「Xperia 1 IV」のカメラを試す 超広角から望遠まで「賢いAF」で撮れるのが気持ちいい:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
ソニーの一眼レフカメラ「α」シリーズの技術を取り入れたフラグシップスマホ「Xperia 1 IV」のカメラ性能を試す。望遠カメラが光学ズームになり、センサーは高速読み出しが可能になった。さらに「Xperia PRO-I」で使えた「Videography Pro」も使えて、気持ちいい撮り心地だ。
αシリーズの技術を入れた新フラグシップとしてトリプルカメラの「Xperia 1」が誕生して4代目。着実にカメラ性能は進化し、「Photography Pro」という専用のカメラアプリも用意され、前モデルの「Xperia 1 III」ではとうとう「実質クアッドカメラ」になった。
4代目の「Xperia 1 IV」はどこまで進化したか。 個人的な注目ポイントは3つだ。
1つ目は望遠カメラが光学ズームになったこと。2つの焦点距離を切り替えて使っていた望遠カメラが、その間の焦点距離も使える光学ズームレンズになったのである。
2つ目は、超広角カメラも望遠カメラも高速読み出しセンサーになり、リアルタイム瞳AFや超高速連写に対応したこと。
3つ目は「Xperia PRO-I」で搭載された「Videography Pro」が使えることだ。
光学ズーム+AI超解像ズームの威力はいかに
これがXperia 1 IVのカメラユニットだ。
超広角・広角・望遠ズームと並んでいる。望遠カメラの開口部が四角いのは90度光を曲げてボディー内に横向きにレンズを入れることで、厚みを抑えるペリスコープ構造(屈曲光学系)になっているから。この望遠レンズが「85-125mm」相当の望遠ズームだ。
ちょいとXperia 1 IIIとカメラアプリ(Photography Pro)の画面を比べてみよう。
Xperia 1 IIIは16mm/24mm/70mm/105mmと4つの焦点距離が並んでいるのに対し、Xperia 1 IVは16mm/24mm/85-125mmと望遠部分の表記の仕方が違う。そこがミソだ。
望遠側のレンジがちょいと望遠側にシフトし、光学ズームになったことで、85mmと125mmの間も自由に指定できるようになったのである。
細かいところだが、センサーサイズはちょっと小さくなっている。光学ズーム機構を入れつつ厚みを抑えるためかと思う。ただまあ、85mmと125mmでは倍率で言うと1.5倍弱であり、その間で微調整したくなるシーンがどこまであるのかは気になるところだ。
それより不安なのは、広角カメラと望遠カメラの間がかなり空いたこと。前モデルは24mmの上が70mmだったけど、今回は24mmの上が85mmになってしまった。25〜84mmの間はデジタルズームになるので、クオリティーはどのくらい保たれるのだろか。
というわけで、いつものガスタンクをデジタルズーム付で撮ってみた。
デジタルズームには2種類あるが、今回はAI超解像ズーム(こちらの方が高画質だけど、処理にちょっと時間がかかる)を採用した。画質大事。
なお、今回使ったのは発売前の機材で、最終版ではないことをご留意いただきたい。
注目は次の2枚だ。広角カメラのAI超解像ズームで撮った85mm相当の望遠写真と、望遠カメラの85mm相当で撮った望遠写真。
分かりやすいよう中央部を拡大して並べてみた。
24mm相当で約3.5倍のデジタルズームをかけているのに、思ったより頑張っていて違和感ないじゃん。というわけで、もちろんディテールに甘さはあるけど、十分実用的。さすがだ。
さらに望遠。
で、375mm相当とか、撮影中の画面だとかなり荒れていてヤバいかなと思ったのだけど、撮影後の写真を見たら予想以上にきれいで、デジタルズームでありがちなエッジの不自然な線とか凸凹の名残とか(デジタルズームって曲線が凸凹しがちなのだ)、ほとんど目立たない。AI超解像ズームエライ。
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