楽天の三木谷氏とAST SpaceMobile Abel氏、低軌道衛星と市販スマホの直接通信試験を実施:試験の様子をYouTubeにて公開
2024年1月15日、楽天グループ 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、AST SpaceMobile社 Chairman兼CEOのAbel Avellan氏と、ハワイ州の試験場所にいるAST担当者との間で、低軌道衛星と市販スマートフォンの直接通信による音声通信を実施した。同日、その模様がYouTubeにて公開された。
2024年1月15日、楽天グループ 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、AST SpaceMobile社 Chairman兼CEOのAbel Avellan氏と、ハワイ州の試験場所にいるAST担当者との間で、低軌道衛星と市販スマートフォンの直接通信による音声通信を実施した。同日、その模様がYouTubeにて公開された。
楽天モバイルと楽天グループが出資するAST SpaceMobileは、大型の低軌道衛星を活用し、日本全土をカバーするための通信サービスを提供する計画を進めている。ニュースリリースや会見では「スペースモバイル」プロジェクトと表現されることが多い。今回の試験もこの計画の実現に欠かせない。
2023年4月には、ASTが2022年に打ち上げた試験衛星の「BlueWalker3」を使い、米国での実験に成功した。既存端末に手を加えずに米AT&T(通信事業者)の周波数を用いて音声通話を実施した。
8月4から6日かけてパシフィコ横浜で開催された楽天グループ最大級の体験イベント「Rakuten Optimism 2023」では、8月以降に北海道でも実証実験を行うことが予告されていた。楽天モバイルの矢澤俊介社長は「いまだに携帯電話の電波が届きづらい、日本の国土の約30%(≒エリアの穴)」を埋めるべく、スペースモバイルプロジェクトに取り組んでいる」と説明していた。
三木谷氏は自身のX(旧Twitter)アカウントで「地理カバー率100%とともに災害時対策に貢献します」と投稿しており、他社に見劣りすると見られがちなエリアの穴だけでなく、へき地や災害時の対策にも有効活用できるとの考えを明かしている。
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