セイコー、携帯カメラ向け光学ズーム&AFレンズ:CeBIT 2004
携帯に搭載されるカメラ機構が、ますます本格化しそうだ。オートフォーカス(AF)機構の採用は増えてきたが、次に載ってくるのは光学ズームとメカニカルシャッター。セイコーは、18段階の光学2倍ズームモジュールとオートフォーカスモジュール、メカニカルシャッターモジュールを展示している。
セイコープレシジョンはCeBIT 2004の会場で、携帯・PDA向けの光学ズームモジュール、オートフォーカスモジュール、メカニカルシャッターモジュールを展示している。投入先は日本市場だが、市場調査を兼ねてCeBITに出展した。
厚さ7.7ミリ。18段階ズームモジュールはマクロも可能
光学2倍のズームレンズモジュールは厚さ7.7ミリ。18段階のズームが行え、体感上はリニアズームに近い。レンズ制御で2センチまでのマクロも設定できる。3群3枚のレンズを使い、ステッピングモーターでレンズを駆動。厚み7.7ミリのまま、レンズがせり出すことなくズームが行える。ズーム時の消費電流は160ミリアンペア。
対応する受光素子(CCD/CMOS)は1/9インチVGAサイズ。メガピクセルに対応させ、今年夏から秋にかけて市場投入する。
厚さ7ミリ、AFモジュール
厚さ7.05ミリの薄型AF(オートフォーカス)モジュールは、レンズ駆動機構だけの展示。現状オートフォーカス制御のソフトウェアは組み込まれていない。消費電流は平均200ミリアンペア。
こちらもメガ〜2メガの受光素子に対応させ、夏から秋の投入を目指す。
最大1/2000秒のメカニカルシャッター
2段階の絞り調節機能も持った、メカニカルシャッターモジュールも展示されていた。厚みは0.5ミリ、消費電流は最大60ミリアンペア。
携帯電話のカメラでは、電気的に露光を制御する電子シャッターが主流。メカニカルシャッターを採用することでパーツ点数は増えるが、CMOSセンサーであれば動きに伴う歪みを、CCDセンサーであればスミアをなくすことができる。
国内のハイエンドメガピクセル端末では、AF機構の採用が盛んになってきている。次のステップは、光学ズームとメカニカルシャッターの搭載となる。
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