70万円の衝撃、Huaweiが放つ「ダイヤ入り」スマートウォッチ Apple猛追の裏にあるものは?:山根康宏の海外モバイル探訪記
Huaweiが70万円のダイヤ入りスマートウォッチを発表しました。Appleを猛追するシェア拡大の背景と、高級路線でブランド価値を高め、将来のスマホ再展開を見据えた同社の緻密な中長期戦略を解説します。
中国国内のスマートフォンシェアでトップに返り咲いたHuawei。スマートウォッチの分野でも多数の製品を展開し勢いに乗っています。2026年4月には女性向けにダイヤモンドをあしらった「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN:Star Diamond Bloom Edition」を発表しました。価格は日本円で約70万円、しかし大きな注目を集めています。
Counterpoint Researchのデータによる世界のスマートウォッチの出荷台数シェアはAppleが1位ではあるものの、市場を寡占していた時代は終わっています。その後を追いかけるHuaweiは2025年の第2四半期にAppleを抜くという調査結果もあり、ユーザー数を着々と増やしています。
米国政府の制裁、独自のHarmonyOSの採用など、Huaweiはスマートフォンの世界展開が一筋縄にはいかない状況です。そのような中でスマートウォッチなどウェアラブルデバイスのシェアを拡大することは、ユーザーとの接点を維持するためにも必須でしょう。
Appleのスマートウォッチは基本的にApple製品ユーザーだけをターゲットにしているのに対し、Huaweiの製品はiOS、Android OSそして自社のHarmonyOSと全てのデバイスに対応します。バッテリーの持ちの良さやセルラーモデルの接続性の高さなどは定評がありますし、スポーツ・ヘルスケア関連の技術開発も自社で行っています。日本でも定期的に新製品を投入しており、今やスマートフォンよりもスマートウォッチメーカーという印象が強いかもしれません。
一方で、ウェアラブルデバイスはファッション製品、嗜好品でもあります。機能だけではなくデザインを求めるユーザーも多くいます。2023年に発表した「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」は18金を取り入れた製品で、50万円近い価格ながら売れ行きは好調でした。蛇足ながら筆者はドバイのHuaweiストアで、同製品が目の前で数台売れていく様を見たこともあります。
今回の新製品のダイヤモンドモデルの価格はスマートウォッチとしてはかなり高いものの、高級時計として考えれば珍しくもないレベルでしょう。春の花がほころぶようなデザインのダイヤモンド入りリューズ、18面の繊細なカットが生む、澄んだきらめき、細部にまで漂う上質さと知性を感じさせる製品は、所有するだけでも満足感を得られるはずです。
スマートウォッチは1万円を切る低価格モデルも多く、ノーブランド品まで含めれば参入メーカーは数百社に上ります。こうしたレッドオーシャン市場で存在感を高めるには、単なる性能競争を超えた「プラスアルファ」の価値が欠かせません。今回の新製品はダイヤモンドをあしらった本物志向の一本であり、機能以外の魅力によってプロダクトの価値を高め、ユーザーの満足度を引き上げる狙いが見えてきます。
Huaweiとしては、まずウェアラブルでブランド好意度を高めておき、将来スマートフォンの海外展開が広がった際に「次はスマホもHuaweiで」と選んでもらう──そんな中長期のシナリオも透けて見えます。日本市場でも、ぜひこのスマートウォッチの登場に期待したいところです。
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