“なし”の生活には戻れないモノが増えた2008年:ITmediaスタッフが選ぶ、2008年の“注目ケータイ”(編集部園部編)(2/2 ページ)
2008年は、個人的にいろいろと手放せないモノが増えた1年だった。特に「iPhone 3G」の登場は大きく、必携のツールになった。また、身の回りにおサイフケータイが使える場所が増え、おサイフケータイも手放せなくなった。結局、今年はケータイを常に3台以上持ち歩くことになった。
番外編1:久しぶりに技術で驚かされた「SH-01A」
2008年はiPhone 3Gをメインに、後述するW54SAをサブにして過ごした時間が結構長かった。ただ、iDを常用していたのと、家族の回線はドコモである関係で、ドコモ端末も結局カバンなどに入れて持ち歩いていた。用途が「家族との無料通話・メール」と「iD決済」だけだったので、2008年はドコモ端末は買い換えないまま過ぎてしまった。
しかし2008年冬モデルとして登場したシャープのSH-01Aには心引かれた。結局部署内で別の人間が購入意思を表明していたため、購入には至らなかったのだが、800万画素のCCDカメラは、写真好きとしては見逃せないポイントだ。暗い場所でも非常にきれいな写真が撮れる上、動きにも強く、動画撮影機能にも優れる。初めて発表会で作例を見たときは、ケータイでここまで撮れるのか、と驚いたものだ。
子供が初めて自転車に乗れた瞬間に、カメラ機能があまり高くないケータイしか持っていなくて、解像度が低く、フレームレートも低いカクカクの動画しか撮れなかったことがとても悔やまれたことがある。そんなこともあって、いついかなる時でもきれいな写真が撮れる端末を、つねに1台持っていたいと思うようになった。SH-01Aは、そんな思いに応えてくれるケータイだと思うのだ。
番外編2:シームレスなインターネットを初体験させてくれた「922SH」
夏以降は、すっかりiPhone 3Gの陰に隠れてしまった感があるが、ソフトバンクモバイルが最初に「インターネットマシン」という名でリリースしたケータイはシャープの922SHだった。中身はケータイのまま、QWERTYキーを備えてメールやインターネットの使い勝手を向上させ、PCインターネットとモバイルインターネットを自在に行き来できる端末はとても便利で、iPhone 3Gが登場するまで重宝した。
シャープとして初めての試みということもあり、大きな画面なのにポインティングデバイスの操作が十字キーでしかできなかったり、おサイフケータイでなかったりと、“全部入り”でもなく、すっぱり割り切ってもいない仕様だった点が残念だったが、PCメール機能などはよく使った。
2009年にドコモから発売予定の「SH-04A」は、シャープがインターネットマシン 922SHの思想を受け継ぎ、ドコモ向けにアレンジした端末と思われ、実は今からすごく期待している。ちょうどドコモ端末を長いこと買い換えていないこともあり、発売されたら機種変更してみたいと思っている。やはりメールはダイヤルキーよりもQWERTYキーで打てた方が楽だし、SH-04Aならおサイフケータイも1台に集約できる。タッチパネルも搭載しているので、フリーカーソル操作もしやすそうだ。
番外編3:結局買ってしまった「フォンブレイバー 815T PB」
技術的に注目すべきもの、というのがあるわけではない。しかし、端末に魅了され、買ってしまったのがフォンブレイバー 815T PBだ。「ケータイ捜査官7」の主役キャラ、フォンブレイバー セブンである。
東芝製の「fanfun. 815T」をベースにした特別モデルだが、このモデルのすごいところは、WiZ製の「フォンブレイバーパーツ」が付属しており、ドラマに登場するリアルサイズのセブンが再現できること。実は社内にフォンブレイバーファンは多く、かなりウケた(おもしろがる人はたくさんいるが買う人は珍しい、と言われた)。
しかも、内蔵アプリは折々でバージョンアップされるし、TVでのストーリー進行に合わせて新しいアプリなども配信されており、進化が続いていたりする。iPhoneほどではないものの、購入後に楽しめる仕掛けが多い点も評価したいポイントだ。さすがにパーツを付けたままだと重く厚いので、外に持ち出すときはパーツを外しているが、家に帰れば必ず変形させたり、いろいろなポーズを付けて遊んだりしている。
番外編4:忘れられない初代KCP+端末「W54SA」
2007年の秋冬モデルで、新プラットフォーム「KCP+」を採用したハイエンドモデルとして発表された三洋電機製の全部入り端末がW54SA。当時としては、ワンセグやおサイフケータイ、Bluetoothなどを標準搭載したうえ、高解像度なワイドVGA(480×800ピクセル)ディスプレイを採用していた点に引かれ、注目していた。発売は結局年明けになり、2月7日にようやく店頭に並んだ。しかし、その後販売中止になり、翌週販売再開が発表されるも、また延期されるなど、ドタバタ劇を演じた。このころ、欲しいのになかなか発売されず、目の前に出されては取り上げられるような状態が続いていたため、逆に飢餓感があおられて、余計になんとしても欲しいと思ったものだ。3月8日に関東で販売が始まると、すぐに買いに行った。
当時は新販売方式「au買い方セレクト」が始まって間もなく、W54SAはフルサポートコースで購入した。その後も何度も何度もソフトウェアアップデートが行われ、そのたびに「これは致命的なのではないか?」と思えるような不具合の修正が明らかになり、2年縛りで購入したことを後悔したものだ。だが、あまりにも頻繁に修正があったため、そのうち新しいプラットフォームの誕生に立ち会っているんだ、というよく分からない一体感も感じるようになっていた。ちょうど携帯電話事業が京セラに譲渡されることが明らかになっていた時期でもあり、いろいろ大変だったのだろう、などと余計な心配をしてみたりもした。
その後、au端末に買い換えたいものが出なかったこともあって、結局W54SAは今もiPhone 3Gのサブケータイとして活躍している。そう、“おサイフケータイ”端末としてだ。2008年秋冬モデルには、「SA」ブランドのモデルがなかったが、三洋電機の思想は、京セラのSANYOブランドに継承されているはずなので、今後登場するSA端末に期待しておきたい。
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