加入者増のカギは新サービスと法人戦略──KDDIの小野寺社長
KDDIの小野寺社長が携帯加入者の傾向について言及。番号ポータビリティによる移行は9月で一段落するとし、KDDIとしては法人顧客の開拓で加入者増を狙う。
KDDIの小野寺正社長が、定例会見で携帯加入者の傾向について言及した。5月に純増トップの座をソフトバンクモバイルに明け渡したことについては「当社が昨年の5月と比べて落ちているわけではなく、ソフトバンクが好調だった」という見方を示した。
今後の加入者獲得策については、「料金競争に陥れば業界全体が非常に苦しくなると思っているので、単純な料金競争をやるつもりはない」と話し、KDDIが特徴を出せる方法を考えなければならないと説明。auが携帯データ定額をいち早く導入したことを例に挙げ(2003年10月の記事参照)「そういうところを念頭に置きながら次の手を考えたいと思っている」とした。
また、番号ポータビリティによる移行は、「年割加入者の移行が一段落する9月まではある程度の利用が続くが、それ以降(下期)は減るだろう」(小野寺社長)と予測。今度は各キャリアが提供する新サービスの魅力で、他キャリアに移る現象が出てくるとした。
コンシューマーの利用が飽和する中、契約数をどう伸ばすかについては、法人顧客をどう伸ばすかが1つのカギになるという考え。その一例として挙げたのが、いすゞと共同開発したテレマティクスシステム「みまもりくんオンラインサービス」だ。「モジュール型サービスは、収入単価は低いが販売奨励金が発生せず、日中のトラフィックを埋められるなど、我々から見てコストパフォーマンスが高い。いすゞにとっても新しい事業であり、ユーザーもいすゞもKDDIも満足するWIN-WINの関係を築ける。こうした新しい事業が開拓されれば、まだ加入が伸びる余地はある」(小野寺社長)
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