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“携帯電話の基本”が磨き上げられた「iOS 17」 ただし日本語対応には課題も石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

今秋リリースのiOS 17は、携帯電話の基本ともいえる「電話」や「メッセージ」の機能改善が主なトピック。「iOS 14」で導入されたウィジェットも、より多機能になる。ただし日本語対応の面では課題も残っている。

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iPhoneの用途を広げるスタンバイ、日記をつけるジャーナルも用意

 iPadOS 17と共通した機能として、ウィジェットの機能性も向上している。これまでのウィジェットは、情報を表示できた一方で、タップしてもアプリが開くだけだった。これだと、無駄な操作が多くなってしまう。これに対し、iOS 17やiPadOS 17のウィジェットは、ウィジェットを直接操作することが可能になる。再生する楽曲を選んだり、家電を直接コントロールしたりといったことも、新機能で実現する。


機能紹介はiPadOS 17のときに行われたが、ウィジェットが多機能化するのはiOS 17も共通だ

 フェデリギ氏が新しい体験として挙げた機能が、「スタンバイ」だ。これは、iPhoneをスタンドなどに設置して、時計や音楽プレイヤーとして利用するためのもの。充電中にのみ利用できる。iPhoneを手に取っていないときにも有効活用できるのが、スタンバイのメリットといえる。Uber Eatsなどの進捗状況を伝えるライブアクティビティーを画面上に大きく表示することも可能だ。


横置きかつMagSafeでの充電時に起動するスタンバイ。iPhoneを置き時計やスマートホームデバイスとして使える新機能だ

 また、新たな体験として、「ジャーナル」と呼ばれる日記をつける機能にも対応する。ジャーナルはゼロベースで日記を書くのではなく、日々の行動をiPhoneが分析し、写真や場所、ワークアウトなどの追加を促してくれる。こうしたレコメンドは、機械学習によって行われる。他にも、iOS 17にはAirTagなどの「探す」アプリ対応のアイテムを家族や友人と共有できたり、マップアプリがオフライン対応になったりと、さまざまなアップデートが加わっている。

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コミュニケーションを軸に、さまざまな機能が追加されている

 ロック画面を刷新し、パーソナライズ化のバリエーションを広げたiOS 16に対し、iOS 17はその路線を継承しつつ、「電話」や「共有」といった、スマートフォンや携帯電話としての基本であるコミュニケーション機能に改善を施している。ベーシックながら利用する機会が多いだけに、“変わった”と感じるユーザーは多いはずだ。スタンバイのようにiPhoneの用途を広げる機能もあり、秋の登場が楽しみだ。

(取材協力:アップルジャパン

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