ソニーのノイキャンイヤフォン「WF-1000XM5」を試す 先代より5700円高いが、どこがどう進化した?(2/2 ページ)
ソニーが9月1日に発売する完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM5」。先代「WF-1000XM4」(2021年6月発売、ソニーストア価格3万6300円)より5700円ほど高い。アクティブノイズキャンセリング(ANC)性能を強化しつつ、小型かつ軽量化を果たしたが、両モデルの比較で分かったことをお伝えする。
複数台持ちに便利なマルチポイント接続
使い勝手の面ではマルチポイント接続に対応する点を評価したい。
マルチポイント接続は2台の機器と同時に接続し、それぞれで通話も音楽再生も行える。例えば、通勤中にスマートフォンで音楽を再生し、出社後にPCでオンライン会議を始める際にスマートフォンからPCへ接続を自動で切り替えてくれる。2台の機器が異なるOSでも、都度手動で切り替える手間が省けるので便利だ。
WF-1000XM4は発売時にはマルチポイント接続に対応しておらず、アップデートで対応したが、WF-1000XM5は発売時点から対応している。
最後にオンライン会議での通話品質もチェックしたい。
WF-1000XM5は5億を超えるサンプルを機械学習で解析して作られたAI(人工知能)で、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離し、装着者の声をクリアに抽出するアルゴリズムである「ボイスピックアップテクノロジー」を搭載する。
口元に向いたマイクと、発話時の骨伝導音を検知する骨伝導センサーを制御し、高音質を担保しながら音声通話が行える。WF-1000XM4から改良されたとするマイクを内蔵するWF-1000XM5は、よりノイズに強くなっている。
WF-1000XM4から5700円ほど値上がり
冒頭でも触れた通り、WF-1000XM4から5700円ほど値上がりした。数ある完全ワイヤレスイヤフォンの中でも高価な部類に入るため、なくしやすい小さなイヤフォンに抵抗を持つ人も少なからずいらっしゃるはずだ。
そんな不安を解消すべくソニーマーケティングが7月25日から、新たな保証サービス「ヘッドホン ケアプランワイド」を提供している。1年ごとに更新を続ける限り、故障、破損、水ぬれ、火災、水害、落雷、紛失の際に年回3300円(初年度1650円)で保証される。WF-1000XM5はSSサイズのイヤーピースが用意されたとはいえ、イヤフォンが耳からポロッと落ちるのが不安……という人はぜひ保証とともに検討してみてはどうだろうか。
まとめると、WF-1000XM5はWF-1000XM4で不満だったサイズと装着感が大幅に改善されたことから、耳から外れにくいソニーの完全ワイヤレスイヤフォンを求める人にこそおすすめしたい。ぜひ実機を耳に装着して、その軽さと着け心地を体感してほしいところだ。
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