「えきねっと」「EX予約」などJRのきっぷのネット予約サービスに相互連携の動き まず「シングルサインオン」から
JRグループの旅客鉄道会社4社が個別に運営している乗車券類のネット予約サービスが、相互連携に向けて動きだした。第1弾の取り組みとして、2027年度以降の早期に互いのサービスについてシングルサインオン(SSO)に対応するという。
JRグループの乗車券類(きっぷ)のネット予約サービスは、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「えきねっと」、東海旅客鉄道(JR東海)が主導する「エクスプレス予約(EX予約)」「スマートEX」、西日本旅客鉄道の「e5489(いーごよやく)」、そして九州旅客鉄道(JR九州)の「JR九州インターネット列車予約」と、会社ごとに乱立している。それぞれの予約サービスでは予約できるきっぷに差異があったり、紙のきっぷを受け取る際の受け取り可能箇所が異なったりする反面、ごく一部の例外を除き相互の連携することもできないなど、使い勝手が良くない面もある。
この不便を少しでも解消すべく、4社は9月19日にサービス間連携による利便性向上の取り組みをすることで合意したことを発表した。その一環として「サービス間のシングルサインオン(SSO)」「他サービスの予約情報の表示」を2027年度以降に準備ができ次第実装する(※1)。
(※1)EX予約/スマートEX(以下まとめて「EXサービス」)とe5489におけるSSO対応ついては、10月4日から開始
サービス間のシングルサインオン
現在、各サービスには個別のアカウント(ユーザーIDとパスワード)でログインする必要がある。例えば東海道新幹線と北陸新幹線を東京駅でチケットレスで乗り継ぐ場合(※2)、東海道新幹線はEXサービス、北陸新幹線はえきねっとまたはe5489にそれぞれログインして予約/購入しなければならない。
そこで、異なるサービスのアカウントのログイン情報をひも付けるSSOを導入し、片方のサービスでログインすれば、もう片方のサービスでのログイン操作を省略(簡略化)できるようにする。
SSOの仕組みを導入することで、サービスをまたがる際にログインし直す手間が省ける。なお、この画像で例示されている予約パターンをどちらもチケットレス乗車とした場合、現在は東京駅においていったん出場するか、在来線改札口を経由して乗り換える必要がある(東海道新幹線と東北・上越・北陸新幹線の乗り換え改札口でチケットレス乗車の扱いをしていないため)
他サービスの予約情報の表示
SSOの開始に伴い、ログイン情報をひも付けた他サービスのアカウントにおける予約情報を参照できるようにもする。これにより、同じ日に別々のサービスに入れた予約を1つのサービスから見られるようになる。
なお、EXサービスとe5489はSSOのみ先行対応するが、予約情報の相互参照は他のサービスと同時期になる見込みだ。
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