「Galaxy Z Fold7/Z Flip7」の進化をハードとソフトの両面から考える Googleとの連携強化で他社をリード:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
「Galaxy Z Fold7/Flip7」は、過去最大級とも言っても過言ではないフルモデルチェンジを果たした。特に、Galaxy Z Fold7は、その根本ともいえるコンセプトの方向をやや変え、“普通に使える大画面スマホ”に脱皮した印象を強く与える。ソフトウェアという観点ではGoogleとの協業もさらに深めている。
大画面、フリップに合わせて最適化されるGalaxy AI
ベクトルは異なっているものの、2機種ともハードウェアは「イノベーションの頂点」とうたうだけの進化を遂げている。このハードウェアを支えているのが、Galaxy AIやGeminiといったスマホ上で動くAIだ。サムスン電子は年内にGalaxy AI対応デバイスを4億に広げていく方針を示しており、Galaxy Z Fold7/Flip 7もその一翼を担う。
Galaxy AIは、2024年に発売された「Galaxy S24」シリーズで導入され、その年にはフォルダブルスマホのGalaxy Z Fold6や「Galaxy Z Flip6」にも採用された。2025年の「Galaxy S25」シリーズでは、機能性の向上に加えて、ユーザーインタフェースも見直されており、より各アプリからAIを簡単に呼び出せるようになっている。
場所や時間によって必要な情報を一覧化する「Now Brief」や、進行中の情報をバー形式で表示する「Now Bar」を搭載したのも、Galaxy S25シリーズから。Galaxy Z Fold7/Flip7でもこうした機能を踏襲しつつ、Galaxy AIの機能は25年版にアップデートされている。
ただし、その実装方法はGalaxy S25シリーズとはやや異なる。特にGalaxy Z Fold7では、ユーザーインタフェースが8型のメインディスプレイに最適化されており、縦長のディスプレイが基本のスマホよりも使い勝手が向上している。例えば、上記のNow Briefは画面いっぱいに必要な情報が配置され、一覧性が大きく高まっている。
翻訳や要約の結果を画面分割やポップアップさせたウィンドウで表示させる機能も、大画面を生かしたGalaxy AIのUIといえる。生成AIを使い、映り込みを消したり、構図を変えたりした写真は、画面内に編集前、編集後の写真が表示され、仕上がりを1つの画面で確認可能。記憶に頼らず、正確に前後を比較できるようになった。
一方のGalaxy Z Flip7では、カバーディスプレイを“AIの窓”として活用する使い方を推し進めている。カバーディスプレイだけでNow Brief、Now Barを表示したり、Geminiを起動してそのまま会話したりといったことが可能。立てかけられるフリップ型の形状を生かし、Gemini Liveに自分を写して、コーディネートを提案してもらうといった使い方にも対応している。こうした使い方ができるのは、フォルダブルならではだ。
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