約19万円の「Xperia 1 IV」、端末購入プログラムを“使わず”に安く買う方法は?:ふぉーんなハナシ
ソニー製の5G対応スマートフォン「Xperia 1 IV」を買った。昨今のハイエンドスマホは高騰している。どうすれば高額な端末をお得に購入できるのかを考えてみた。
つい先日のことだが、ソニー製の5G対応スマートフォン「Xperia 1 IV」を買った。
筆者はこれまで「Xperia 1 III」を使っていたが、「Xperia 1 IV」の光学式ズームや、AF性能、外部配信機能、ノッチのない高輝度な有機ELディスプレイ、高音質などに惚れ、購入を決めた。
ただ、ネックになったのが約19万円という端末の価格だ。
Xperia 1 IVに限らず昨今のハイエンドスマホは高機能化や多機能化に伴い、高騰する傾向にある。
こうした高額な端末を利用者が買いやすいよう、各キャリアは「端末購入補助プログラム」を用意している。これらの大まかな内容は一定期間、毎月分割で支払い、次の買い替え時に端末を返却することで、残金が免除されるというもの。詳細は過去記事で紹介しているのでこの記事では割愛したい。
- NTTドコモ:いつでもカエドキプログラム
- au:スマホトクするプログラム
- ソフトバンク:新トクするサポート
- 楽天モバイル:iPhone アップグレードプログラム
端末購入補助プログラムが登場した背景には、2019年10月に施行された電気通信事業法で、回線契約と端末のセット販売時の利益提供には上限2万2000円(税込み、以下同)と定められ、キャリアが端末価格を大幅に値引きできなくなった経緯がある。
端末購入補助プログラムの登場によって、ユーザーが端末を買い替える際の負担は下がったが、それでも各社の端末購入補助プログラムの条件が複雑で、ぱっと見で分かりやすいとは言いがたい。しかも各社の指定する条件を満たさなければ加入できない。
確かに端末購入補助プログラムは高額な端末でも毎月の負担が少ない、新端末への買い換えが要らない――といったメリットがある一方で、対象端末を一括ではなく分割払いで購入する必要があるため、いわゆる「審査」に通らなければならない。審査を通過する、落ちる具体的な条件は開示されておらず、筆者も店頭で「やってみなければ分からない」と告げられることが多々ある。
→改正電気通信事業法は10月1日施行 関連省令とガイドラインも同日施行へ
そこで、もし端末購入補助プログラムを利用できない場合、どうすれば高額な端末をお得に購入できるのかを考えてみた。
キャリアの下取り
まず1つ思い浮かんだのが、各キャリアが提供している下取りプログラム。こちらは指定の条件を満たせば、下取り額をポイントで還元してもらえるという内容だ。
NTTドコモでは利用者所有のiPhone・iPad、ドコモ スマートフォンやタブレット、ドコモ ケータイなどを下取りに出せば、携帯電話機などの購入代金から最大で7万5200円を割り引く。
ちなみに、他社の下取り上限額はauが最大6万4350円、ソフトバンクが5万8800円となっている。楽天モバイルではiPhone 12 Pro Max 512GBなら最大6万6120円、Rakuten BIG 128GBなら最大1万9440円を上限額としている。
じゃんぱらやイオシスの買い取り
もう1つは「じゃんぱら」「イオシス」などで、端末を買い取ってもらい、その買取額を新端末の購入に充てる方法だ。
例えば、Xperia 1 IIIを両者で買い取ってもらう場合の上限額は次の通り(2022年6月21日14時時点)。
じゃんぱら
Xperia 1 III フロストパープル 12GB 256GB SO-51B ASO08815(SIMロックあり)
- 中古品の買取上限金額:7万6000円
- 未使用品の買取上限金額:8万3000円
Xperia 1 III フロストパープル 12GB 256GB SO-51B ASO08815(SIMロック解除済み)
- 中古品の買取上限金額:7万7000円
- 未使用品の買取上限金額:8万5000円
イオシス
Xperia 1 III フロストパープル 12GB 256GB SO-51B ASO08815(SIMロックあり)
- 使用していない:8万円
- 使用感が少なく傷はない:7万3000円
- 使用感はあるが目立つ傷はない:6万6000円
