「Apple参入は絶好の機会」OPPO、モトローラ、サムスンが明かすフォルダブル戦略:IIJmio meeting37(3/3 ページ)
IIJmio meeting37で端末メーカー3社によるトークセッションが開催された。フォルダブルスマホの活用法や開発の苦労点、価格やApple参入への見解が語られた。各社はAIや画面分割の活用を掲げつつ、折りたたみの未来像を共有した。
折りたたみの未来は「AIと画面分割」にある
最後の質問は、折りたたみの未来だ。市場に占める割合はまだ数%にとどまる中、価格がこなれてくるのは前提として、フォームファクターや使い方はどう変わっていくのか。
OPPOの丹下氏は、折りたたみがメインストリームにたどり着く鍵はAIにあるとみる。この1~2年で、PCの作業では画面の1つが常にAIにつながっている状態になった。一方スマートフォンでは、AIアプリは入っていても使い勝手はまだそこまでよくない。PCと同じようにAIが常駐する時代が来たとき、AIは人間の関与を必要とするため、1画面がAIに占拠されてしまう。そのとき画面を分割して「こちらではAIが動き、こちらで自分のやりたいことをやる」という使い方ができるのが折りたたみであり、そうした未来はいずれ来ると考えているという。市場のパイが膨らみ、AIの活用が進むことが、その前提になる。
モトローラの伊藤氏は、Fold8が採用した横長の画面比率を「非常に理にかなっている」と評価した。これまでの横開き型は開くと正方形に近かったが、横長になることで動画や漫画といったコンテンツとの相性がよくなる。同社としてはfoldとフリップの「間」をどう埋めるか、コンパクトに寄せるのか、大画面に寄せるのかが重要なポイントで、今後バリエーションが増えていくのではないかとした。加えてAIについても、foldの大画面はマルチタスクとの親和性が高く、「foldだからできるAIの使い方」が広がるとみている。
サムスンの久慈氏は、プレイヤーの参入で市場が広がれば、それだけ使い方や声も多様になるとした。今回の3モデルは市場の動向とユーザーの声を形に落とし込んだ結果であり、新たな使い方が出てくればいち早くキャッチアップして製品に落とし込む。「3モデルでしばらく継続するかもしれないし、新たな発見があって新しいフォームファクターを作る話になるかもしれない」と含みを残した。
会場からの質問 3つ折り、縦折りの薄型化、ミリ波は?
最後に来場者との質疑応答が行われた。
5G SAへの対応とハイレゾ音源(LDAC/aptX)への対応を問う質問には、3社ともSA対応を明言。ハイレゾについてはサムスンが、スピーカーではなく音源の再生として対応しており、対応するイヤフォンやヘッドフォンを使えば再生できると答えた。
3つ折り端末についての質問には、モトローラの伊藤氏が「大画面化は折りたたみの魅力の1つであり、海外の動向は注視している」としつつ、「やるもやらないも何も言えない」。サムスンの久慈氏は、グローバルでは3つ折りの「Galaxy Z TriFold」を発売済みだが、日本での確定情報はないとしつつ、市場を見ながら最適な製品を投入していくと述べた。OPPOの丹下氏は、折りたたみが20万~30万円する中で40万~50万円の製品がどれだけ出るかは「当然1つの問題」だとして、そこも鑑みながら検討するとした。
横開きに比べて縦折りの薄型化の話をあまり聞かない、という指摘に対しては、サムスンの久慈氏がFlipも8世代目を迎え年々薄型化を実現しており、今回もバッテリーを維持しスペックを上げながら薄型化と軽量化に成功したと回答。小さい製品ほど薄く軽くスペックを積むのは難しいが、コンパクトさが売りである以上、そこは維持しながら進めるとした。モトローラの伊藤氏は、薄型化は目指しているが、バッテリー容量とのバランスを常に考える必要があり、容量アップを図る中では薄型化は「次の優先」だと率直に語った。
5Gのミリ波対応については、OPPOの丹下氏が総務省や通信事業者からの要望を真摯(しんし)に受け止め、今後の製品開発で検討しているとしつつ、現状は詳しく話せないとした。モトローラの伊藤氏は、razr foldは米国向けモデルがミリ波に対応しており、日本でも人口密集地での要望を踏まえて積極的に進めたいと述べた。サムスンの久慈氏は、ミリ波対応はコストアップにつながるため、どのようなユーザーが求め、どの端末に落とし込むべきかを慎重に検討しながら「前向きに検討している」と答えた。
3社3様の横開きが出そろい、Appleの参入もうわさされる2026年。田中は「サムスンが新しい形のフォルダブルを投入したように、フォルダブルの中でもフォームファクターが増えている。そしてユーザーニーズが変わって、また新しいデバイスが登場するかもしれない。各社とも耐久性の面で非常に丹念に作り込んでおり、完成度は高い。あとはどういう形が受け入れられていくのか。メディアとしても実際に使いながら有益な情報を発信していきたい」と締めくくった。
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