Sペン×AIの新フラグシップ「Galaxy S24 Ultra」登場 シリーズ初のチタンフレーム採用
Samsung Electronicsが、フラグシップスマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表した。最上位モデルである「Galaxy S24 Ultra」は、シリーズとしては初めてチタン素材のフレームを採用したことが特徴だ。【更新】
Samsung Electronicss(サムスン電子)は1月17日(米国東部時間)、新型スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表した。この記事では、フラグシップモデルとなる「Galaxy S24 Ultra」について、概要をお伝えする。
なお、Galaxy S24シリーズの日本における展開は未定だ。
【更新:9時55分】米国における価格情報を追記しました。また、画像を追加しています。
Galaxy S24 Ultraの概要
Galaxy S24 Ultraは「Galaxy S23 Ultra」の後継モデルで、シリーズとしては初めてボディーフレームにチタニウム(チタン)素材を採用したことが特徴だ。ボディーカラーも全て「Titanium」を冠しており、グローバルではTitanium Black(チタニウムブラック)、Titanium Violet(チタニウムバイオレット)、Titanium Gray(チタニウムグレー:メインカラー)、Titanium Yellow(チタニウムイエロー)の4色をそろえている。メーカー直販を行う一部の国/地域では、直販限定カラーも別途用意する。
米国におけるアンロック(SIMフリー)モデルの直販価格(税別)は、256GBモデルが1299.99ドル(約19万3000円)、512GBモデルが1419.99ドル(約21万400円)、1TBモデルが1659.99ドル(24万6000円)となる。
グローバルで用意されるカラーは、左からTitanium Black、Titanium Violet、Titanium Gray、Titanium Yellowの4種類だが、実際に投入されるカラーは国/キャリアによって異なる
米国の直販サイトでは、左からTitanium Blue(チタニウムブルー)、Titanium Green(チタニウムグリーン)、Titanium Orange(チタニウムオレンジ)の3色も取りそろえている
SoCは引き続き「クロック引き上げ版」 AI推しもさらに推進
SoC(プロセッサ)は、全世界共通でQualcomm製の「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」を採用する。このSoCはQualcommが2023年11月に発表した「Snapdragon 8 Gen 3」をベースに、CPU/GPUコアやNPU(推論プロセッサ)の動作クロックを引き上げたカスタマイズ品となる。冷却に利用するベイパーチャンバー(液体を封入した冷却ユニット)の面積は先代の1.9倍となり、冷却効率が向上した。
メインメモリは12GBを備え、ストレージの容量は256GB/512GB/1TBの3種類が用意される。OSはAndroid 14をプリインストールしている。
本機を含むGalaxy S24シリーズは、オンデバイス処理とクラウド(オンライン)処理のAI(人工知能)機能を「Galaxy AI」というブランドで訴求しており、「通話アプリにおけるリアルタイム文字起こし/翻訳」「ボイスレコーダーアプリでの文字起こしと自動要約」といった新機能が多数搭載されている。
ベースのSoC(Snapdragon 8 Gen 3)と同様、Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxyでは特にNPUの性能が大きく向上している。そのことを生かして、プリインストールアプリにおけるAI機能が拡充している。ただし、利用にはSamsungアカウント(旧Galaxyアカウント)でのログインが必須となるので注意したい
ディスプレイはより明るく、より頑丈に
ディスプレイは6.8型のDynamic AMOLED+(有機EL)を搭載している。解像度はWQHD+(1440×3088ピクセル)で、指紋センサーと環境光センサーが埋め込まれている他、インカメラ周辺部にパンチホール(穴)が開けられている。リフレッシュレートは1〜120Hzの可変式で、最大輝度は2600ニト(ビジョンブースター利用時)に引き上げることで屋外での視認性をさらに高めている。
