらに深く日本にローカライズした製品を出そうと思っている」と語るように、2022年内には、Redmi Note 10 JEを進化させたような、日本特化型の端末が登場するという。さらに、安達氏は「日本市場のお役に立てる形で、1年後ぐらいに何らかの爪あとを残せる商品をお届けできればと考えている」と述べ、2023年以降にXiaomi Japan発の日本専用モデルを投入する可能性も示唆した。
また、販路を4000以上に拡大しつつ、「製品開発から物流、財務、会計まで、全てをローカライズするために進めてきた」(ワン氏)。その先にあるのが「リアル店舗」だ。同社は海外で、スマートフォンに限らず、IoT家電などを幅広く販売するXiaomiのショップを広げている。これは、「店舗は全ての製品を体験でき、(消費者が)ビジネスモデル全体を目にできるため、ブランディングに寄与する」(同)からだ。
このストアを「日本に持ってこようと考えている」(同)という。一方で独自の店舗運営には、場所の選定からビジネスモデルの構築、スタッフの雇用など、かなりの準備が必要になる。そのため、まずは「ショップインショップやポップアップストアで(可能性を)試してみたい」(同)というのがXiaomiの考えだ。電撃的な日本市場への参入から3年目を迎えたXiaomiだが、拡大期に向け、本腰を入れ始めようとしていることがうかがえる。
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