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ドコモのHSDPA網は14Mbpsに対応済み──スーパー3G、4Gの研究開発も順調ワイヤレス・テクノロジー・パーク2008(2/2 ページ)

NTTドコモの無線アクセス開発部部長、尾上誠蔵氏がワイヤレス・テクノロジー・パーク2008で講演し、ドコモのFOMAネットワークの現状とスーパー3G、4Gへの取り組みを紹介した。

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4Gが目指す“1Gbpsオーバー”の世界

 尾上氏はまた、スーパー3Gが着実に具体化するのと平行して、4Gの標準化も活発化してきていると指摘した。

 まだ“未来の技術”というイメージが強い4Gだが、2007年に開催されたITU-R(International Telecommunication Union Radiocommunications Sector/国際電気通信連合 無線通信部門)のWRC-07(World Radiocommunication Conference/世界無線通信会議)で、4Gで使う周波数の方針が打ち出され、技術的提案を募集する「サーキュラーレター」が発布されたことで、具体的な検討が始まった。

 4Gは、IMT-Advancedという名で呼ばれる、高速移動時100Mbps、低速移動時1Gbpsのピークデータ転送速度を実現する通信技術だ。3GPPでも4GのStudy Itemが承認され、LTE-Advancedという名称で2回のワークショップも開催されているという。周波数帯は、WRC-07において3.4G〜3.6GHz、2.3G〜2.4GHz、698M〜806MHz、450M〜470MHzの計428MHz幅が決定され、この中から各国が利用したい周波数で実現していくことになっている。

PhotoPhotoPhoto 4Gでは、スーパー3Gよりも広い周波数帯域を使って高速移動時100Mbps、低速移動時1Gbpsのピークデータ転送速度を実現する。2007年に開催されたWRC-07で、4Gで利用すべき周波数帯の方針が決まったことから、各国で具体的な検討が始まっている。3GPPでも、Study Itemとして研究を行っている

 基本的に、4Gでは100MHz以上の広い帯域幅を使って通信を行うことが必須とされている。ただ使える周波数帯や周波数幅は地域によって変わってくるため、利用する帯域はスケーラブルにしておく必要がある。また、技術はLTEの発展系のものをベースにしておくことも重要だ。そしてなにより、LTEより性能が高くなくては意味がない。

 こうした状況を踏まえてドコモでは、アップリンクとダウンリンクの通信速度を非対称にすることも含めて技術的に検討する必要性や、スケーラブルな帯域を実現するための具体的な方策、パフォーマンスを向上させるため、いかにして直行性を持たせた技術にしていくか、といった提案をしていることを紹介した。

PhotoPhoto ドコモは4G(IMT-Advanced)の実現に必要なさまざまな提案を行っている。それらの中には、100MHz以上の周波数を利用すべきこと、帯域幅はスケーラブルなモノにする必要があること、技術はスーパー3Gをベースに、それよりもさらに高性能なものでなくてはならないことなど、多岐に渡る。それらを実現するための具体的な技術も提案している

 ドコモは古くから4Gの研究開発を行っており、すでに実証実験も行っている。2002年に室内実験で100Mbpsのデータ転送に成功したのを皮切りに、2005年5月にはフィールド実験で1Gbps、2005年12月には2.5Gbps、2006年12月には5Gbpsでのデータ転送に成功した。5Gbpsでのデータ通信は、100MHz幅の周波数を使って、12×12のMIMOを活用したもので、開発が順調に進んでいることをアピールした。

PhotoPhotoPhoto ドコモは2002年から4Gの実証実験を行っており、2006年12月には100MHz幅の帯域を使って最大5Gbpsでのデータ転送が可能なことも検証済み。5Gbpsでの通信は12×12のMIMOを使っており、アンテナは基地局と端末にそれぞれ12本ずつ用意されている。実際の端末にアンテナを12本搭載することは現実的ではないため、端末には4本程度のアンテナが用意される見込み。基地局側の複数本のアンテナを活用する「マルチユーザーMIMO」という技術も現在研究中だ
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