「災害時に携帯つながる」目指し、NTTやKDDIら8社が訓練 移動基地局車の稼働に向け、給油拠点を共用
国内の通信事業者8社は2025年1月28日、神奈川県平塚市で給油拠点の共同利用訓練を実施した。実施したのは日本電信電話、東日本電信電話、西日本電信電話、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルだ。移動基地局車が被災地へ出向いた際に、燃料不足で移動できなくなったり、電波を発射できなくなったりするのを防ぐ。
日本電信電話、東日本電信電話、西日本電信電話、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの8社は2025年1月28日、神奈川県平塚市で給油拠点の共同利用訓練を実施した。
災害時に特定のエリアで基地局が使えなくなり、移動基地局車が現地へ出向いた際に、燃料不足で移動できなくなったり、電波を発射できなくなったりするのを防ぐ。事前に共用の給油拠点を決めて、各社で把握しておき、訓練を実施しておくことで、災害時に移動基地局車が稼働できるようにする。
8社は2024年12月1日、大規模災害発生時にネットワークの早期復旧に向けて、通信事業者間の協力体制を強化すると発表しており、給油拠点での共同利用訓練は、その発表内容に基づいて実施したものだ。
8社は、大規模災害が発生した際、各社が保有するアセット(事業所、宿泊場所、資材置き場、給油拠点など)を共同利用する。
さらに、NTTグループとKDDIが保有する船舶に、ソフトバンクと楽天モバイルの船上基地局を設置することも発表していた。海側からエリア復旧が可能な沿岸地域に対して携帯電話サービスを提供する。
この他、被害状況の把握やネットワークの復旧に必要な設備情報などの共有を通じ、自治体や病院などの重要拠点をカバーするネットワークの障害の原因となる固定通信網の支障箇所を特定するなど、復旧作業における優先順位を明確化する。
8社は、災害時のネットワークの早期復旧に向けて、このような取り組みを実施し、被災地におけるモバイルネットワークの早期復旧を目指す他、今後も災害対策をはじめさまざまな場面で、通信事業者間の協力を強化していく考えを示している。
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