多機能でユニークなGALAXY S4のカメラ機能 そのネックとは?:「GALAXY S4」ロードテスト
ほかのスマホにはない豊富な撮影モードと機能を備えている「GALAXY S4」。普段使いにも便利な機能はもちろん、高度な画像編集・加工メニューも用意されている。しかしそれらを活用するには注意点もある。
NTTドコモのSamsung電子製「GALAXY S4 SC-04E」は、約5インチ(1080×1920ピクセル)の高精細な有機ELディスプレイに加えて、約1320万画素とこれまた高解像度のカメラを搭載している。このカメラはただスペックが高いだけでなく、豊富な撮影モードと機能を備えていて、中にはほかのスマホにはない、GALAXY S4だけのユニークな機能もある。
GALAXY S4の撮影モードは全部で12種類。ジョグダイヤル風メニューまたはサムネイル表示から選んで切り替える。ジョグダイヤル風メニューでは、各モードの説明もチェック可能だ。素早くモードを切り替えたいときは、サムネイル表示が便利
数ある撮影モードの中でも、最も特徴的なのが「サウンド&ショット」だろう。GALAXY S4のテレビCMでも取り上げられていた機能で、撮影前または撮影後の周囲の音を最大9秒間まで録音して写真に音を付けて保存できる。その場の臨場感みたいなものを写真と一緒に記録できるので、旅のスナップなどをこのモードで撮ると、後から見返したときにかなり楽しめる。ただしこの「サウンド&ショット」は、GALAXY S4の独自機能のため、同端末でないと再生できない。つまり、もし誰かに共有したい場合は、相手も同じGALAXY S4のユーザーでないとダメということ。これは結構ハードルが高い。
臨場感のある写真が撮れるという意味では、「ドラマ」もおもしろい撮影モードの1つ。特にスケボーやバスケのような趣味を持つ人は、カッコイイ写真が撮れるはずだ。筆者には残念ながらそのようにアクティブな趣味がないため、使用する機会はないが、動きのある連続写真を一枚に自動合成できる
GALAXY S4にはこのほかにも、画面の中の動いている被写体を自動的に消せる「消しゴム」や、集合写真を5枚連写して、個々のベストな表情を抽出し、自動合成する「ベストフェイス」など、なかなか便利な撮影モードがそろっている。
ただし、これらの撮影モードにもやはり注意点があって、例えば「消しゴム」は、人通りが多い場所などで、一度にたくさんの動いている人やモノを消したい……というときには使えない。また「ベストフェイス」では、自動選択された顔をその場ですぐ確認して保存しなければならず、あとからじっくり見て、一番いい顔を自分で選ぶといったことはできない。どちらも便利な機能であることは間違いないが、使えるシーンはある程度、限定されるだろう。
デュアルカメラは子供の“夢中”顔を撮るのに最適
豊富な撮影モードを持つGALAXY S4だが、それぞれ利用シーンが限定されるため、普段使用する撮影モードはもっぱら「オート」になってしまっている。オートでは、これまたGALAXY S4独自の「デュアルカメラ」という機能が利用可能だ。
デュアルカメラは、アウトカメラとインカメラの写真や映像をリアルタイムに合成しながら、写真や動画を撮影できるというもので、アウトカメラの映像の中にインカメラの映像(またはその逆)を取り込むことができる。
CMなどでは「デュアルカメラ」を使って、カメラマン役のお父さんも家族と一緒に写れる……といった使い方を訴求しているが、この機能、実は子供の写真を撮るのに最適なんじゃないかと思う。例えば動物園などで、動物を見ている子供の様子を撮る場合だ。通常、フレームに動物を入れて撮ろうとすると、子供は後ろ姿になるし、逆に子供の表情を撮ろうとすれば、動物がフレームに収まらない。ところが、子供と動物の間にGALAXY S4を挟んでデュアルカメラで撮れば、両方を同じ写真の中に収めることができる。つまり、見ている子供の表情も撮りたいし、子供が見ているものも撮りたいというときに、使える機能だと思うのだ。将来、子供が写真を見直したときにも、自分が何を見て笑っていたのか、泣いていたのかわかれば、思い出もより鮮明に甦るはず。GALAXY S4のデュアルカメラならそれが可能だ。
このほかオートモードでは、デュアルカメラのほか、12種類ものエフェクトも備えていて、さまざまな効果をつけた写真撮影を楽しむこともできる。以下がそのエフェクトの種類だ。これらを撮影時に設定できるほか、撮った写真を編集する際にもさらに20種類の効果を付けられる。中でも「マンガ風」のエフェクトは、GALAXY Sシリーズではおなじみのもの。普通の写真がカンタンに“作品”になる。
もちろんこのほかにもカメラ設定メニューでは、連写や顔検出、測光、ISOや手ブレ補正、ホワイトバランスなどを、ひと通り撮影モードにあわせて設定できる。ほかにもGPSなどいろいろな設定項目があるが、中でもぜひカスタムをおすすめしたいのは「音量キー」の設定だ。
音量キーは初期設定では、デジタルズームボタンとして機能するが、シャッターキーとして割り当てることもできる。撮影時に画面上のシャッターを押すより、音量キー(物理キー)を押して撮影するほうが断然安定するので、手ブレしやすい人はぜひ試してみてほしい。
同様に手ブレを防ぐという意味では、同じく設定メニューからオン/オフを切り替えられる「音声コントロール」も便利な機能のひとつだ。オンにすると「チーズ」や「スマイル」などのキーワードを口にするだけで、シャッターが切れるようになる。カメラを固定して撮影するときなどにも、リモコン代わりに使えて重宝する。
撮った写真はSumsung Linkでパソコンから整理
スマホは手軽に写真を撮れる分、つい大量に写真を貯め込んでしまいがち。問題はそれらの写真をどう整理するかだ。GALAXY S4では、Samsung電子が提供する「Sumsung Link」を利用することで、スマホ内のコンテンツをPCからカンタンに写真の整理ができる。
使うにはまず、スマホ用の「Sumsung Link」アプリを使い、Sumsungアカウントを登録する。続いてPCからサイトにアクセスし、同じアカウントでログイン。専用の常駐ソフトをインストールすれば準備は完了。セットアップが終わるとブラウザからネット経由でスマホ内の写真、音楽、動画などが閲覧可能になり、さらにそれらを削除することができる。
スマホで撮った写真をスマホのディスプレイで見たときにはきれいに見えたのに、PCに取り込んでみたらピンボケ――だったということがあるが、Sumsung Linkを使えば、スマホの中にある写真をPCの大画面で確実にチェックできる。よく撮れているものはそのままPCにダウンロードしたり、SugarSyncやSkyDrive、Dropboxといったストレージサービスにアップロードすることも可能だ。写真を撮ったらSumsung Link経由で自動的に写真をPCやストレージサービスにバックアップすることもできる。
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