ベンチマークテストで「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の実力を測る:「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の“ここ”が知りたい 第5回
SH-01Fのここ知り第5回は、そのハイエンドモデルとしての性能を検証すべくベンチマークテストを行った。また、起動・再起動にかかる時間も調べている。
ベンチマークテストの測定結果はスマートフォンの性能を測る指標の1つだ。“ここ”が知りたい第5回では、「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」のベンチマークテストを実施してその性能を調べた。また、電源オフ状態から起動するまでの時間や再起動にかかる時間も併せて調べた。
今回使用したベンチマークテストは、CPU、メモリ、データ読み書き(I/O)の性能と、2D/3Dの描画性能を評価する「Quadrant Professional Edition」と「AnTuTu Benchmark」、そしてゲーム操作時のグラフィック性能を評価するRightwareの「Basemark X」の3つ。いずれも5回計測し、その平均値を出した。プロセッサーにQualcommのSnapdragon 800 シリーズ「MSM8974」(2.2GHzクアッドコア)を採用したSH-01Fの性能を、NTTドコモの2013年夏モデル「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」のベンチマークテストの結果と比較しながら見ていきたい。
Quadrant Professional Edition ver.2.1.1
Quadrant Professional Editionのテストは平均で18491.2。SH-06Eの11381より大幅にパワーアップしている。項目別に見ると、CPUの平均値が61410.6、メモリが14816.6、I/Oが13514.2、2Dが500、3Dが2213.6となった。データの読み書きをはじめ、高精細な動画再生など高負荷のかかる処理に重要なCPU性能が大幅にアップしている。一方で2Dや3DのスコアはSH-06Eとほとんど変わらなかった。
CPU | メモリ | I/O | 2D | 3D | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 64568 | 15913 | 13460 | 500 | 2207 | 19330 |
2回目 | 64310 | 15493 | 12677 | 500 | 2196 | 19035 |
3回目 | 63661 | 14532 | 12407 | 500 | 2213 | 18663 |
4回目 | 57623 | 13791 | 13918 | 500 | 2213 | 17609 |
5回目 | 56891 | 14354 | 15109 | 500 | 2239 | 17819 |
平均値 | 61410.6 | 14816.6 | 13514.2 | 500 | 2213.6 | 18491.2 |
AnTuTu Benchmark ver.4.1
AnTuTu BenchmarkはSH-06Eと計測の仕方が異なっているので、あくまでSH-01F単体のスコアを評価の目安としてほしい。総合スコア平均は27446.2。2013年冬モデルのハイエンド端末である「GALAXY Note 3」のスコア33292と比べるとやや劣る数値となっている。ちなみに、1回目は31126、2回目は28044、3回目は26977、4回目は22364、5回目は28720という結果だった。項目別に見ても、いずれの項目でもGALAXY Note 3よりは劣る結果となった。
Multitask | Dalvik | CPU integer | CPU float-point | RAM Operation | RAM Speed | 2D | 3D | Storage IO | Database IO | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 5649 | 3531 | 2791 | 2866 | 1280 | 2468 | 1615 | 8716 | 1535 | 675 | 31126 |
2回目 | 5148 | 3184 | 2420 | 2461 | 1049 | 2073 | 1617 | 7971 | 1456 | 665 | 28044 |
3回目 | 4901 | 3116 | 2135 | 2283 | 979 | 1950 | 1615 | 7888 | 1445 | 665 | 26977 |
4回目 | 3164 | 1881 | 803 | 959 | 394 | 2477 | 1613 | 8746 | 1637 | 690 | 22364 |
5回目 | 5151 | 3512 | 2488 | 2673 | 1175 | 2029 | 1619 | 8089 | 1314 | 670 | 28720 |
平均値 | 4802.6 | 3044.8 | 2127.4 | 2248.4 | 975.4 | 2199.4 | 1615.8 | 8282 | 1477.4 | 673 | 27446.2 |
Basemark X ver.1.0
Basemark Xは「Unity 4.0」というゲームエンジンを搭載しており、ゲーム操作時のグラフィック性能を測れる。今回使用したのはGoogle Playで提供されている無償版だ。テスト項目は「On-Screen」と「Off-Screen」の2つ。On-Screenでは端末のディスプレイ解像度に合わせてテスト用のグラフィックが動作し、Off-ScreenではフルHD(1080×1920ピクセル)の解像度で動作する。単位はfps(1秒あたりのフレーム数)で表す。
2013年夏モデルの横並び記事ではシャープ端末が高いスコアを記録したが、SH-01FもOn-Screenは14.283fps、フルHD統一のOff-Screenは12.027fpsとSH-06Eを上回る結果を出している。SH-06Eだけでなく、同時期登場のハイエンドモデルとなるGALAXY Note 3をも上回るスコアとなっている。
On-Screen | Off-Screen | |
---|---|---|
1回目 | 16.609fps | 13.831fps |
2回目 | 16.356fps | 13.588fps |
3回目 | 15.259fps | 12.024fps |
4回目 | 11.601fps | 10.360fps |
5回目 | 11.591fps | 10.330fps |
平均値 | 14.283fps | 12.027fps |
起動・再起動にかかる時間は?
