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障がい児の学習支援を携帯で――香川大学と富士通が実証実験
香川大学と富士通が、障がいを持つ子供の教育支援に携帯を活用する実証実験を開始した。コミュニケーションや時間の理解などをサポートする。
香川大学と富士通は5月から9月末まで、障がいを持つ子供の学習支援に携帯電話を活用する実証実験を実施する。
実証実験は、小中学校や特別支援学校に通う知的障がい児や学習障がい児、自閉症児とその保護者、教師らを対象に実施。富士通が開発した3種の支援ソフトをインストールした携帯電話を教師や保護者に数カ月間貸与し、有効性を調査する。
利用するのは時間の理解を支援するソフトウェア、コミュニケーションや見通しを支援するソフトウェア、漢字の筆順の理解を支援するソフトウェア。実証実験終了後には調査結果を公開し、教育機関や支援センター、保護者などに携帯電話の活用事例と支援の有効性について紹介する。また、実証実験の結果を踏まえ、ソフトウェアの機能や操作性の改善を図る。
香川大学教育学部と富士通はいずれも、障がいを持つ人に対する支援活動で実績があり、香川大学教育学部は附属特別支援学校や附属特別支援教室「すばる」に通う知的障がい児や発達障がい児を対象に、ICTを活用した教育と支援を行っている。富士通はユニバーサルデザインに取り組んでおり、特定の色を判別することが困難な人向けに色の判別を支援するColorAttendantなど、携帯電話上で動作する支援ソフトウェアを提供している。
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