iOS 26非対応の「iPhone XS」「iPhone XR」、使い続けるリスクは? 注意すべきポイントを解説
2025年9月16日、AppleはiPhone向けiOSの最新版「iOS 26」の配信を開始した。2018年に発売された「iPhone XS」と「iPhone XR」が、今回のアップデート対象から外された。最新のOSが提供されなくなったiPhoneを使い続けることは、果たして安全なのだろうか?
2025年9月16日、AppleはiPhone向けiOSの最新版「iOS 26」の配信を開始した。新しい要素が多いiOS 26だが、一部のiPhoneユーザーは戸惑いを覚えたかもしれない。2018年に発売された「iPhone XS」と「iPhone XR」が、今回のアップデート対象から外されたからだ。最新OSが提供されなくなったiPhoneを使い続ける上での注意点と、買い替えの判断基準について解説する。
iOS 26の基本的な特徴を簡単におさらい
本題に入る前にまずはiOS 26の基本的な特徴を簡単におさらいする。Appleは今回、UI(ユーザーインタフェース)を大幅に見直した。その核心をなすのが「Liquid Glass」だ。文字通り、ガラスの屈折や反射を精緻に表現したこのUIは、視覚的な美しさと流れるような操作感を両立させる。ホーム画面からロック画面、そして各アプリの隅々に至るまで、光が溶け込むようなアニメーションがユーザー体験を変える。
電話アプリのUIも刷新され、よく使う項目、履歴、留守番電話を1画面で確認できるようになった。ライブ留守番電話機能が強化された「着信スクリーニング」機能では、発信者の情報を収集して、ユーザーがその電話を取るか無視するかの判断に役立てることが可能になった他、写真アプリにはライブラリとコレクションが2つのメインタブとして加わるなど、従来のiOSで不評だった使い勝手も改善されているようだ。
メジャーアップデート対象外でもすぐに危険になるわけではない
UIとAI機能の強化が図られたiOS 26だが、対象外となるデバイスの存在も気にすべきところだ。iPhone XSとiPhone XRは、2018年の発売から2024年のiOS 18まで、実に7年間にわたって最新OSの恩恵を受けてきたが、今回のiOS 26でそのサポートは途絶えることになった。
では、アップデート対象から外れたiPhoneを使い続けることは、即座に危険を意味するのだろうか。結論からいえば、すぐに使えなくなるわけでも、セキュリティ上の脅威に直接さらされるわけでもない。
重要なのは、「メジャーOSアップデート」と「セキュリティアップデート」は異なるということだ。OSのメジャーアップデートが提供されなくなっても、iPhoneが突然機能不全に陥ることはない。これまで通り、通話やメッセージ、多くのアプリは利用を継続できる。問題となるのは、主に「アプリの互換性」と、将来的な「修理サポート」の2点だ。
セキュリティは大丈夫? 旧モデルにも提供されるアップデートを確認
メジャーOSアップデートが停止すると、新機能の追加や大幅なUIの変更といった恩恵は受けられなくなる。しかし、システムの脆弱(ぜいじゃく)性を修正し、ユーザーをサイバー攻撃の脅威から守るためのセキュリティアップデートは、その後も継続して提供されるのが通例だ。
実際、Appleは過去のモデルに対しても長期間にわたりセキュリティアップデートを提供している。例えば、iOS 26の対象外となったiPhone XSなどには、2025年8月20日に「iOS 18.7」が配信され、セキュリティ上の重要な修正が行われた。さらに古い「iPhone 8」や「iPhone X」といった機種にも、2025年9月時点でセキュリティパッチは提供され続けており、Appleが古い機種のユーザーを見捨てていないことが分かる。
つまり、「最新OSの対象外=すぐに危険な状態になる」と考えるのは早計だ。ただし、このセキュリティアップデートがいつまで続くかはAppleの判断次第であり、永続的なものではないことには注意が必要だ。
注意すべきはアプリの互換性
より現実的な問題は、アプリの互換性だ。アプリ開発者は、最新のOS環境に合わせてアプリを開発・更新するのが一般的だ。古いOSのサポートを続けることは開発コストの増大につながるため、多くのアプリは徐々に古いOSへの対応を打ち切っていく。
そうなると、型落ちしたiPhoneでは新しいアプリをインストールできなかったり、これまで使えていたアプリがある日突然「お使いのOSはサポート対象外です」というメッセージとともに利用できなくなったりする可能性がある。特に、銀行やスマートフォン決済など、高いセキュリティが求められるアプリは、比較的早く古いOSのサポートを終了する傾向にある。
まだ使える? 性能やバッテリーの状態をチェック
iPhone XSやXRは、現在の基準で見ても日常的な利用には十分な性能を持っている。ディスプレイやカメラの品質も高く、Webサイトの閲覧やSNS、動画視聴といった用途で不満を感じる場面は少ないだろう。
ただし、判断材料となるのがバッテリーの状態だ。長年使用しているとバッテリーは劣化し、1回の充電で使える時間が短くなる。設定アプリから「バッテリーの状態」を確認し、「最大容量」が80%を下回っている場合は、体感できるほど持ちが悪くなっている可能性が高い。
もし外に持ち出す機会が減ったのであれば、自宅のWi-Fi専用機として、あるいは子ども用の初めてのスマートフォンとして活用するという選択肢もあるだろう。
故障に注意 Appleの修理サービスには期限がある
長く使い続ける上で見過ごせないのが、故障時の修理サポートだ。Appleは製品の販売終了からの期間に応じて、修理サービスの対象を「ビンテージ製品」と「オブソリート製品」に分類している。
ビンテージ製品は、販売終了から5年以上7年未満の製品を指し、部品の在庫があれば修理を受けられる。一方、販売終了から7年以上経過したオブソリート製品になると、原則としてAppleでのハードウェア修理は一切受けられなくなる。
2025年10月現在、iPhone XSはビンテージ製品に含まれており、部品の在庫次第では修理が受けられない可能性がある。一方でiPhone XRはまだビンテージ製品には指定されていない。万が一の故障時に修理できないリスクは、買い替えを検討する上で重要な判断材料となる。
販売終了から7年以上経過した製品はオブソリート製品にカテゴライズされる。部品の在庫次第では修理が受けられない可能性がある。画像は「保証期限の切れたApple製品の修理サービスを受ける」というページより引用
ではいつ買い替えるべきか?
iOS 26の対象外になったからといって、慌ててiPhone XSやXRを買い替える必要はないが、使い続けていくうちに「いくつかの潮時」を迎えることは確かだ。
買い替えを具体的に検討すべきサインは、まず「日常的に使うアプリが非対応になったとき」だろう。また、「バッテリーの劣化が著しく、モバイルバッテリーが手放せなくなったとき」や、「修理サポートが完全に終了し、オブソリート製品になったとき」も明確なタイミングだ。そして最終的なデッドラインは、「セキュリティアップデートの提供が完全に終了したとき」といえる。
スマートフォンは今や生活に欠かせないインフラだ。その重要な情報を守り、快適に使い続けるためにも、OSや修理のサポート状況を正しく理解し、自身の使い方に合わなくなったと感じたときが、新しいデバイスへ移行する最適なタイミングといえるだろう。iPhone XSやXRは、その役割を十分に果たした名機だが、今、次の世代へとバトンを渡すときが近づいているのかもしれない。
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9月16日に配信される「iOS 26」の新機能をおさらいする。新デザイン「Liquid Glass」に変わり、ガラスのような透明感や光の屈折を生かした質感がシステム全体に導入される。迷惑電話や迷惑メールを判別しやすくする機能も導入する。
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