「Nothing Phone (1)」のカメラは清く正しく高画質 ミドルクラスとしては大盤振る舞い:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)
シースルーなボディーに仕込まれたLEDが光るのが特徴の「Nothing Phone (1)」。超広角と広角のデュアルカメラを搭載しているが、どちらも高画素のものを採用している。光るLEDを利用した「グリフフィルライト」という機能を使って撮影するのも面白い。
50Mモードとの使い分けのポイントは
Nothing Phone (1)はデュアルカメラが両方とも5000万画素なのだが、12Mモードと50Mモードを簡単に切り替えられるのがいい。
カメラアプリの画面からメニューを引き出して「50MP」にするだけだ。これは素晴らしい。
ではこの逆光のシーンで12Mと50Mを撮り比べてみたい。使ったのは超広角カメラだ。ちなみに中世の城跡。左手に少しこんもりしているのは土塁のあとだ。
50Mモードの方がディテールの描写力は高いのだけど、空を見ると違いが出ている。50Mモードでは「HDR」が効かないのだ。
ただ描写力は高いのでうまく使い分けたい。これは広角カメラで50Mモードで撮った五重塔。
12Mで撮ったものと比べると、HDRが効かない分、空の描写に差が出る。
でも等倍で見比べると、このくらいなら50Mで撮りたい、と思う。
うまく使い分けてくださいねって感じだ。
意外にイケるぞNothing Phone (1)
とまあ、Nothing Phone (1)ならではの機能を見た後は、いつものようにいろいろと作例タイム。
風景からは五重塔。青空と緑と赤い塔のRGBな感じが実に気持ちよくわざとらしいきれいさだったのでつい。
続いて近距離のもの、ということで、花と民芸品。
天候に恵まれたこともあってきれいに撮れているよね、ということで、次は室内へ行って料理を2つだ。
2枚目の方が白いものがきちんと白く描写されていてきれいに撮れている。いろんな照明の下で撮ってみたが、オートホワイトバランスにちょっと不安定さが見られるようだ。難しいところではあるのだけど、まだまだチューニングでレベルアップできそうではある。
暗くなったらナイトモード。独立したナイトモードがあるわけではなく、ある程度以上暗くなると右下に月アイコンが出る。そのまま撮ればナイトモード。月アイコンをタップしてそれを解除すれば通常のモードで撮影できる。
夜の団地の電話ボックスだったんだが、HDRの処理の関係か、薄い雲に隠れた月のあたりが少し不自然になってしまった。月だけが明るかったのでそこを無理に処理しようとしちゃったか。それ以外は文句ない写りだ。
もう1つ、いつもの夜景を。
最後は人物。顔を見つけると赤い枠が出る。枠が赤いというのはちょっとどうかなと思うけど。赤は警告の意味で使われるものだから。
続いてポートレートモード。ポートレートモード時はぼかす量とビューティーの度合を設定できる。今回は特にビューティーモードはしてない。
ポートレートといっても要するに背景ぼかしなので被写体は人物じゃなくてもOK。店頭の民芸品をアップで背景を大きくボカしてみた。
インカメラは1600万画素でF2.45。センサーサイズはちょっと小さい。
インカメラ時はHDポートレートをONにすると肌がちょっと調整されていい感じになる。
最後におまけで、超広角カメラで50Mで撮った駅前のウルトラマンでも載せておく。祖師谷大蔵駅前はかつて近くに円谷プロがあった関係で「ウルトラマン商店街」と名付けられており、駅前にウルトラマンの像がそびえているのだ。
ミドルクラスのカメラとしては予想以上に使えたのだった
静止画中心に見てきたが、動画は超広角でも広角でもどちらでも4Kで30fpsの動画に対応。どっちのカメラでも4Kでイケるってのがいい。
HDR動画も可能だが、それは広角カメラで1080Pのみとなる。
この価格帯でしっかり4K動画を撮れて、スローモーションも1080Pで120fps(つまり4倍速のハイスピード動画を撮れる)なのは素晴らしい。
実際にあれこれ使って見て思ったのは、デザイン重視でカメラ機能はそこそこの端末かなと思っててすみません、ってこと。
まだ不安定なところはあるけど、5000万画素の広角カメラは実にクオリティーが高いし、超広角カメラも同じく5000万画素で広角カメラと同じように使えるのもいい。
個性的なデザインでなおかつ写真もちゃんと撮れて、価格的にも手を出しやすい端末としてイケそう。
モデル:長谷川実沙
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