若者よテレビを見ないか? 新ネット配信「NHK ONE」を提供する本当の狙い、稲葉会長が語る
NHK(日本放送協会)は10月1日、新しいインターネットサービス「NHK ONE」を開始する。これを前に、稲葉延雄会長が7月30日の定例会見で、NHK ONEに対する所感や提供の狙いを語った。NHK ONEは、番組の同時配信、見逃し(聴き逃し)配信、ニュースの記事や動画などを、スマートフォンやPC、ネット対応テレビに最適化し、Webサイトやアプリを通じて提供する新サービスだ。
NHK(日本放送協会)は10月1日、新しいインターネットサービス「NHK ONE」を開始する。これを前に、稲葉延雄会長が7月30日の定例会見で、NHK ONEに対する所感や提供の狙いを語った。
NHK ONEは、番組の同時配信、見逃し(聴き逃し)配信、ニュースの記事や動画などを、スマートフォンやPC、ネット対応テレビに最適化し、Webサイトやアプリを通じて提供する新サービスだ。NHKではこれまでにもNHKプラスを通じて見逃し配信サービスを行ってきたが、NHK ONEでは番組の同時配信や関連情報の提供をさらに強化する。
NHKは、番組の同時配信や見逃し・聴き逃し配信を拡充する。ニュース記事や動画もさらに充実させ、視聴者に対して信頼できる情報と豊かなコンテンツをこれまで以上に発信していく。デジタルサービス全体の強化を通じて、いつでもどこでもNHKの多様な番組や情報を楽しめる環境を提供する
NHK ONEはテレビとネットの融合を進める「歴史的な一歩」
「テレビとネットに分かれていた世界を大きく変える、歴史的な一歩になる」という稲葉氏。NHK ONEは、NHKの正確で豊かな情報やコンテンツを、これまで以上に便利に使ってもらうためのものであり、「登録手続きやアプリのインストールなどで少し手間はかかる」ものの、その分の「メリットは大いにある」という。
利便性の一例として、テレビの放送から配信サービスにリモコン操作で切り替えられる機能を挙げ、「ちょっとよそ見をして肝心なシーンを見逃した場合でも、その場ですぐに巻き戻して見られるようになる」と説明する。ニュース番組の視聴中に興味を持った話題についても、関連情報や過去のニュースをその場で確認できる機能により、「知識を深める新しい体験が可能になる」と語った。
NHK ONEを提供する本当の狙い 若年層に届けたい「新たなテレビの楽しみ方」
さらに、以前から語られてきた「放送と通信の融合」をキーワードに挙げ、NHK ONEによって「本当の意味での融合」が実現すると稲葉氏は強調する。放送と配信の双方によって、NHKのサービスをより一層楽しめるようになると述べた。
近年の「テレビ離れ」にも言及し、「大きな画面でじっくりと鑑賞する」「家族や友人と一緒に楽しむ」といったテレビ本来の価値を改めて見直すきっかけになってほしいと語った。特に若年層に対しては、「新たなテレビの楽しみ方を発見し、自分もテレビを持ってみようと思ってもらえるようなきっかけになれば」と期待を寄せた。最終的には、NHK ONEを通じて「新たな映像・音響文化、情報文化を作り出していきたい」と意欲を示した。
また、NHK ONEが「非常に壮大な目標である」ことにも触れ、「NHKの総力を挙げて取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
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