「AQUOS R9 pro」のカメラ機能を「Xiaomi 14 Ultra」と比較 よかったのは望遠、悪かったのも望遠(2/3 ページ)
2024年末、カメラ機能でユーザーを驚かせたスマホといえば「AQUOS R9 pro」だと思う。これを「Xioami 14T Ultra」と比較してみた。大型センサーの搭載は意欲的で面白いが、シャッターボタンの搭載や手ブレ、ピンボケのしやすさがあだとなっている。
1/1.56型の大きなセンサー搭載の望遠カメラを使いこなす
AQUOS R9 proはシングルカメラからトリプルカメラになったのが最大の特徴です。特に望遠カメラのイメージセンサーは1/1.56型と、ライバルであるXiaomi 14 Ultraの1/2.51型よりも大きなものを採用しており、画質に期待ができます。
実際に撮ってみるとまぁよく写る。センサーが小さいとノイジーとなり破綻しがちな望遠においてもしっかりと階調が残っています。ノイズをあえて残す設計と中の人が言っていましたが、極端に暗いところ以外はあまりノイズも感じません。
望遠カメラが追加されたことによって暗いシーンでも積極的に望遠が生かせるようになりました。夜景撮影だけでなく、暗い店内でのテーブルフォトも思い切った構図が取れます。センサーが大きい分ボケのコントロールが難しく、料理の一番手前はピンボケになってしまいましたが、かなり寄れるのもいいところです。
もちろん一番画質がいいのは1型よりも大きいセンサーを搭載した標準カメラです。初めて1型センサーを搭載したAQUOS R6から3年、今まで培われてきた技術力はだてではありません。
強い光源にカメラを向けても陰影が破綻しておらず、むしろ壁に写った影の階調が豊かに残っているのはさすがの一言です。
よかったのは望遠だが、悪かったのも望遠
AQUOS R9 proの妙味は望遠にあるのですが、課題点があるのもまた望遠です。
まず感じたのが手ブレのしやすさ。帰ってから撮れた写真を見返すと結構な確率で手ブレ写真となっていました。望遠×大きいセンサーで望遠に対してはシビアなのだと理解していますが、それにしても手ブレ写真が多いです。
特に望遠の夜景撮影は拡大するとぶれている写真ばかりでした。例えば上の写真のシャッタースピードを見ると1/13秒になっています。競合他社のスマホも同様のシャッタースピードであることから見るに、光学式手ブレ補正の強度やAIによる手ブレ補正のポスプロに改善の余地があるのでしょう。
シャッターボタンを押し込むときに片手だとロール方向に、両手だとシフト方向にブレが起きやすくなっているはずです。それを踏まえた補正を入れるソフトウェア処理が求められると感じます。
シャッターボタン関連でいうと、カメラアプリのUIにも課題はあります。
AQUOS R9 proはR8シリーズと同じUIのアプリとなっていますが、新たにシャッターボタンが追加されたため、シャッターボタンを使って撮影しようとすると、撮影モード選択の場所に手が当たり、誤作動することが多かったです。シャッターが切れないと思ったら画面に触れていた、といったシーンはかなりの頻度で発生しました。
競合のXiaomi 14 Ultraはカメラアプリの画面に余白を持たせることで、この問題を解決しています。こういったUIのアップデートも必要になってきます。
誤作動で撮影モードが切り替わっていると、次に戻す作業をすることになりますが、他の撮影モードのフォントも色も薄く、極めて見づらいです。冬でも直射日光下だとほとんど見えないのには難儀しました。
UI関連でもう1点。AQUOS R9 proで撮影された写真は4ピクセルを1ピクセル扱いにするピクセルビニングによって12.6MPへリサイズされています。ピクセルビニング機能のあるスマホの多くはリサイズが必要なく使いやすい画角でもある2倍望遠への切り替えがしやすいように、別で2倍望遠の切り替えが用意されているものが多いのですが、AQUOSにはありません。iPhoneでもPixelでもGalaxyでもXperiaでもある機能なので当然あると思っていたのですが……ここもアップデートに期待しています。
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