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中国スマホの“iPhone化”が進む理由 模倣を超えた「最適解」、乗り換え促進の「エコシステム戦略」に迫る(3/3 ページ)

中国メーカーのスマホがUIや製品構成においてiPhoneを模倣する現象が加速している。これは単なるコピーではなく優れた要素を取り込みつつ独自機能で差別化する戦略である。共通の操作性や周辺機器の相互運用性を高めることで乗り換えの壁を崩す狙いがある。

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スマホの製品名もiPhoneを模倣 「Pro Max」を冠する機種も

 もう1つ分かりやすい変化が、端末の名称とラインアップ構成だ。従来、Huaweiは俗に言う「無印」と、「Pro」「Pro+」「Ultimate」を使い、Samsungは「無印」「Plus」「Ultra」の名称を使い、これを中国メーカー各社は倣う傾向が強かった。

 この流れにも変化が見られており、2025年の終わりには「無印、Pro、Pro Max、Ultra」という序列に変化した。特に「Pro Max」はiPhoneの最上位モデルで使われている名称であり、他社がこの名称を使うのは驚きをもって迎えられた。

 特にXiaomiの寄せ方は顕著で、通常ナンバリングなら2025年の15から「16」になるところを飛ばし、iPhoneと同じ「17」にそろえてきた。そのため、中国では「17」「17 Pro」「17 Pro Max」の型番だけでは、AppleとXiaomiどちらの製品なのかを判別できない。

 端末もコンパクトなXiaomi 17、リアディスプレイを備える上位のXiaomi 17 Pro、同じコンセプトのまま画面を6.9型にした大型モデルのXiaomi 17 Pro Maxと、ラインアップの考え方もかなりAppleに近づけている。

Xiaomi 17
Xiaomi 17シリーズは構成やナンバリング含めて「iPhone」をかなり意識したものとなった

 2026年に入り、Pro Maxの名称のスマホはXiaomi、OPPO、Huaweiなどから販売されており、これらの変化から「Pro+」を使う例も減っている。他には薄型軽量の「iPhone Air」から取った機種として、ZTEの「nubia Air」、Huaweiの「Mate 70 Air」が登場。いずれもサイズ感のわりに薄型軽量をアピールしている。

 中でもiPhone Airを意識し、薄型でもより高性能に仕上げたHONORの薄型機は「Magic 8 Pro Air」と名称が“渋滞”している。

Magic 8 Pro Air
HONORの薄型モデル「Magic 8 Pro Air」はiPhone Airよりも高性能なカメラ、大容量バッテリーを採用し、薄いだけじゃないスマホを作り上げた

 この構成の変化の強みは、「説明がいらない」ことにある。無印は標準、Proは上位、Pro Maxは上位の大画面モデル、Ultraは最上位。それだけで立ち位置が伝わるからだ。店頭でもECサイトでも、ユーザーはiPhoneに対して競合するスマホの位置関係を直感的に比較できる。これはデザインやブランド模倣ではなく、販売効率を最大化するための共通言語化と評価できる。

 軽量化モデルで「Air」の名称を使う機種が急激に増えてはいても、Galaxyの薄型モデル「S25 Edge」のEdgeを取った機種は今のところ現れていないことから、Appleの影響力の大きさを感じられる。

模倣ではなく、最適解を採用した結果が「中国スマホのiPhone化」

 中国メーカーのスマートフォンがiPhoneのiOSに似た操作感を採用するのは、世界で最も多くの人が「正解」として認識しているUIに寄せることで、開発スピードを上げつつコストを抑えるためという、実利的な判断があったのだと考える。

 iOSというお手本に独自の要素をいくつか加え、本家よりも多機能さや情報の見やすさ、軽快な動作といったところで勝負している。中国メーカー各社は後出しの利を生かして優位性をアピールしているものの、全体のデザインといった部分ではハードウェアとソフトウェアを高度に融合して設計するAppleに分があるように感じる。

 もちろん、iOSもウィジェットや外部キーボードといった「Android発の要素」も取り込んで便利になっており、お互いにいいところを取り込みつつ進化を続けている。ユーザー体験を向上させるという点で、行き着く先は、両陣営ともに近いところにあるといえる。

著者プロフィール

佐藤颯

生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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