5分で分かる、今週のモバイル事情:5月29日〜6月4日
ドコモが開発発表したFOMA新モデル3機種は、開発の方向性が多様化してきていることを端的に示した端末だった。Bluetoothやタッチパネルの搭載といった新技術が導入される一方、開発期間短縮を狙ったLinuxなど汎用OSの搭載に向けた取り組みも進んでいる。
FOMA新モデル 3機種が発表
NTTドコモはFOMAの新モデル、「N900iS」「P900iV」「F900iT」の開発を発表した(6月1日の記事参照)。従来の900iシリーズの後継機というよりも、N900iSはマイナーチェンジモデル、そしてP900iV、F900iTは特殊なハイエンドモデルに位置づけられている。
F900iTは、Bluetooth機能とタッチパネル液晶を搭載。感圧型のタッチパネル液晶は、付属のスタイラスペンや指先での操作が可能。お絵かきや手書きメモなどが行える(6月1日の記事参照)。
PDA型端末やPHSを除き、ドコモが携帯にBluetoothを内蔵するのは初めて。運転中の携帯利用の罰則を強化した改正道交法が成立したことで(6月3日の記事参照)、Bluetooth機能を使ったハンズフリー通話の必要性が増してきている。ドコモは、同社ブランドのBluetoothヘッドセットも発売する予定。
今後ドコモは、非接触ICチップFeliCaを内蔵した“iC”シリーズも投入予定(4月15日の記事参照)。既に「P506iC」「SH506iC」「P506iC」の3機種がJATEの認定を取得している(6月2日の記事参照)。
広範囲に影響〜NTTコムの通信障害
NTTコミュニケーションの電源設備に障害が発生し、数多くのサービスが5月31日から半日もの間、停止した(5月31日の記事参照)。
約2万回線に及ぶ企業向けデータ通信サービス、約34万番号におよぶIP電話サービス、そして個人向けでもOCNやHOTSPOT、さらにドコモの定額制PHSサービス「@FreeD」にまで影響が及んだ(5月31日の記事参照)。ネットワークの重要性と、リスク分散の必要性が改めて認識された障害だった(6月4日の記事参照)。
ソニー、PDA海外市場から撤退
来日した英Symbian CEOの「PDAは死んだ」という言葉を裏付けるかのように、ソニーは海外のPDA市場からの撤退を発表した(6月2日の記事参照)。
ソニーはPalm OSを搭載した「CLIE」を発売しており、Palm OS開発元のPalmSourceにとって、ソニーは2番目に大きなライセンシー。
世界的に、高機能なスマートフォンの市場が成長するなか、PDA市場は停滞が続いている(6月2日の記事参照)。
Linux携帯がついに登場
携帯電話の機能向上に伴うソフトウェアの開発コスト・開発期間の増加を食い止めるため、各端末メーカーはアプリケーションのプラットフォームを整備、共通化しようとしている。
英Symbianが提供するSymbian OSは、携帯の汎用OSとして強固な地位を築きつつある(6月3日の記事参照)。国内では、富士通と三菱電機がFOMA向けに採用することを発表している(3月24日の記事参照)。
NECは、Linux OSを搭載した携帯電話の試作機を展示した(6月2日の記事参照)。あくまで開発コスト削減と開発期間の短縮が目的であり、ユーザーはLinuxを意識せずに利用できる。NECはパナソニック モバイルコミュニケーションズと共同で開発を進めており、2004年度中には商用化の予定。
さて、来週は?
6月10日には、「モバイルマーケティングカンファレンス」が開催される。iモード企画部長の夏野剛氏の講演も予定されており、間近に迫ってきた“iCシリーズ”の片鱗も明かされるかもしれない。一部報道によると、先日行われた講演で、NTTドコモで端末開発を担当する千葉耕司氏から、FeliCa対応となる最初のFOMAは「F900iC」だという言葉も飛び出したという。
また来週末には、“ロンドンシックなデザイン”を特徴とした東芝製au端末「A5506T」の発売も予定されている。
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