画面ガラスは、Corning製の「Gorilla Armor」を採用している。従来モデルと比べると、耐傷性や耐衝撃性は4倍になったという。またコーティングに工夫を凝らすことで、光などの反射を最大で75%低減している。
ここ数年のUltraシリーズと同様に、本機も「Sペン」によるペン入力に対応している。Sペンのスペックは先代とおおむね同様だが、Galaxy S24シリーズに先行実装される「囲って検索(Circle to Search with Google)」など、ペンを使うと便利な機能が新たに実装された。
Googleアプリに新たに実装される「囲って検索」。その名の通り、画面を指(またはスタイラスペン)で囲むとイメージ検索をしてくれるというもので、ごく一部の画面を除いてホームボタン(またはナビゲーションバー)を長押しすることで呼び出せる。なお、この機能はGalaxy S24シリーズに「先行実装」されるもので、他メーカーのAndroid端末にも搭載される可能性がある
アウトカメラは望遠を強化 AIを使った撮影機能も
アウトカメラはクアッド(四眼)構成で、センサーやレンズの仕様は以下の通りとなる。
- 超広角カメラ:約1200万画素/F2.2/デュアルピクセル対応/画角120度
- 広角カメラ(メイン):約2億画素/F1.7/クアッドピクセル対応/光学式手ブレ補正対応/画角85度
- 望遠カメラ(5倍):約5000万画素/F3.4/クアッドテレシステム対応/光学式手ブレ補正対応/画角11度
- 望遠カメラ(3倍):約1000万画素/F2.4/デュアルピクセル対応/画角36度
先代と比べると、10倍望遠カメラ(約1000万画素)が5倍望遠カメラ(約5000万画素)に置き換えられていることが大きなポイントだ。望遠倍率こそ下がっているが、自社独自の「クアッドテレシステム」によって「2倍」や「5〜10倍」のズームも光学ズームと同等の画質を確保できるようになっているという。デジタルズームは従来モデルと同様に最大100倍まで対応しているが、画像処理の改良で画質を改善したという。
この光学5倍カメラは、センサーサイズを先代の10倍望遠カメラの約1.6倍の1.4μmとした上で、光学式手ブレ補正(OIS)の適用可能角度を約2倍に拡大している。これにより、手ブレの少ない動画を撮りやすくなった。暗所(夜景)での動画撮影時は、本体のジャイロスコープを活用して「撮影者の動き」と「被写体の動き」を解析することで効率的なノイズ除去を実現したそうだ。
インカメラはシングル(単眼)構成で、約1000万画素センサー(F2.2/デュアルピクセル対応/AF対応/画角80度)を搭載している。
ギャラリーアプリにも改良が加えられ、Galaxy AIを活用した「ジェネレーティブ編集」が搭載された。この機能では、「写真の角度補正」「レタッチ時の背景補完」「人物/オブジェクトの移動」といった生成AIを生かした編集を行える。
バッテリー容量(定格)は5000mAhで、USB PD(Power Delivery)規格に準拠した急速充電に対応しており、45W出力のUSB PD充電アダプターを用意すれば、30分間の充電で約65%の充電を行える。自社独自の「Fast Wireless Charging 2.0」規格と、Qi(チー)規格のワイヤレス充電にも対応している。
モバイル通信は5G NRとLTEに対応している。Wi-Fi 6E(6GHz帯対応のIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.3での通信も可能だ。
ボディーの寸法は約79(幅)×162.3(高さ)×8.6(奥行き)mmで、重量は約233gとなる。IP68等級の防塵(じん)/防水性能も確保している。
日本でも実機展示を実施
Galaxy S24シリーズの日本での展開は未定だが、1月17日から以下の施設でグローバル版(※1)の実機が展示される。
- Galaxy Harajuku(東京都渋谷区)
- Galaxy Studio Osaka(大阪市中央区)
気になる人は足を運んでみてほしい。
(※1)海外で販売される仕様の本体(どこの国/地域向けのモデルかは明言されていない)
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