「Ascend P2」は「世界最速スマートフォン」――Huawei担当者語る:Mobile World Congress 2013
「Ascend P2」は「世界最速」――HuaweiがMWC開幕前日にスペイン・バルセロナでプレスカンファレンスを行い、下り最大150MbpsのLTE Category4に対応したスマートフォン「Ascend P2」を発表。同社の担当者が、新モデルの特長を説明した。
Huaweiは、Mobile World Congress 2013開幕前日の2月24日(現地時間)に、スペインのバルセロナでプレスイベントを開催し、「世界最速」をうたうスマートフォン「Ascend P2」を発表した。LTE Category4による下り最大150Mbpsの通信に対応するなど、最新技術を盛り込んでいる。
グローバルでは2013年第2四半期に発売する予定。欧州では399ユーロで発売する。日本での発売も明言されたが、実は、イー・アクセス(イー・モバイル)が2月21日に発表した「STREAM X(GL07S)」のベース端末は同モデルだという。日本向けの独自機能として、おサイフケータイに対応する一部仕様がカスタマイズされている。なお、STREAM XはAscend P2同様にCategory4に対応しているが、「EMOBILE LTE」の現状の上限に合わせて下り通信速度が最大75Mbpsとなっている。
説明に立った同社コンシューマービジネス部門CEOのリチャード・ユ氏(Richard Yu)は、まず2012年の同社のビジネスが順調であった点をアピール。売上は75億ドルに達し、出荷台数は対前年比で60%増となる3200万台超を記録した。ユ氏は、同社がスマートフォンの世界シェアで第3位に入ったことを紹介し、急速な成長を遂げていると強調する。
好調を牽引した端末の1つとしてユ氏は、「Ascend P1」を挙げる。2012年に発表し、世界40カ国以上で販売した、同社初のハイエンドスマートフォンだ。今回のP2は、その後継機種となる。
新モデルは、1.5GHz駆動のクアッドコアHuawei K3V2プロセッサを搭載。LTE Category4に「世界で初めて」(ユ氏)対応し、下り最大150Mbpsの通信をサポートする。Yu氏は、「iPhone 5」や「GALAXY S III」がCategory3(下り最大100Mbps)までしか対応していないことを指摘し、P2のスピードをアピール。「世界最速のスマートフォン」(ユ氏)だと主張した。
無線部分の性能向上も図られており、対応する周波数帯のいずれでも、iPhone 5などと比べて感度が良くなっているという。また、「Swift Sharing」と呼ばれる通信速度向上技術を使うことで、無線LAN環境下での通信速度も改善。7MバイトのビデオファイルをSkyDriveにアップロードした場合の速度比較では、GALAXY S IIIが240kbpsだったのに対し、P2では2倍以上の520kbpsの速度が出たという。
また、性能面だけでなくデザインにも注力しているとユ氏は話す。ボディは厚さは8.4ミリと薄型に仕上げた。狭額縁の画面に、底面から前面にかけて継ぎ目なくブラックカラーが続くデザインの「Infinity Edge Display」を採用する。
液晶とタッチパネルを一体化(In-cell方式)したHDディスプレイを採用し、パネル部の厚さを30%削減。ディスプレイサイズは4.7インチ、明るさは500カンデラ/平方メートル、上下左右170度の視野角、コントラスト比1000:1、NTSC比71%の色域、解像度は315ppi、といったスペックを備えている。従来モデルより豊かな色彩で、より鮮鋭な画面表示が可能になっているそうだ。
なお、P2は「Ascend D2」と同様に、パネル前面には第2世代のGorilla Glassを採用。さらに手袋をつけた状態でもタッチパネルを操作できる「Magic Touch」技術を搭載している。
カメラは13Mピクセルの裏面照射型CMOSセンサー「BSI 3」を搭載。静止画・動画でHDR撮影が可能だ。ユ氏によれば、2倍のデジタルズームでも画質劣化が少ないという。画像閲覧用のギャラリーでは顔検出機能を搭載し、顔が検出された人に画像を素早く送信できる。また、本体側面にカメラボタンを搭載しており、これをダブルクリックするとカメラが起動してすぐに写真が撮れる。
バッテリー容量は2420mAh。無線通信を最適化する「QPC(Quick Power Control)」「ADRX(Automated Discontinuous Reception)」という2つの技術を盛り込み、GALAXY S IIIと比べてトータルで30%の省電力化を実現したという。また最大2Aの充電に対応したことで、充電時間も25%削減した。
そのほか、UI部分としては「UniHome」を搭載し、テーママネージャーによる画面のカスタマイズ機能、多彩な電話管理機能、「Cloud+」によるストレージ、バックアップ、端末探索機能なども提供される。また、スマートフォン、タブレット、テレビで画面を同期する「AirSharing」もサポートする。
会見では、スペインのキャリアであるOrangeと協業することが明らかになったほか、同社のスローガンとして「Make it possible」が繰り返し強調された。価格帯やスペックとしてはミドルクラスだが、「世界最速」などのアピールで、グローバルでの販売を強化していく意向だ。
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