インタビュー

部材高騰でもスペックは削らず 日本向け「OPPO Reno15 A」と最上位「OPPO Find X9 Ultra」に込めた攻めの戦略(3/3 ページ)

オウガ・ジャパンは2026年にミドルレンジ「OPPO Reno15 A」や最上位「OPPO Find X9 Ultra」など新製品を相次いで投入した。部品価格が高騰する中で製品スペックを削らずに強化した理由や、グローバル展開に伴うハイエンド投入の背景を同社幹部へ取材した。Find X9 Ultraの日本投入には、OPPO本社がグローバル展開を強化していることとも関係しているようだ。

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本社に「ハイエンドモデルを売りたい」という思いが通じてFind X9 Ultra発売へ

―― リソースを割いたN6もそうですが、今回はFind X9 Ultraも発売しています。ここまで立て続けにハイエンドモデルを投入することは今までなかったと思いますが、何があったのでしょうか。

河野氏 大きくは、2つあります。どのメーカーも悩んでいるところだと思いますが、OPPOらしさをどう出し、消費者に訴求していくのか。エントリーモデルやミッドレンジモデルはスペックがほぼ横並びになり、個性を打ち出しにくい。OPPOらしさの訴求を、CMや広告だけでなく、製品自体で出していく狙いがあります。


OPPO Find X9 Ultraのツンドラアンバーは、コンパクトデジタルカメラのようなデザインが目を引く

 もう1つは、ハイエンドに対するニーズの高まりが確実にあるということです。これは他社もそうかもしれませんが、ハイエンドを持ったらこういうことができるという価値を体感してみたい、フラグシップを触ってみたいという人がいます。一度触ってしまうと、次もそれがいいとなってしまうのが人間ですから。

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 OPPOに関しては、今まで、中国限定で発売してきたフラグシップがあり、私どもが中国版を売りたいといっても実現できるわけではありませんでした。メーカーとして、本国限定のものとグローバル販売するものをすみ分けています。

 このような状況に対し、私どもが長年やりたいと言ってきた思いと、中国本社のグローバルでも発売してみようという思いが一致した結果、Find N6からグローバル展開するモデルを販売することになりました。Find X9 Ultraについてもそうで、「OPPO Find X8 Ultra」までは中国限定でした。Find X9 Ultraについてはグローバル版があるということなので、それを日本で発売するに至りました。

―― なるほど。OPPO自体がグローバル展開を拡大している中での日本投入ということですね。確かに中国メーカーは、意外と中国限定版が多かったり、中国版とグローバル版で仕様が違うことがあったりします。

河野氏 中国は人口も多いですし、経済圏も確立されています。昔の日本のようですが、グローバルをそこまで意識しなくても回ってしまう市場です。その中で、本社に対して「売りたい」ということを長く訴えてきた成果がようやく出てきました。これから出るモデルも、ぜひ日本市場に投入したいですね。

Ultraはサブとして高性能なカメラスマホが欲しい人向け

―― お借りして試してみましたが、カメラがすごいですね。語彙(ごい)力低くて申し訳ないですが(笑)。

河野氏 (望遠は)ペリスコープで5回屈折させていますからね。普通は屈折すると、迷光といって光が迷ってしまいますが、Find X9 Ultraはそれを99.99%除去しています。レンズもF3.5の明るさで、このカテゴリーでは最速の絞りです。スマホの域を超えた撮影体験をお楽しみいただけます。

 カメラは取りあげられることが多いのですが、実は動画もすごい。私的に推したいのは、10bitのLogで8K、30pと4K、120pが撮れるところです。O-LogというオリジナルのLogフォーマットに対応していて、ASCのカラーマネジメントやワンクリック3D LUTにも対応しているのは非常に強いですね。

 カメラにはマスターモードが入っていて、ダイナミックレンジが16段あり、そこも強い。かつ、RAW撮影では「RAW MAX」を選択でき、14mmから240mmまでの全てRAWで撮れます。


動画撮影の「マスターモード」では、マニュアルISO、シャッタースピード、フォーカス、ホワイトバランスなどを調整できる

―― もはやコンデジは大きく超えていますね。個人的には、エモくなりすぎない色味もいいなと思いました。仕事にも使いやすそうです。

河野氏 Ultraにも(ベースモデルの「OPPO Find X9」と同様)マルチスペクトルカメラがあり、画面をかなり細かく分析して色味を合わせています。また、フィルムシミュレーションモードも使えて、「Xpan」や「CineStill 800T」などのフィルムスタイルを選べます。これが選べて、名前を出せるのも、ハッセルブラッドと協業しているからです。

中川氏 補足すると、マルチスペクトルカメラは48分割で、Find X9では9チャンネルだったのが24チャンネルになっています。より正確になり、動画でも活用できます。

―― 操作もいいですね。シャッターボタンがあるので、撮りやすいです。

河野氏 気分が上がりますよね。

中川氏 シャッターボタンやツンドラアンバーのカラーリングは、ハッセルブラッドに「X2D 100C Earth Explorer Limited Edition」というカメラがあり、そこからインスピレーションを得ています。


側面にシャッターキーを搭載している

―― 同じハイエンドでも、Find X9とはユーザー層がだいぶ違いそうですね。

河野氏 Find X9は本当にメイン機としてお使いいただけるスマホとして訴求していますし、そのためにFeliCaも搭載しています。Ultraに関しては、既にメイン端末はあって、サブとして高性能なカメラを搭載したスマホが欲しいという方向けですね。先に言ってしまうと、だからFeliCaの搭載も見送っています。

―― アクセサリーの「Hasselblad Earth Explorer Kit」を出したのも驚きました。

河野氏 山根さん(香港在住の携帯電話研究家)に出してほしいって言われましたからね(笑)。

―― セットにすると、30万円を超えるのもなかなかすごいなと思いました。実績はいかがですか。

河野氏 補足としてご説明したいのが、日本とシンガポールの比較です。シンガポールでは2199シンガポールドルで販売されていて、日本円換算で日本とほぼ同じか少し高いぐらいです。日本に持ってくると値段が上がると言われることがありますが、今回は変わっていません。確かにEarth Explorer Kitを入れると30万円を超えてしまいますが、本体だけなら27万4800円です。それでも、予想に反して初動はいいですね。まだ7月なのでこれから先どうなるか、ですが。

―― 今後も、ハイエンドはきちんとそろえていくのでしょうか。

河野氏 今年に関して言えば、さらに積極的に端末を投入していきたいと思っています。

取材を終えて:ハイエンド機種はメモリ価格の高騰を抑えて売りやすい

 ひっそりと発売になったReno15 Aだが、バッテリーやインカメラなどは全面的に強化されている。価格は上がったものの、他社も状況は同様のため、総体的には競争力を失っていないように見える。キャリアでの実質価格は4万円台まで抑えられているため、ハイエンドモデルが20万円前後になる中、買いやすい1台であることは間違いないだろう。

 ここ最近、ハイエンドモデルを連続して投入しているのは、OPPO本社がグローバル展開を強化していることとも関係しているようだ。メモリ高騰の影響が相対的に小さいハイエンドモデルは、販売にブレーキがかかりづらいといわれているため、この分野に注力するのは合理的だ。一方で、展開が最近だったこともあり、知名度はまだ低い。熱いファンをいかに獲得できるかが、目的達成の鍵になりそうだ。

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