KDDIが明かす次世代携帯電話の戦略とは――mobidec2001KDDIモバイルインターネットビジネス部の高橋部長は8月28日,次世代携帯電話やgpsOneなど今後の戦略について語った。
8月28日より台場のホテル日航東京で開催されている「mobidec2001」において,KDDIのモバイルインターネットビジネス部の高橋誠部長が講演を行い,KDDIの今後の携帯電話の事業内容について説明した。 話題になった内容は主に以下の6点。
位置情報サービスは数メートル単位で特定可能講演では秋から導入予定のgpsOneを利用した,携帯電話で利用可能な高精度位置情報サービスについての説明が行われた。gpsOneとは,米Qualcommの開発した位置情報測定の技術だ。対応端末は「大きさや価格はそれほど変わらない」という。 「cdmaOneの特徴である『3つの電波を使って音質を向上させる』機能を利用して位置を測定する。条件さえよければ,それこそ1ケタメートルぐらいの精度で測定できる」(高橋部長) また,同氏は屋内にいた場合には測定がやや困難になるものの,従来の位置情報サービスより精度の高いサービスであることを強調。この機能をコミュニケーションツール,エンタテインメントと融合することで,あるテーマパークに行かないとプレイできないゲームや,海のそばにくると「あ,海に来たよ」などとしゃべってくれるコンテンツなどを開発したい考えだ。 「土管屋になるつもりはない」またEZwebのオープン化が先日発表された(6月14日の記事参照)ことについても触れた。 高橋部長はオープン化に積極的に取り組むとしながらも,「我々は土管屋になるつもりは全くない」と断言。既にオープン化への施策の1つとして,EZwebメニュー内にポータルサイト一覧を表示できるようにし,他社のサイトへアクセスしやすくすることが決まっているが,「(KDDIは)インターネットサービスを一方で必ずやる。もう一方でオープン化のソリューションを提供したい」と述べた。土管屋=通信インフラのみを提供するキャリアになるつもりはない,という姿勢だ。 M-stage visualとは全く違った動画配信より高速な通信が可能になる1x導入に伴い提供される動画配信サービス(7月17日の記事参照)に関しては, 「パケットを従量課金にすると,非常に料金が高くなる。しかし(接続時間で課金するという)回線交換には逃げたくない。やはりパケットで,どこまでできるかチャレンジしたい」という。 なおNTTドコモのM-stage visualはFOMA試験サービスでも回線交換でサービスを提供中。 コンテンツの内容については「1分とか2分の長いコンテンツではなく,15秒ぐらいのものにしたい。M-stageとは全く違ったサービスだ」としながらも,“まだタイミングが早い”として詳細は明かされなかった。 定額制の導入を目指すまた今回,次世代携帯電話であるIMT-2000についても言及した。現在,PCでのブロードバンドサービスが定額制料金体系になっていることを挙げ, 「私も家にケーブルテレビをひいたが,やはり(定額制ということで接続の)時間を気にしなくなるとゲームもやる。短時間の動画もいけると思う」。携帯電話でも時間やパケット料を気にせずネットに接続できることで,ほかのサービスも軌道に乗るとの思惑だ。 ただし逆に言うと,それらの制限があることがブロードバンドサービスの障壁になる可能性もある。「(高速データ通信サービスは)パケットの従量課金では無理。データに特化したIMT-2000だが,定額制が実現するインフラでなければ導入するつもりはない」 KDDIとしては今後,定額制の料金プランの実現を目指す構えだ(4月2日の記事参照)。 NTTドコモが10月からFOMA本サービスの開始を予定している中で,KDDIはgpsOneや“M-stageと異なる”動画配信,1xや定額制プランでの高速データ通信サービスの提供など,さまざまなサービスで対抗していくことになる。 高橋部長は最後に目標として,次世代サービスのいち早い全国での提供,オープンで効率的なプラットフォームの構築,より楽しく・身近なコンテンツ提供を挙げた。 [杉浦正武,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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