Apple、64bitプロセッサーと指紋センサー搭載の「iPhone 5s」を発表 9月20日発売:ドコモも販売
米Appleは9月10日(現地時間)、64bitプロセッサーと指紋センサーを搭載したiPhoneの新モデル「iPhone 5s」を発表した。国内ではドコモから発売されることも明らかになった。
米Appleは9月10日(現地時間)、米国サンフランシスコで開催したイベントにおいてiPhoneの新モデル「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を発表した。北米のほか欧州、中国、日本では9月20日に発売する。日本ではNTTドコモから販売されることもアナウンスされた。KDDIとソフトバンクモバイルでも販売される見込み。
iPhone 5sはOSに6月のWWDC2013で発表されたiOS 7を搭載。ホームボタンに指紋センサーの「Touch ID」を内蔵し、生体認証を使ったロック解除やセキュリティ機能、そしてApple IDを使ったコンテンツ決済などに対応した。
容量は16Gバイト、32Gバイト、64Gバイトの3モデル。アルミから削りだしたというボディはカラーバリエーションがスペースグレイ、ゴールド、シルバーの3色展開となった。米国での2年契約時の販売価格は、16Gバイトが199ドル、32Gバイトが299ドル、64Gバイトが399ドル。
ボディサイズは58.6(幅)×123.8(高さ)×約7.6(厚さ)ミリ、重さは112グラムで、どちらもiPhone 5から変更はない。液晶もiPhone 5と同じ4インチの640×1136ピクセル(326ppi)表示のRetinaディスプレイを搭載。コントラスト比は800:1、最大輝度は500カンデラで、表面に耐指紋性撥油コーティングを施している。
カメラは8Mピクセルの裏面照射型CMOSを採用。画素数はiPhone 5と同じだが、受光素子を大きくしてより多くの光を取り込めるようになった。レンズは5枚構成でF値が2.2と明るくなっている。そのほか、2基のLEDが被写体の色温度に合わせて発光する「True Toneフラッシュ」、手ブレ補正、秒10コマの連続撮影を続けるバーストモードなども搭載。動画は1080pのフルHDで撮影できるのに加え、720p画質で秒120コマのスローモーション動画も撮れるようになった。True Toneフラッシュは動画撮影時も利用できる。そのほか、サファイアクリスタル製のレンズカバー、パノラマ撮影機能、720p(1280×720ピクセル)の撮影が可能な裏面照射型CMOSのインカメラなどを、iPhone 5から継承した。
プロセッサーは、モバイル向けでは初という64bitアーキテクチャーの「A7」を搭載した。前モデルのA6と同じダイサイズながら、約2倍の演算性能とグラフィックス処理能力を持ち、初代iPhoneと比べて演算性能は40倍、グラフックス性能は56倍に相当するという。またGPSや加速度センサー、磁気センサーを継続的に制御するモーションコプロセッサーの「M7」も搭載した。
バッテリーの駆動時間は、連続待受時間が最大250時間、連続通話時間が3Gで最大10時間で、iPhone 5(連続待受時間:最大225時間/連続通話時間:約8時間)からそれぞれ延びている。なおインターネットの利用可能時間は3G接続で最大8時間、4G LTE接続で最大10時間、Wi-Fi接続で最大10時間。ビデオ再生は最大10時間、オーディオ再生が最大40時間となっている。
無線LAN(Wi-Fi)はIEEE 802.11a/b/g/n(11nは2.4GHz/5GHz)、Bluetoothは4.0に対応する。充電やPC・外部機器との接続用にLightningコネクターを備え、製品にはApple EarPods with Remote and Micが付属する。
対応の通信方式と周波数は?
iPhone 5sは12月までに100カ国270の通信事業者で販売される予定で、販売されるエリアやキャリア別にサポートする通信規格と周波数が異なる5モデルがある。各モデルの通信仕様は次の通り。なおSIMはiPhone 5と同じくNano SIMを採用している。
- モデルA1533(GSM):UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、2、3、4、5、8、13、17、19、20、25)
- モデルA1533(CDMA):CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B(800、1700/2100、1900、2100MHz)、UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)、GSM/EDGE (850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、2、3、4、5、8、13、17、19、20、25)
- モデルA1453:CDMA EV-DO Rev. AおよびRev. B(800、1700/2100、1900、2100MHz)、UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1700/2100、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、2、3、4、5、8、13、17、18、19、20、25、26)
- モデルA1457:UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、LTE(バンド1、2、3、5、7、8、20)
- モデルA1530:UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1900、2100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900MHz)、FDD-LTE(バンド1、2、3、5、7、8、20)、TD-LTE(バンド38、39、40)
国内キャリアにどのモデルが供給されるかは現時点で不明だが、CDMA対応でさらにKDDIの新800MHz帯であるLTEのバンド18をサポートする「モデルA1453」がau版になる見込み。また「モデルA1533(GSM)」はCDMAをサポートせず、さらにドコモの新800MHz帯と同じLTEのバンド19に対応するため、ドコモ向けと予想できる。またソフトバンクモバイルもこのモデルになる可能性が高い。「モデルA1530」はTD-LTEに対応する唯一のモデルで、主に中国市場向けと思われる。
9月11日13:00追記
Appleは、日本の移動体通信事業者に向けて出荷するiPhone 5sとiPhone 5cのモデル名を明らかにした。全キャリア共通でiPhone 5sは「モデルA1453」、iPhone 5cは「モデルA1456」を出荷する。
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