第11回 3秒に1台売れる! 中国1000元スマートフォン「Coolpad 7295」:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
中国では、5月の大型連休に大きな商戦期が来る。通信事業者も巻き込んだメーカーの苛烈な販売競争で、3秒に1台という歴史的な勢いで売れたモデルがあった。
Coolpad 7295のスペックと実力をチェック
2013年の五一商戦で販売台数No.1となったCoolpad 7295だが、所詮1000元スマートフォンだ。性能も価格相応なのではないか? その実力を確かめるため、上海の中国聯通直営店で購入してみた。販売員も「これは一番売れているし、どの機種を買うか迷ったらこれが一番」と勧めていた。クアッドコアプロセッサーと5インチディスプレイを搭載しているので、1年以上は使い続けられるだろう。
Coolpad 7295の本体サイズは、約73(幅)×140(奥行き)×9.9(厚さ)ミリだ。5インチクラスのディスプレイを搭載しているので横幅が広いものの、1センチを切る薄さのため、持つとそれほど大きく感じない。本体側面は角を取ってあるので小柄な人の手でも握りやすい。背面には、500万画素のカメラが真中に内蔵している。最新のハイエンドモデルと比較すると、カメラのスペックが低いが、その分低価格で購入できる。また、日常的に使うならこのクラスのカメラでも十分だ。
通信方式はW-CDMAとGSMに対応する。デュアルSIMスロットを備えており、片方はW-CDMAとGSM、もう片方はGSMが利用できる。高速通信ができるSIMを片側に挿入して、もう一方は副回線、といった使い分けも可能だ。中国では、ミドルレンジクラスはもちろん、バリューレベルのスマートフォンでも大半のモデルがデュアルSIM仕様になっている。
電源を入れると中国聯通のロゴを表示する。最近登場する中国の端末は、各通信事業者向けに提供しているため、この方式が一般的だ。Coolpad 7295のディスプレイ解像度は540×960ピクセルで、ディスプレイサイズからするとHDクラスが欲しいところだが、価格を考えると仕方ないところだろう。だが、使っていると、この解像度でもそれほど気にはならない。
事前に導入しているアプリは、中国聯通のサービス関連や、Coolpadオリジナルなど、中国で販売しているスマートフォンとしては一般的なものを用意している。そのため、購入してそのまま中国で必要な各種サービスを利用できる。ゲームやストリーミングビデオサービスもいくつか入っているので、後からアプリを追加する必要もなさそうだ。
Googleが提供するサービスに対応したアプリは導入していないが、中国で一般的な独自のソーシャルサービスや検索サービス、地図サービスなどが豊富なので中国で利用する分には困ることがない。アプリストアも、中国聯通とCoolpadの2種類を利用でき、そこから国内外のアプリを“ある程度”ダウンロード可能だ。もちろん、Facebookなど中国の国内でアクセスを阻止しているアプリはどちらのストアも登録していないが、中国人同士であれば、WeiboやWeiChatで済むので困らない。
「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」でベンチマークテストを実行してみると、GALAXY SIIIのスコアを下回り、Nexus 7と互角のスコアを出した。実際に使ってみて、画面の動きが“ひっかかる”こともなく、Webブラウジングや地図のスクロールなどで特にストレスを感じない。ただ、3Dグラフィックスを多用するゲームなどは、スムースに動かないかもしれない。そのような利用を考えているユーザーはハイエンドモデルを選ぶことになるだろう。
Coolpad 7295は、購入しやすい価格で大画面、かつ、高速のプロセッサーを搭載したスマートフォンを入手できるモデルだ。所得が限られるユーザーがまだまだ多い中国でベストセラーになった理由はそこにあるといえる。
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