マルチタスクの第一歩──アシスタントビュー

 SH505iの大きな新機能の1つが、「アシスタントビュー」機能だ。iモード中や電話中に、スケジュールや電卓を呼び出して利用できる機能だ。

 「将来的にマルチタスク機能は出てくるだろうなと考えたのが発端。マルチタスクのエッセンスはどこか? を突き詰めて考えると、アプリケーションでデータを参照する用途が多い。メールを打っている途中で電話帳からデータを引っ張ってくるとか、iモード中にどこかからデータを持ってくるとか」(伊藤氏)

 最近の端末の中でもSH505iは、PDA的機能にこだわりがある。例えばポピュラーな機能である「メモ帳」は、作成したものをそのままメール送信できたりスケジュールに登録、ToDoに登録できるようになっている。

 「SH2101Vの担当者がSH505iのPIM周りをやってるんですよ。そういう意味でザウルス的な発想が入っています」(伊藤氏)

より薄く、軽く……


第2技術部
筒井光敏主事

 数々の機能を盛り込んだ505iシリーズでは、どうしても大きく、重くなりがちだ。SH505iでは、「薄さのほうを重点的に抑えた。コンマ1ミリ刻みで材料を削っていった」(パーソナル通信事業部第2技術部の筒井光敏主事)。

 その結果、24ミリと「SH251iS」と同等の厚みを実現。しかし薄くなっても強度の確保は十分だ。「内側の液晶周りはマグネシウム合金を利用した」(筒井氏)

 さらに軽さや薄さの実現には、「アドバンスド3D」と呼ぶ、第2世代の3D液晶も貢献した。「今までの3D液晶では5枚入っていたガラス枚数を減らし、構成部材を新規構成としたことで、明るく、綺麗に、薄く、強固に仕上げている。また各ドット間のピッチが細かいQVGA仕様であるため、そのままでは3D化したときに左右の画像ピッチが狭くなり焦点距離が伸びてしまう。焦点距離を小さくするため、左右画像の各ドット間構成などを工夫した視差バリア設計を行い、個人差によるが32センチ程度で立体映像が見えるようになっている」(陣之内氏)

「SH505i」のあんな技、こんな技

 「SH505i」の日本語入力機能「ケータイShoin2」では、普通に変換すると連携予測や予測変換が働く。上キーを押すとどうなるか。251iSからやっているワンタッチ変換が働く。

 さらに予測変換と連文節変換の取り合わせが上手い。「今回1つひねっているところがあって、連携予測モードで使っていても、長い文章を打って下キーを押すと、自動的に連文節変換に移行する。予測変換は少ない文字数を打って候補が出てくれるからうれしいわけですよ。それをわざわざ長い文を打つということは連文節変換がしたいわけですよ」(伊藤氏)

 予測変換と連文節変換についても、モード切替を行う必要なく、自動的に切り替わるわけだ。

 絵文字や記号の入力も簡単だ。左ソフトキーを押せば絵文字一覧・記号一覧が表示される。さらにそれだけではなく、「小技ですが、絵文字の学習をしてくれる。数多くの絵文字から毎回選ぶのは大変。お気に入りのよく使う絵文字は限られてきているようなので、最近使ったものを学習してあげれば少ない操作で入力できる」(伊藤氏)。

 大きく変わったアドレス帳などの大技だけでなく、細かなところまで、SH505iは本当によくできているのである。