イー・モバLTEサービスの実力は?──「@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン」で試す(4/4 ページ)
都心部では「意外に入るし、かなり速いぞ」とモバイルユーザーに驚かれているというイー・アクセスのLTEサービス。今回はニフティのLTE MVNOサービス「@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン」を用い、2012年4月末時点の実速度と料金プランを検証した。
通信量制限、通信速度規制については?
またデータ通信量の面もそこそこの魅力がある。
基本、Xiは7Gバイト/月、Softbank 4Gは5Gバイト/月というデータ通信量の上限が設定されており、これを超えると通信速度が128kbpsまでに制限される。本来の通信速度で使うには月が変わるか、2Gバイト分ごと2625円の追加料金が必要となる。
なお、この制限は2012年9月末まではとりあえず実施されないのだが、タブレットやノートPCで利用するといった「ライトユースだが自宅でも利用する」といった使い方においては、データ通信量の上限が設定されているのは気になる部分だろう。
EMOBILE LTEは2012年4月末現在、月あたりのデータ通信量の制限は設けず、24時間以内に約366Mバイト分以上の大量データ送受信量が発生した場合にのみ、インターネット利用が多い当日21〜26時(翌日2時)に通信速度を規制するルールがある。こちらは、仮にデータ送受信が多すぎた日があっても翌日にはデータ受信量がリセットされるので、規制されたまま/追加料金が発生するなどはない。
一応、2014年5月以降、月に10Gバイトを超えたデータ送受信が発生すると当月末まで通信速度を制限する予定──とは計画している。ただし、約2年後のことなので今回の導入については大きく気にすることはないと想定できる。なお、WiMAXもデータ送受信量の制限や規制を行っていないのが魅力だが、その影響か、あくまで都心部で積極的に使うモバイルユーザーの筆者としての感覚だが、住宅地などで夜間に通信速度がかなり低下してしまう傾向はある。
料金・エリア・通信速度のバランスが魅力「@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン」
イー・アクセスのデータ通信サービスは、最近のEMOBILE G4やそれ以前から料金と速度のバランスのよさが魅力だったが、LTEサービスもそれは同様だ。LTEエリアにおいてはそこに「より高速」が加わったことになる。
そして、LTE対応機器の1つ「Pocket WiFi LTE(GL01P)」の約9時間となるバッテリー動作時間や使い勝手のよさも、かなりの魅力である(このほか、少し厚いが小さくて軽量な「Pocket WiFi LTE(GL02P)」もある)。
価格については、本家EMOBILE LTEサービスのほか、国内大手プロバイダであるニフティの「@nifty EMOBILE LTE定額にねんプラン」などMVNOによるサービスが若干安価な傾向で、料金プランも分かりやすい(基本、合計額はほぼ同じだが)。例えば自宅の固定回線に同じISPを利用しているなら、キャンペーン特典が得られたり、請求を1つにまとめられるといったメリットもある。また、現Pocket WiFi(GP01)ユーザーなどは、そのままLTEサービスに乗り換えてもほとんど追加額なしで機種変更・契約変更できるのもうれしいことだ。
ともあれ、EMOBILE LTEおよびEMOBILE LTEのMVNOサービスは「追加料金は発生しない」「速度規制があったとしても当日プライムタイムのみ」というEMOBILE LTEの利用の公平さに対するポリシーとともに、そのバランスのよさが、現時点における新世代データ通信サービスの有力な導入候補となりえる実力を持っている。
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