動画へのこだわりを極める〜「D900i」
「D900i」は、動画まわりの機能にこだわった端末。動画撮影モードは、iモーション準拠の3つのモードに加え、独自拡張の“超なめらか”と“大画面”を用意。スムーズな動きの動画を楽しめる。メーカーサイトには人気キャラ「で〜すけ」のキャラ電も……。
「D900i」(12月18日の記事参照)は、「D505i」(2003年4月の記事参照)からの独特なスタイル「SPIN EYE」を採用し、カメラ素子には「D505iS」(2003年10月の記事参照)と同じ富士写真フイルム製100万画素スーパーCCDハニカムを搭載した端末だ。
ボディデザインは、505iシリーズの時よりもさらにデジタルカメラライクになり、裏からだけではなく表から見ても“まるでデジタルカメラ”だ。「デザインコンセプトはデジカメとケータイの完全なる融合」(三菱電機)
しかしD900iは、22種類の撮影モードを備えたD505iSほどにはデジタルカメラ機能にフォーカスしていない。「FOMAの行き着く先で、キラーコンテンツとなるのは動画」という考えから、動画機能に注力している。
なお静止画の機能(撮影モードの数など)は、「505iと同じくらいまではカバーしている」という。
映画と同じフレームレートの動画撮影が可能
D900iの大きな特徴は、176×144ピクセルサイズでフレームレートが秒間24コマの「超なめらか」、QVGAサイズで秒間15コマの“大画面”という、独自拡張のムービー撮影モードが用意されている点。
「今までの動画は撮っても動きがカクカクしていた。それは秒間コマ数が少ない処理しかできなかったから。ムービーを普通に使ってもらうためには、なめらかなビデオを閲覧できるように……という考えから2つのモードを用意した。ちなみに秒間24コマは、映画と同じフレームレート」
撮影モード | 撮影サイズ | ビットレート | フレームレート |
---|---|---|---|
スモールファイン | 128×96ピクセル | 64Kbps | 15fps |
スタンダード | 176×144ピクセル | 32Kbps | 10fps |
ファイン | 176×144ピクセル | 64Kbps | 15fps |
超なめらか | 176×144ピクセル | 256Kbps | 24fps |
大画面 | 320×240ピクセル | 384Kbps | 15fps |
D900iは、別売りのコンポジットケーブルでテレビとつなげば、撮った画像やムービーをテレビ画面に出力することもできる。「“超なめらか”は動きは滑らかだが、テレビに出すと少し小さく表示される。テレビ出力に推奨しているのは“大画面”。秒間15コマでも十分滑らかだ」
iモーションフォーマット準拠の3つのモードのほかに独自拡張のモードを2つ搭載している(左)。別売りのコンポジットケーブルを買えば、テレビ出力も可能だ(中)。ムービーは撮影サイズによってはフレームを付けた状態での撮影も可能(右)
生かせるのは端末で録った動画だけではない。D900iには、録画したテレビ番組やビデオで録った動画を携帯電話側で再生可能な方式に変換するPC用ソフト「MOTION SMOOTHY」が同梱されるのだ。対応フォーマットはAVI、MOV、WMV、MPEG。これらを最大24fpsのQVGAサイズの動画に変換すれば携帯電話側での閲覧が行える。
こうした動画機能をサポートするのが「メモリースティック PRO Duo」への対応だ。同梱される16MバイトのメモリースティックDuoでは、大画面モードで撮影できる時間は約5分。メモリースティック PRO Duoの512Mバイトを使えば約2時間30分もの動画撮影が可能だ。
ソフトウェアのベースは「D505i」ベース
実は三菱電機がFOMA端末をリリースするのは約2年ぶり(2002年2月の記事参照)。そのためソフトウェアのベースとなるのはFOMAの前モデルではなく、PDCのハイエンド端末D505i、D505iSだ。基本的には505iベースで、「受信メールを見ながら返信メールを書ける『見ながら返信』などの便利な機能は引き継がれている」。ただ、一部搭載できるところにはD505iSの機能も積んだといい、日本語入力システムのATOKはD505iSと同じ最新のものが搭載された。
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