起動時間は電源キー長押しでバイブレーション起動時からロック画面が表示されるまでの時間を、再起動は再起動ボタンをタップしてからロック画面が表示されるまでの時間をそれぞれ計った。いずれも手押しのストップウォッチで5回計測した平均値を算出し、小数点3位を四捨五入している。結果は、起動時間が20.86秒、再起動時間が28.86秒だった。SH-06Eの起動時間30秒より10秒近く速くなっている。また、起動時間を短縮できる「スリープ状態にする」というボタンをタップすると、起動時間は10秒を切る。
起動 | 再起動 | |
---|---|---|
1回目 | 21.9秒 | 26.6秒 |
2回目 | 18.7秒 | 28.2秒 |
3回目 | 18.3秒 | 39.8秒 |
4回目 | 22.6秒 | 27.1秒 |
5回目 | 22.8秒 | 22.6秒 |
平均値 | 20.86秒 | 28.86秒 |
関連記事
- 最新スマートフォン徹底比較(2013年夏モデル編):ベンチマークスコアの高い機種は?――Quadrant、AnTuTu、Basemark X、Browsermarkでテスト
スマートフォンの性能を図るうえで、ベンチマークアプリのスコアも1つの判断材料になる。今回はAndroidスマホ23機種で、「Quadrant Professional Edition」「AnTuTu Benchmark」「Basemark X」「Browsermark」のスコアを比較した。また、電源を入れた後の起動速度も比べた。 - 「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の“ここ”が知りたい 第3回:カメラ、フルセグの性能は? 「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」で撮る・見る
「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」のカメラは、F1.9の明るいレンズで夜景に強い新機能を備えた。ここ知り第3回では、カメラ機能と録画もできるフルセグ機能を試した。 - 「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の“ここ”が知りたい 第2回:見た目より軽い? 「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の持ち心地をチェック
バッテリー持ちに注目が集まるドコモの「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」だが、その軽さや持ちやすさも大きな魅力。握るだけで操作できる新UI「グリップマジック」の使い勝手も試した。 - 「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」の“ここ”が知りたい 第1回:本当に“3日”持つ? スタミナが自慢のIGZOスマホ「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」を使ってみた
ドコモの2013-2014年冬春モデルで最も高いスタミナを誇るというシャープ製スマホ「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」に機種変更した筆者。Web閲覧やSNS、ゲームアプリなど一通り使ってみたが、その実力やいかに。 - スリートップならぬ“おススメ機種”を用意:下り最大150Mbpsに3日間長持ちバッテリー、ドラクエコラボなど――ドコモが2013-2014冬春モデルを発表
ドコモが2013年冬・2014年春向け新モデルを発表。スマートフォン10機種、タブレット1機種、フィーチャーフォン2機種、モバイルWi-Fiルーター2機種などを10月中旬から順次発売する。 - “実使用時間”3日以上:3000mAhバッテリー+5インチフルHD IGZO搭載――「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」
ドコモが2013年冬モデルとして投入するシャープ製の「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」は、“3日使える” 容量3000mAhのバッテリーと5インチフルHDのIGZO液晶を搭載したドコモ「おススメ」のハイエンド端末だ。 - 持つと分かる、この軽さ:写真で解説する「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」
シャープ製の「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」は、3000mAhバッテリーと5インチフルHD IGZO液晶を搭載のハイエンド端末。厚さ8.9ミリで重さは139グラムと軽量でコンパクトなボディにも注目だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.