- 目立つ傷がある:5万2000円
- 難あり:1万円
Xperia 1 III フロストパープル 12GB 256GB SO-51B ASO08815(SIMロック解除済み)
- 使用していない:8万4000円
- 使用感が少なく傷はない:7万7000円
- 使用感はあるが目立つ傷はない:7万円
- 目立つ傷がある:5万4800円
- 難あり:1万円
イオシスは「キャリアの下取りプログラムに徹底対抗」と銘打ち、ソフトバンク版のiPhone 12 Pro 512GBでの下取り価格と買取額を比較。イオシスの方がお得になるとアピールしている。買い取りに出す際の注意点や買取額を分かりやすく示しているので、参考にすると良さそうだ。
便利だが、注意点も多い
端末購入補助プログラムを利用せずに新端末をお得に買うには、上述した下取りや買い取りといったサービスを利用するのが手だが、注意点も多い。
下取りに関しては、そもそも所有端末が下取りの対象端末かどうか、所有端末の状態が良好かどうか、正規店で購入したものかどうかなど、事前にチェックしなければならない項目が多い。それに指定の条件を満たさないと、下取りプログラムを利用できない。
買い取りに関しては、端末の状態やSIMロックの有無などによって、買取額が異なることが分かった。
端末本体内のデータが残っていたり、FeliCaのデータが残っていたりする場合などは買い取ってもらえない。FeliCaのデータを消去する方法は、以前、記事で紹介しているので下記を参照いただきたい。
→スマホ買い取り時に注意したい“おサイフケータイ”のデータ 削除方法は?
また、仮に下取りや買い取りを利用できたとしても、型落ちしていたり、傷や汚れが目立ったり、付属品が全てそろっていなかったりすると、“査定額が想定以上に安くなってしまう”可能性すらある。
とはいえ、端末購入補助プログラムを利用できない人にとって、下取りや買い取りは新端末購入の手助けになるはずだ。端末購入プログラムだけに頼らず、自分に合った方法で古い端末を手放し、新しい端末を入手してみてはいかがだろうか。
関連記事
「Xperia 1 IV」は何が進化したのか 「Xperia 1 III」との違いをおさらい
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが6月3日にソニーの最新フラグシップスマートフォン「Xperia 1 IV」を発売した。外観は先代の「Xperia 1 III」から大きく変わっておらず、パッと見だと違いが分からないほど。一方でカメラが大きく進化し、望遠レンズが光学ズームに対応した。「Xperia 1 IV」のカメラを試す 超広角から望遠まで「賢いAF」で撮れるのが気持ちいい
ソニーの一眼レフカメラ「α」シリーズの技術を取り入れたフラグシップスマホ「Xperia 1 IV」のカメラ性能を試す。望遠カメラが光学ズームになり、センサーは高速読み出しが可能になった。さらに「Xperia PRO-I」で使えた「Videography Pro」も使えて、気持ちいい撮り心地だ。ソニーが「Xperia 1 IV」発表 可変式望遠レンズが光学ズームに対応、全レンズが“高速”に
ソニーがXperiaスマートフォンの新モデル「Xperia 1 IV」を発表。2022年6月上旬以降の発売を予定している。望遠カメラが、85mmと125mmの焦点距離を光学ズームで撮影できるようになった。超広角と望遠のレンズも120fps読み出しに対応し、瞳AFやオブジェクトトラッキング、20コマ/秒の高速連写が利用できるようになった。スマホ買い取り時に注意したい“おサイフケータイ”のデータ 削除方法は?
スマホを中古業者に売却する際に注意したいことがある。それはおサイフケータイのデータだ。このデータを削除しないと、買い取ってもらえないことがある。改正法と新型コロナが“中古スマホ市場”に与えた影響は? RMJ粟津代表に聞く
2019年10月の電気通信事業法改正で端末割引が制限されたことで、脚光を浴びているのが中古端末だ。一方で3月以降はコロナ禍に見舞われるなど、中古端末を巡る環境も大きく変わりつつある。業界団体のリユースモバイル・ジャパン(RMJ)、代表理事の粟津浜一氏に、中古市場の現状を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.