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キャリアともMVNOとも違う独自路線 povoが目指す「パートナー連携2乗」と世界展開の勝算:石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

KDDI SUMMIT 2026でpovoのB2B2C戦略が解説された。プリペイドの強みを生かし特典やSDK提供などでパートナー連携を広げている。通信を機能として組み込む独自モデルはMVNOとも一線を画し海外展開も進む。

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JR東日本とは機能連携の取り組みも 海外からも注目されるpovoのビジネス

 povo Data Oasisを提供する目的は、「端的にいえばプロモーションだが、他社にはできないソリューション」(濱田氏)として、差別化にも一役買っている。こうした取り組みをさらに進めたのが、4つ目にあたる他社との機能連携だ。これは、JR東日本の新幹線eチケットを利用して改札を通過した際に、自動で「データ使い放題(3時間)」が有効になる仕掛けのことを指す。

 JR東日本では、Suicaのタッチをリアルタイムで検知し、外部の企業にそのデータを連携する機能を用意しており、これを「タッチトリガー」と呼ぶ。povoで自動的にデータ使い放題が有効になる機能も、このタッチトリガーを利用したものだ。「システム間で連携し、シグナルをもらった瞬間、データ使い放題をアクティベートするようにしている」(同)形だ。


JR東日本のタッチトリガーと連携し、新幹線eチケットで改札を通過すると、自動でデータ定額が有効になる仕組みを構築した

 JR東日本との取り組みではタッチトリガーを利用したが、濱田氏によると、「シグナルをいただければ、(データ使い放題などのトッピングを)オンにすることができるので、応用ができるのではないかと考えている」といい、鉄道以外にも拡大していく意向だ。具体的には、以下のようなケースも考えられるという。

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 「何らかの商業施設で入店のシグナルを送っていただければ、(データ通信を)アクティベートできる。遊園地も最近はデジタルパスになっているので、入ったときのシグナルが送られてくれば、半日間使い放題などを自動的に適用できる」

 また、テレワークブースなどに入室した際に、データ使い放題を有効にするといったことも、「シグナルをタイムリーにいただければ、アクティベートが可能」になるという。こうした仕掛けは、企業側から料金を取るビジネスモデル。JR東日本との取り組みも、「新幹線のチケットからコミッションをもらうということはやっていないが、商業条件がある」(同)とした。

 主に4つに分類されるpovoのパートナー連携だが、「これはまだほんの一部で、オンゴーイングで検討しているソリューションもある」(同)。この他にも、サービス開始当初から展開していた、商品やサービスに使えるポイント、クーポンなどをデータ容量にバンドルしたトッピングまで含めると、B2B2Cの形は「無数にある」(同)。


4つのB2B2Cには含まれていなかったが、コラボトッピングもパートナーとの連携例といえる

 こうしたパートナーとの取り組みは、既存のキャリアが手掛ける法人向けビジネスとは大きく異なる。どちらかといえばMVNOに近い小回りを利かせた連携だ。一方で、povoのようなプリペイド型のビジネスモデルを主力にしているMVNOもほぼ存在しない。大手キャリアでもなければ、MVNOでもない、独自の立ち位置でビジネスを広げているのがpovoの法人ビジネスの新しさといえるだろう。


KDDI自身も含めた他キャリアや、MVNOにないビジネスモデルを軌道に乗せ、差別化を図っている

 KDDI SUMMITでは、筆者も登壇した「世界povoサミット」で、ベトナムのVNPT(ベトナム郵便電気通信グループ)と新たなサブブランドを立ち上げる取り組みも紹介された。VNPTは、VinaPhoneを展開する国営キャリア。そんな既存キャリアがpovoを選んだのも、取り組みの新しさが成功事例として評価されたからだ。若年層やデジタルネイティブに特化したサブブランドが世界各国で立ち上がっている中、その指南役としてノウハウを輸出することが、KDDI Digital Lifeの法人ビジネスにおける次の柱になっていくかもしれない。

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