コラム

サブウェイの「注文が複雑すぎる」声に運営元の見解は? セルフ/モバイルオーダーで初見殺しを脱却できるか

サブウェイの細かいカスタム注文に対し、ネット上では手間や複雑さを指摘する声が多数挙がっている。運営元の広報担当者も、注文のハードルの高さを課題として認識しており、UI改善を進めていると回答した。モバイルオーダーなどの導入は、顧客の心理的ハードルを下げるだけでなく店舗の効率化も狙っている。

 サンドイッチチェーンの「サブウェイ」といえば、店内で毎日焼き上げるパンにこだわりの具材や生野菜を挟み、好みに合わせて作るオーダーメイドスタイルが特徴だ。1965年に米国で誕生したサブウェイは世界100カ国以上に展開し、日本では1992年から出店している。近年は顧客の利便性を高めるため、店頭でのタッチパネルを利用したセルフオーダーシステムの導入を進めており、現在は国内の約3割の店舗で稼働している。

 さらに2025年6月4日には、全国110店舗で公式アプリを通じたモバイルオーダーの提供も開始した。スマートフォンから自分のペースで注文でき、待ち時間なく商品を受け取れるメリットがある。デジタル化で注文体験の向上を進めるサブウェイだが、ネット上では同チェーンが日本で爆発的に流行しない理由として、システムの複雑さを指摘する声が多数挙がっている。具体的にSNSなどでどのような意見が出ているのか、文脈を保ちつつ引用する。


サブウェイが店舗への導入を進めているセルフオーダー用のタッチパネル。自分のペースで落ち着いて注文できるのが大きな特徴だ(出典:東京・代々木に新しいサブウェイが登場のニュースリリース)

ネット上で囁かれる「注文システムへの不満と本音」

 ネット上で特に目立つのは、注文プロセスの手間に戸惑う声だ。自分好みにアレンジできるのが魅力の半面、初心者にはハードルが高いようだ。SNSでは、完成品を簡単に買えるようにしてほしいという要望が多数確認できる。多くの人はお店が考案した完成品をそのままスムーズに注文したいと考えているのだろう。強みであるカスタマイズ性が、かえって負担になっているのが実情だ。

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 「注文が少し面倒そうに感じられる。マクドナルドのように完成品をメニューに並べてくれた方が、分かりやすくてありがたいと思う」

 「あらかじめ具材が組み合わされているおすすめメニューをいくつか用意しておき、ボタン1つで購入できるようにすれば便利になると思う」

 さらに日本の食文化に関する深い洞察を含む意見も見受けられる。日本人はパンの種類や具材の組み合わせに対して、そこまで強いこだわりを持たない人が多いという指摘だ。なじみの薄いサンドイッチのカスタムを求められると、選択肢が多すぎて判断に迷ってしまう側面がある。一方で複雑さが指摘される中でも、独自のスタイルを支持する声や、タッチパネルなどの新たなセルフオーダーシステムを歓迎する声も確実に存在する。

 「以前は対面での注文に緊張してしまいハードルが高かったが、現在はセルフ方式で落ち着いて選べるようになったため、とてもお気に入りになった」

 「注文方法の煩雑さから敬遠されがちだが、これほど物価高が続く中で、新鮮な生野菜が豊富に入ったサンドイッチを600円台などで味わえるお店は大変貴重だ」

運営元が語る「注文のハードル」と改善への取り組み

 賛否両論が巻き起こる注文システムについて、運営元はどう考えているのか? 本誌はネット上の声を踏まえ、運営元のWATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT広報担当者に取材を行った。読者が最も気になる注文の複雑さに対する認識や、UI(ユーザーインタフェース)の改善予定、新システムの導入目的などについて質問をぶつけてみた。果たして運営側は、ユーザーのリアルな不満や要望をどこまで把握し、具体的な対策を練っているのだろうか。

 まずは注文のハードルに対する認識について聞いた。広報担当者は、自分好みにカスタムできる点がファンにとって重要な差別化ポイントだと前置きしつつも、「未体験のユーザーにとってはそれが注文のハードルの高さになってしまっていることは、運営元としても課題だと明確に認識しています」と率直に回答した。これまで支持されてきた独自の強みが、新規層への壁になっているジレンマをしっかりと把握していることがうかがえる。

 続いて、直感的に操作できるUIの改善予定について尋ねた。ネット上では「普通のBLTが1タップで買えるボタンが欲しい」といった要望が多い。これに対し広報担当者は、「これまでのファンの要望に応えつつも、新規ユーザーにとっても利用しやすいような注文方法の簡素化に向け、タッチパネルのUIやUXの改善に取り組んでいます」と明かした。ネット上の声にあるような直感的な操作性の重要性を理解し、既に改善へと動き出しているようだ。

新システム導入の狙いと今後のシステム展開

 セルフオーダーシステムやモバイルオーダーの導入目的についても確認した。対面注文へのプレッシャーを減らす狙いがあるのか聞いたところ、顧客の心理的ハードルを下げるだけでなく、「同時受注を可能にすることで、一度により多くのお客さまに対応できます」との回答を得た。これは店舗側のオペレーション効率を向上させ、混雑時の売上機会の損失を防ぐという、ビジネス面での合理的な狙いも兼ねていることがよく分かる。


公式アプリを通じて提供が始まったモバイルオーダーの画面イメージ。スマートフォンから簡単に注文でき、待ち時間なく商品を受け取れる便利な機能だ

2025年4月より一部店舗で運用を開始したサブウェイ モバイルオーダー。その基盤として採用されたのは、モバイルオーダープラットフォーム事業を展開するDIRIGIOの「Picks -MOシステム-」だ(出典:DIRIGIOが2025年6月2日に発出したニュースリリース)

 今後のシステムの導入目標と展開についてはどうか。広報担当者によると、現在はタッチパネルとモバイルオーダーの対応店舗を増やしながら、それぞれの課題改善に取り組んでいる段階だという。「その中で、お客さまのご要望に応じて多様な注文方法は検討していきます」との見解を示した。今回の取材を通して、運営元がネット上の声を無視せず、未体験ユーザーにとっての注文のハードルの高さを正確に把握していることが分かった。

 注文方法の簡素化やタッチパネルの操作性改善に向けた取り組みを実際に進めている点は高く評価したい。自由にカスタマイズできる魅力を維持しながら、いかにして新規顧客に分かりやすく直感的な注文体験を提供できるか。日本市場において店舗数を拡大し、より幅広い層に受け入れられるためには、この相反する要素のバランスをどう取るかが鍵となる。今後のUI改善や新たな注文システムの洗練に大いに期待したい。

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