検索
コラム

中国スマホの“iPhone化”が進む理由 模倣を超えた「最適解」、乗り換え促進の「エコシステム戦略」に迫る(1/3 ページ)

中国メーカーのスマホがUIや製品構成においてiPhoneを模倣する現象が加速している。これは単なるコピーではなく優れた要素を取り込みつつ独自機能で差別化する戦略である。共通の操作性や周辺機器の相互運用性を高めることで乗り換えの壁を崩す狙いがある。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 近年、中国メーカーのスマートフォンを使っていると、以前よりも「どこかiPhoneに近い」と感じることが増えてきた。操作体系やUIだけでなく、端末のラインアップ構成や名称に至るまで、AppleのiPhoneを強く意識しているように見える。今回はそんな中国スマホの「iPhone化」現象について掘り下げていこう。

Dynamic Island風「アイランド機能」を中国メーカーがこぞって搭載

 中国スマホの「iPhone化」現象の中でも近年特に印象的なものが、Dynamic Island(ダイナミックアイランド)に準ずる「アイランド機能」だ。iPhoneではパンチホール式のインカメラを採用するにあたり、顔認証用センサーとの兼ね合いで穴が2つになり、デザイン面でマイナスとなってしまった。

 そんな弱点を、スマートフォンの状態を示す「通知の常時表示」によってカバーしたのがDynamic Islandだ。UIデザインに溶け込ませることで、あたかも穴がないように見せることに成功した。

 こんな画期的な発明を中国メーカーが参考にしないわけがなかった。HuaweiとHONORを皮切りに、vivo、OPPO、Xiaomiと続き、今や多くのメーカーでアイランド機能は標準装備となった。Huaweiは「Smart Island」、vivoは「Atomic Island」、Xiaomiは「Hyper Island」と各社独自の名称を付けており、中国ではこれらを比較評価する文化も登場している。

中国スマホ
iPhoneのDynamic Islandを模倣した「アイランド機能を、中国メーカー各社が採用している

 アイランド機能の表示も基本的にはiPhoneと同じだ。バックグラウンドで動作しているときはインカメラを取り込んだ最小のステータスで表示、アイランドをタップして拡大表示、拡大表示のままタップするとアプリが全画面で動くというもの。音楽再生の他、マップアプリの使用時、タイマーなどでも利用できる。

 今回は音楽再生時のアイランド機能を比較してみる。比較はiOS 26を搭載したiPhone 17 Pro、Huaweiの「HarmonyOS 6」、HONORの「MagicOS 10」、OPPOやOnePlusの「ColorOS 16」、vivoの「OriginOS 6」、Xiaomiの「Xiaomi HyperOS 3」だ。

iPhone 17 Pro
iPhone 17 Pro
iOS 26を備えるiPhone 17 Proでの動作
HUAWEI Pura80 Ultra
HUAWEI Pura80 Ultra
HarmonyOS 6を搭載するHuaweiのPura 80 Ultraでの動作
HONOR Magic 8 Pro
HONOR Magic 8 Pro
MagicOS 10を搭載するHONOR Magic 8 Proでの動作
OPPO Find X9 Pro
OPPO Find X9 Pro
ColorOS 16を搭載するOPPO Find X9 Proでの動作
vivo iQOO 15
vivo iQOO 15
Origin 6を搭載するvivo iQOO 15での動作
Xiaomi 17 Ultra
Xiaomi 17 Ultra
Xiaomi HyperOS 3を搭載するXiaomi 17 Ultraでの動作

 最小状態をチェックすると、OriginOSなどのパンチホールが単眼の小さい機種では、やや周囲のアイコンが大きく見える。細かいところをチェックすると、音楽再生中のインジケーターの挙動が他社のものは一定の波を描くのに対し、iOSは音量などによって波形が変化する。

 iOSは対応するアプリも多く便利に使えるものの、Android陣営のものはGoogle純正アプリ、メーカー提供アプリ以外では対応していないものも多く、Appleほど便利に使えない場面も見られた。中国向けのアプリは多くが対応しており、中にはOS向けの独自機能に最適化されたものも存在する。

Huawei
Huawei
Huaweiは複数のアプリをバックグラウンドで起動しても、アイランドで視覚的に見やすく表示してくれる

 拡大表示について細かくチェックすると、本家Appleは時刻やステータス表示よりも優先して「島」が拡大表示される。このため、ポップアップ表示と画面端までの余白が均等になるように設計されている。他社のものを見ると、HONORを除いてステータスバーのアイコン類がそのまま表示されているので、デザインには完全に溶け込めていない印象を受ける。それでもアイランドで歌詞表示ができるなど、Appleよりも多機能に仕上げている例もある。

 一方、SamsungのGalaxy(OneUI 8)は、アイランド機能を採用しない。Galaxyではパンチホールではなく、本体左上に再生情報やナビゲーション情報を表示する。タップすると拡大表示される。見せ方こそ異なるが、基本的なユーザー体験や表示する内容的にはアイランド機能と同じだ。

Galaxy S25 Ultra
Galaxy S25 Ultra
One UI 8を備えるGalaxy S25 Ultraでの動作。パンチホールの周囲に情報が表示される

 中国メーカーのスマホはアイランド機能に限らず、iPhoneのような独立したコントロールセンターと通知センター、カスタマイズできるロック画面の時計、壁紙機能など、近年のiOSの外観を彩る目玉機能の多くが利用できる。滑らかなアニメーションといった部分も強化され、海外では各社のホーム画面やアプリ起動時のアニメーションの滑らかさを比較する動画が多く再生されるなど、注目される要素となっている。

 また、中国メーカーのAndroid端末は「テーマ」によるアイコンやデザインの着せ替えの文化も以前から根強い。多くのメーカーが公式でテーマストアを展開しており、有志が作成した公式顔負けのクオリティーを持つものも多い。その中には、アニメーションの挙動までiOSに寄せたものもあり、ベースがiOSに近くなったことで正直「ここまで寄せられるのか」と感心させられた。

Xiaomi
本家iOS(左)とXiaomiとiOS風テーマの組み合わせ(右)を比較しても、ぱっと見はどちらも同じように見えるくらいには寄せることができる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る