Squareが国内初のコード決済対応に「PayPay」を選んだ理由(2/2 ページ)
決済サービスの「Square」がPayPayに対応した。同社としては国内初のQRコード決済対応で、追加費用なく既存のSquareでPayPayが利用できるようになる。Square ペイメント グローバルマーケティング責任者のEd Lin氏は「日本市場にとってコード決済は極めて重要」との認識を示す。
決済手数料は3.25%と高いがメリットは?
加盟店側は、加盟店契約として新たにPayPayを追加契約する形になる。決済手数料は税込み3.25%。PayPay側に支払うフィーなどのコストを積み上げた結果、クレジットカードなどと同等の手数料となった。
PayPayは直に契約すると1.98%。ただしこれは税別なので、税込みだと約2.2%となる。「PayPayマイストア ライトプラン」(税込みで月額2178円)に加入することで決済手数料が1.76%になり、いずれにしてもSquareよりも手数料は安価になる。
この点、Squareは3.25%の決済手数料以外の料金がかからない点や、他の決済手段の売り上げとまとめて管理・分析できる点、最短翌営業日の入金も無料である点などをアピール。QRコードを店頭に掲示しなくても済む点も含めてメリットがあるとしている。特にクレジットカード、電子マネー、PayPayと異なる決済手段の入金や売り上げをSquare上で管理できるのはメリットだろう。
Squareは、米国だけでなくカナダのInterac Debit、オーストラリアのeftpos、そして最近もフランスの就労者向けフードバウチャーに対応しており、各国の事情に合わせた決済手段に対応してきた。
日本でもFeliCaを使った電子マネーをサポートし、今回日本独自のQRコード決済であるPayPayをカバー。各国のニーズを踏まえた事業展開をしている点は、グローバル企業ながら同社の強みだ。
Lin氏は、コロナ禍が終息して渡航制限が解除されると、再び中国のAlipayやWeChat Payのニーズも高まると予測。日本での他の決済手段への要望も注視しつつ、さらなるサービス拡充につなげていきたい考えを示している。
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