Huaweiの縦折りスマホ「P50 Pocket」は上品なハイエンドモデル:山根康宏の海外モバイル探訪記
グローバル向けに目立った製品を出せないままのHuaweiだったが、2021年12月に発表した縦折り式スマホ「P50 Pocket」の美しいボディーは魅力的だ。隙間のない「ゼロギャップ」設計で、メインカメラを使って自撮りできるのも大きなアドバンテージといえる。
グローバル市場向けに目立った製品を出せないままのHuaweiでしたが、2021年12月に発表した「P50 Pocket」は中国市場で大きな人気になっており、さらに2022年に入ってからグローバル向けにも投入されています。ここ数年のモデル同様にGoogleのサービス(GMS)は搭載していませんが、OSはHuawei独自のHarmonyOSではなく、旧来のAndroid 11ベースのEMUI 12を搭載した点も特徴です。
プロセッサはHuawei子会社のKirinのものではなく、QualcommのSnapdragon 888を搭載、米国政府の制裁の影響で通信方式は5G非対応で4Gまでとなっています。開いたときのディスプレイサイズは6.9型、アスペクト比21:9で、同じ縦折り式のSamsung「Galaxy Z Flip3 5G」より若干サイズは大きめ。1070万画素のインカメラを内蔵しています。
背面の美しい仕上げはオランダのファッションデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペン氏が担当。最新のIT機器を使ったデザインを特徴とする同氏とP50 Pocketの組み合わせは最強といえるかもしれません。外部ディスプレイは1つで1.04型、340×340ピクセル。もう1つの円形の窓にはトリプルカメラが搭載されています。
ディスプレイは自由な位置で止めることができますが、鋭角では止まらないようで、ある程度開いた位置で使うことになります。とはいえ実用上は困らないでしょう。なお、残念ながら防水・防塵(じん)は非対応のようです。
縦折り式スマートフォンでは他社品でも一般的な機能である、フレックスモードにも対応。本体をL字に折り曲げ、カメラなどを起動するとアプリをディスプレイの上半分と下半分に表示できます。カメラなら上側がプレビュー、下側がシャッターやモード切り替え、プレビューとなります。机の上にP50 Pocketを置けば、三脚いらずで写真撮影もできるわけです。
本体を閉じたときに隙間がないのもP50 Pocketの美しさを際立てています。横折り式のスマートフォンも最近のモデルは隙間なしが増えており、2022年に出てくる折りたたみスマートフォンは隙間の無い「ゼロギャップ」がトレンドとなりそうです。
閉じたときのサブディスプレイは時計や通知の表示の他、3つのアウトカメラを起動してプレビュー画面としても使えます。広角カメラは4800万画素で、1300万画素の超広角カメラも備えています。さらに3200万画素のスペクトルカメラを載せたたことで、より美しい色表現が可能になりました。アウトカメラを使って自撮りできるのもP50 Pocketの大きなアドバンテージです。
このP50 Pocketはスペイン・バルセロナのHuaweiストアで展示されていたもの。MWCバルセロナ2022の取材で本当なら筆者が直接取材したかったのですが、渡航を断念したため現地へ向かったITジャーナリスト、富永彩乃氏に実機を見てきてもらいました。他のスマートフォンにはないこの美しいボディーは上品でなかなか魅力的だったとのこと。
GMS非対応のため先進国での販売は厳しいものの、この美しいボディーは大きな魅力です。日本市場への投入は未定ですが、販売は難しくともHuaweiのカスタマーセンター(銀座など)で展示だけでもしてほしいものです。
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