“1円スマホ”の規制に「賛成」「反対」の理由:読者アンケート結果発表:ITmedia Mobile読者に聞く(1/3 ページ)
ITmedia Mobileでは、スマートフォン単体の値引き規制について読者アンケートを実施しました。賛成が約3割、反対が約6割という結果。賛成派は「不当な転売ビジネスが横行していること」、反対派は「ユーザー間の不公平感への違和感」を多く挙げました。
ITmedia Mobileでは、読者アンケート企画として、スマートフォン単体販売(1円スマホ)の値引き規制についてうかがいました。テーマは「スマートフォンの単体販売も割引規制することについて、賛成ですか? 反対ですか?」と「スマートフォン(単体)の割引金額はどのように決めるべきだと思いますか?」の2つです。
アンケートは2月14日から2月21日まで実施、200件強の回答が集まりました。早速、テーマ1から結果を見ていきましょう。
スマートフォンの単体販売も割引規制することについて、賛成ですか? 反対ですか?
- 賛成……66(31.88%)
- 反対……123(59.42%)
- その他(具体的に)……18(8.7%)
- 合計……207件
賛成が約3割、反対が約6割となり、反対が賛成を上回る結果となりました。ハイエンドモデルは10万円超えが当たり前、20万円超えも珍しくない中で、消費者目線で考えると、端末値引きはあった方がいいに決まっています。そういう意味では自然な結果といえます。
ただ、圧倒的に反対が多いわけではないのは少々意外でした。では、賛成と反対、それぞれどのような理由があるのでしょうか。いくつか回答をピックアップしてみます。
スマホの単体値引き規制に賛成の理由
値引き規制に賛成の理由は、一部のユーザーだけが割引を受けられることの不公平感や、転売ビジネスのもとになっていることを挙げる声が多くありました。
また、単体販売が可能であるにもかかわらず、店頭で拒否されたケースもあったようです。キャリアにとっては、単体で1円スマホを売っても利益にならないため、契約につなげたい意図があるのは理解できますが、不当な販売は許されるべきではありません。
従来採用していた、端末と回線をセットにする代わりに端末代を値引く手法の方が分かりやすいという声もありましたが、その手法は2019年の改正電気通信事業法で禁止されたため、今さら元に戻す=現行法を否定することは難しそうです。
一部のユーザーが利益を得ることが不公平だから
- 一部のユーザーだけ利益を得てその他のユーザーがぼったくられる、という構造はいい加減にしてほしい
- 新規ユーザー獲得も大事だと思うが、長期ユーザー向けのサービスを重視してほしいから
- 機種ごとの差別が大きく、公平な競争が阻害されている
- 高値で買った人はばかを見る
- 定価に近い価格で買った人に対して不公平。大幅値下げは一年後からにしてほしい。中古価格だか中古買い取り価格を参考にする案はいいと思う
- 後日にポイントバックする形などにして、高額な端末を一括1円で販売するのは転売対策を考慮して自粛するべきだと思う。 端末の割引を縮小するなら、その分通信料金を下げるなどして、長期利用者が損するようなシステムはいい加減改めていいのではないだろうか
単体といいつつ契約が条件、単体販売を拒否するケースもあるため
- 回線や指定のサービスへの加入必須なのにその条件を分かりやすく表記していなくて実質詐欺だから、そう言うのを撲滅してほしい
- 購入時、実質的に回線契約を伴うと思われるから。また守らないキャリアや販売店への罰則を強化するべきと思う。
- 現状店頭で素直に売ってくれない場合があるから。キャリアのスマホをそのような買い方する人は少数だから。回線契約の割引を増やしてほしい
- 単体販売を希望しても断られるから
不正な転売ビジネスが横行しているから
- 代理店と癒着している手配師が人集め業者を通じて契約できる人間を他人数連れて契約させ、端末は契約者に渡さず転売、契約者にはお小遣いをする貧困ビジネス。利用者登録の本人確認さえキャリアショップではせず、苗字が同じで適当な名前で契約。携帯不正契約防止法違反であり、転売端末の買い取り業者とも癒着しており、善良な国民はマイナスしか与えられいない
- 転売ヤー対策として
- 転売の人ばかりもうけているし、在庫の不足により本当に必要な方が買えないのは問題
- 週刊誌報道によると代理店がノルマを達成するため転売ヤーを使っていると言う。それほキャリアは黙認している。キャリアは転売ヤー対策をしているが裏では転売ヤーに売り自作自演している。一般人が普通に買えるようにしてほしい
- 転売ヤーの餌にしかなってない
- 端末代が高くなる一方であるため、1円端末を買えば高い端末も安く買えていい。そもそもこのような大幅な割引もiPhoneの販売台数や回線の契約者数を伸ばすためにノルマを課したためであり、それを10年以上やっているのだから仕方がないのではないか。また日本人の給料が上がらないということも原因の1つだろう。そのためスマートフォンの割引は賛成であり転売する人だけを対策するような議論にすればいい
製品の価値を損なうから
- 1円販売はさすがにやり過ぎだと思う。また事実上「購入」ではない残価設定式を購入と言い切ってしまうのも問題だと思う
- 製品の価値をばかにしているから
ビジネスを度外視している
- もたないことは誰の目から見ても明らかなため
- 無理な割引が携帯販売を難しくしている要因
従来のセット割に戻すべき
- MNO、MVNOいずれも端末を販売しているし、自由競争の中にいるのだから、過去の事業者独自の割引に戻せばいい。本来は事業者が自社回線への加入を狙って行う割引なので、単体販売は割高になる、という状況(回線加入なしなら高いまま)なら、転売も減少するのでは? 誰でも買えるようにせよ、という状況であるからこそ悪用されるわけで。今の2年後に返却する販売方法なども、割引できないからこその苦肉の策だと思う。それならいっそ事業者の割引上限を撤廃し、24カ月回線を使うならこの金額にします、のほうが事業者、ユーザーいずれにとっても好都合と思う。
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