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KDDIが「初代INFOBAR型Apple Watch ケース」を作ったワケ “目玉のおやじ”風生成AIマスコット「Ubicot」も披露(2/2 ページ)

KDDIは展覧会「Digital Happiness / いとおしいデジタルの時代。展」を21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3(東京・港区)で開催する。期間は11月23日~12月10日(10時~19時)。前日の22日の内覧会で「初代INFOBAR型Apple Watch ケース(プロトタイプ)」などがメディアにいち早く公開された。

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au Design projectの今後は? Ubicotはかわいい相棒のような存在

 この他にも漫画やアニメの主人公のパートナーになるようなキャラクター性を持ち、あらゆる空間でユーザーと対話できる生成AIマスコット「Ubicot(ゆびこっと)」や、バーチャル空間のユーザーのアバターの腕に装着できる「METAVERSE WATCH concept」が京セラの「高精細 空中ディスプレイ」とソニーの「空間再現ディスプレイ」で展示される。


「Ubicot(ゆびこっと)」

ソニーの空間再現ディスプレイで「METAVERSE WATCH concept」を確認できる

 INFOBAR、ひいてはau Design projectが今後、どうなっていくのかも気になる。砂原氏に方向性を聞くと、こう答えた。

 「われわれは単純にメタバースやバーチャルの空間だけにシフトするのではなく、手にしたときに分かる触感、そこから生まれる感情を大切にしていきたい思いは変わらない。携帯電話はあらゆる選択肢があるし、au Design projectとしてそこ(携帯電話)だけにフォーカスしたプロダクトを追いかけていくというよりかは、新しいジャンルに挑戦していきたい」

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 「機能的に便利だと思えるだけのプロダクトではなく、かわいい存在感に生成AIなどを組み合わせてエモーショナルなプロダクトを目指したい──そんな方向性が今後20年を見据えたときに浮かんだ。実はこれが本展覧会で最も伝えたいメッセージとなる」

 「Ubicotは“目玉おやじ”のような存在なので、羽を生やして飛べるようにしようという案もあったが、現実空間だけでなくテレビやPCなどにも乗り移れ、形を変えてユーザーに寄り添える存在をコンセプトとした。コンセプトの段階ではホワイトとピンクに加えて、グレーも存在していた。結果、ホワイトとピンクの紅白饅頭みたいになってしまったけど、ケースで着せ替えすることも可能」


Ubicotについて語る砂原氏

Ubicotのピンク

 「手や足がなく可動式としなかったのは、そもそも小型ロボットを想定していたわけではなく、あくまでも生成AIでユーザーと対話できるようにしたかったため。どちらかといえば手のひらに乗るかわいさをサイズ感で表現し、小型かつ据え置き型とした」

 「昨今は生成AIで表現できることがあるし、バーチャルフューマンがしゃべることができてもいいわけだが、ユーザーに寄り添えるようなかわいい存在を優先した結果、Ubicotが生まれた。細かいスペックは非公開だが、Androidベースで対話モードを実装しているが、繰り返しお伝えしている世界観を壊さずに製品化できるといい」

 INFOBARはこれまでのファンに向けて、新しい形での提案となり、Ubicotは程遠い近未来の相棒というより、現実世界でしっかりとユーザーに向き合う、生成AIマスコットといったところだろう。いずれもコンセプトの段階であるため、「できることは今のところほとんど明かせない」(砂原氏)とのことだが、au Design projectの新デバイスはこれまでとはひと味もふた味も違う体験ができそうだ。

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