「Galaxy S24/S24+」発表 通話のリアルタイム翻訳や文字起こしが可能な「Galaxy AI」搭載
Samsung Electronics(サムスン電子)は1月18日、新型スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表した。Galaxy AIで通話時の翻訳から文字起こしをサポートしたことが大きな特徴だ。【更新】【訂正】
Samsung Electronics(サムスン電子)は1月18日、新型スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表した。この記事では、ベースモデルの「Galaxy S24」と、その大画面モデルとなる「Galaxy S24+」について、概要をお伝えする。
米国における直販価格は、Galaxy S24が799.99ドル(約11万8400円)から、Galaxy S24+が999.99ドル(約14万8000円)からとなる(いずれも256GBモデルの価格)。
【更新:10時】画像を追加しました。また、米国における価格情報を追記しました。
Galaxy AIで通話時の翻訳から文字起こしをサポート
Galaxy S24シリーズ最大の目玉機能となるのが「Galaxy AI」だ。「モバイルAIの新時代へ」と題されたニュースリリースでは「デバイスで何ができるかから、自分が実現したいことを叶えられるツールという考えたへパラダイムシフトする」という同社の思いが込められている。
Galaxy AIではまず通話アプリ内でリアルタイムに双方向翻訳が可能になる。対応言語は日本語を含む13カ国語。オンデバイスAIによる処理となるため、セキュリティ面にも配慮した仕様だという。電話でのコミュニケーションにおける言葉の壁を取り払った形だ。
メッセージングサービスでもAIが有効になる。SNSの投稿やメールなどにおいて、文字を入力すれば翻訳アプリをまたぐことなく即時に翻訳することが可能だ。さまざまな言語でやり取りをする際、AIがシーンに合わせた最適なメッセージを提案する。キーボード上にいくつかの候補が表示され、その中から任意のものを選択するだけで済む。
Android AutoでもGalaxy AIのチャットアシスト機能を利用できる。例えば、友人から「今どこにいるの?」とメッセージが届いたとき、チャットアシスト機能が現在地や到着予定時刻の返信を提案する。ただし、発表時点では日本語に対応しない。
ボイスレコーダーでは文字起こしアシストにより、録音した音声の翻訳から要約までを行う。ノートアシストでは録音した内容のテキスト化だけでなく手書きのノートのように要点を分かりやすくまとめてくれる。タイトルや表紙の作成も自動で行うため、手動で作成、整理する手間が省ける。
検索機能は「かこって検索(Circle to Search)」という名称に進化した。どのアプリでも円で囲むだけで、知りたい内容を検索できる機能だ。ホームボタンの長押しで検索エンジンのGoogleが起動し、検索したい箇所を丸で囲えば自動検索が開始される。囲い方は正確でなくてもいいという。なお、こちらはGalaxy特有の機能ではなく、Google標準機能がGalaxy S24シリーズにいち早く実装されたのだという。
カメラの撮影、再生、編集にもAIを活用
アウトカメラはGalaxy S24とGalaxy S24+ともに約1000万画素の光学3倍ズームレンズ、約5000万画素の広角かつ2倍光学ズームが可能なレンズ、約1200万画素の超広角レンズで構成される。
暗所撮影も強化され、暗い場所で動画を撮影する際、アウトカメラとインカメラの両方に搭載された高度なノイズ低減アルゴリズムにより、鮮明さを保ったまま明るい仕上がりになるという。
編集サジェスト機能も実装した。撮影後に余分な反射のみを削除できるようになった他、撮影した写真の角度を補正し、不足した部分はAIで生成できるようになった。撮影後に人や物の位置を微調整することも可能になった。対象のオブジェクトのみを移動させると、元にいた場所の背景がAIで生成される。
ギャラリーアプリでの動画再生時にもAIが活用される。インスタントスローモーション機能により、通常速度の動画でもよりスムーズで自然なコマ送りが行える。撮影した動画を長押しすると、インスタントスノーモーションがAIを利用して、動画の「動き」を予測し、追加で必要になるフレームを生成する。
カメラアプリでの撮影から閲覧までを自然かつ立体的に表示できる。SNSにも最適化されているため、スーパーナイト、HDRの情報もSNSに引き継げる。撮影からソーシャルでの共有までをクリエイティブにサポートする。
その他のスペック
Galaxy S24は6.2型の有機ELディスプレイを搭載。大きさは約70.6(幅)×147(高さ)×7.6(厚さ)mmとなっている。重量は約168gだ。
Galaxy S24+は6.7型の有機ELディスプレイを搭載する。大きさは約75.9(幅)×156.5(高さ)×7.7(厚さ)mmとなっており、S24よりも一回り大きなサイズ感だ。重量はS24より約28g重い約196gだ。
輝度はどちらも2600ニト、リフレッシュレートは1~120Hzの可変式となっている。
プロセッサはどちらもQualcommのSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxy。メモリはS24が8GB、S24+が12GBで、内蔵ストレージはS24が128GB、256GB、512GB、S24+は256GBと512GBのラインアップで展開される。なお、microSDスロットは両モデルともに非搭載となる。
【訂正:1月16日14時50分】記者に配布された資料の内、メモリとストレージの容量に誤りがありました。そのため、記事内のストレージ表記も訂正しました
バッテリーの容量はS24が4000mAh、S24+が4900mAh、出力はS24が25W、S24+が45W。どちらもワイヤレス充電とワイヤレス給電に対応する。SIMはnanoSIMとeSIMを搭載する。
カラーはチタニウムブラック、チタニウムグレイ、チタニウムバイオレット、チタニウムイエローの4色。フレーム部にアーマーアルミニウムが使用され、マットな仕上げとなっている。耐久性についてはどちらもIP68等級の防塵(じん)・防水性能を有している。
この他、純正アクセサリーとして「Silicone Case」、手を引っかけて滑り落ちないようにするためのストラップが付いた「Standing Grip Case」、背面に好きな絵柄のシートを入れておける「Keith Haring Flipsuit Case」を用意している。
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