“魔法のフック”の半分は「安心」でできている──「P905i」、Wオープンスタイルの秘密:開発陣に聞く「P905i」(前編)(1/3 ページ)
“ほぼ全部入り”の高いスペックが特徴のパナソニック モバイル製FOMA端末「VIERAケータイ P905i」。発表されるや、携帯に高い機能を求める層や“ギミック大好き”な層の心を一気に“グッ”と惹きつけた本端末はどのように開発されたのか。同社のP905i開発チームにその裏側を聞いた。
「最強中の“最強”」──。
ドコモの2007年冬商戦向けモデル「905iシリーズ」は、FOMAハイスピード(HSDPA)やワンセグ、国際ローミング(3G/GSM)、GPSに対応し、300万画素以上のAFカメラや3インチ以上のフルワイドVGAディスプレイを搭載する、いままでにない“最強”スペックを特徴とする。
その中でも“最強”とはどういうことか。
横にも開く“Wオープンスタイル”を採用する、ほぼ全部入りの「VIERAケータイ」。この“本気”の端末「P905i」は、どのような経緯で誕生したのか、何がすごいのか、そして何を目指したのか。パナソニック モバイルコミュニケーションズのP905i開発チームに話を聞いた。
パナソニック モバイルコミュニケーションズ「P905i」開発チーム。左から商品企画担当の佐藤恭子氏、Java・グラフィックス担当の春元英明氏、プロジェクトマネージャーの福田正宏氏、映像・ディスプレイデバイス担当の久保田孝介氏、カメラ・技術担当の石原崇氏、機構・設計担当の友部真治氏
「スペックでは文句言わせないよ」
「最強中の“最強”」は、はじめから狙っていたのか。
「“今回は、スペックでは負けない”これを開発初期から打ち出しました。スペックでは文句言わせないよ、という気持ちで取り組みましたね」(P905iプロジェクトマネージャーの福田正宏氏 以下、福田氏)
かつてのトップメーカーはここ最近、他社にシェアを奪われる状況が続いた。そのことは例えば、機能は進化しているものの形状があまり変わり映えしないと思われること、ディスプレイの大型化や高解像度化に少し出遅れたことなどが影響し、変えなければならないこと/変えてはならないことなどを悩み抜いた。今回同社は、ドコモ向けに5機種(P905iのほか、「VIERAケータイ P905iTV」、「P705i」、「P705iμ」、「PROSOLID μ」)もの新端末を投入する。最大画面サイズ、最薄ボディなど、そのいずれも最上級表現が用いられていることに気がつく。中でも同社は、P905iを「最重要戦略商品」に据え、シェアトップを奪還する考えだ。
P905iは、905iシリーズに共通する高いスペックに加えて、横にも開く“Wオープンスタイル”を採用し、VIERAの高画質技術、510万画素カメラ+microSDHC対応スロットも搭載。前機種の「904i」から格段に機能が向上した。
カメラはオートフォーカス(AF)+6軸手ブレ補正機能による静止画像撮影に加え、常にピントを自動的に合わせるコンティニュアスAF機能+VGAサイズ/30fpsで撮れる動画機能も備える。そのほか、フルブラウザ上のWindows Media Video(WMV)ストリーミング再生機能やAVプロファイル対応のBluetooth(対応プロファイルは同じだが、バージョンはV2.0+EDRに進化)、横向き+両手で操作できる横画面対応ゲーム「リッジレーサーズモバイル」プリインストールなど、“ほぼ全部入り”の構成が大きな特徴だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.