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京セラコンセプトモデルに見る「曲がるディスプレイの価値」Mobile World Congress 2014(2/2 ページ)

個性的なデバイスをアピールする京セラは、2〜3年後の登場を想定したスマートフォンとウェアラブルデバイスのコンセプトモデルをMWC2014のブースで公開していた。

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「ユーザーにとって曲がるディスプレイはどのような価値があるのか」

 京セラのブースでもう1つ注目したいのが、「コンセプトモデル」の展示だ。クラムシェルスタイルとスレートスタイルと使い分けるコンバーチブルデバイスや、スレートスタイルの本体を丸めてブレスレッドタイプのウェアラブルデバイスに変形できるもの、そして、腕時計タイプでリムの部分を回転式にして操作デバイスとして使う工夫や、耳に装着するタイプのウェアラブルデバイスで、プレート型のドッキングステーションに「置く」と、ウェアラブルデバイスに保存したデータをドッキングステーションを介して無線接続したデジタルデバイスに転送するだけでなく、転送中にはプレートの部分がイルミネーションのように輝くといった“演出”も重視している。

スレートタイプの両面ディスプレイ搭載スマートフォンを2つに折ってクラムシェルタイプになるコンセプトモデル(写真=左)。 腕に巻くデバイスは、腕に装着する場合は大きく見えるかもしれないが、これは、伸ばしたときにスマートフォンと同じ操作性を実現するサイズを重視したためだ(写真=右)

 これらのコンセプトモデルは、2〜3年先の商品化を想定し、今認識が固定化されつつあるスマートフォンというものを、今後のステージに持っている行くためにどのようなアイデアがあるのかを提案し、かつ、関係者の意見を開発にフィードバックすることが目的だ。

 京セラは、展示で「曲がるディスプレイを今度どのように活用していくか」という提案と、「ウェアラブルという価値」の提案を行っている。曲がるディスプレイの活用では、ただ単にいまあるスマートフォンの形状に曲がるディスプレイを当てはめるのではなく、ユーザーにとって曲がるディスプレイはどのような価値があるのかを示すのかが重要になっている。

 また、ウェアラブルについては、スマートフォンと接続することが前提となるコンパニオンデバイスでなく、体に装着することでユーザーが便利になることが必要であり、そのためには、通信回線がウェアラブルデバイス本体に内蔵し、電話としての利用が完結するデザインをしているという。

 MWC 2014で展示したコンセプトモデルは、既存の技術と今後登場するだろうといわれている技術を採用して実現することを想定している。クラムシェルコンセプトモデルのアイデアは、3年前に出したデュアルディスプレイ搭載モデル「echo」でフィードバックにあった「デュアルディスプレイを挟むヒンジ部分がいらない」という意見を曲がるディスプレイで解決することにある。ただ、ディスプレイを「折りたたむ」技術が、ここだけは技術的見通しがまだ立っていない。

 一方、クラムシェル状態におけるソフトウェアキーボードの使い勝手が気になるが、京セラでは、現在開発している技術で押したときのフォースバックや感触に関する研究は現時点でもかなり進んでおり、この2〜3年で十分実用的なものが登場するという見通しを述べている。

 ウェアラブルでは利用するTPOによって使い分けることが求められると考えている。コンセプトモデルの1つはスキーなどのアウトドア利用を想定したもので、サイズは大きいものの丸いディスプレイの周りに取り付けたリムを回してデバイスを操作するようになっている。リムの回転でタッチパネル搭載ウェアラブルデバイスと同じ使い勝手の実現を目指している。

イヤーマウントタイプのウェアラブルデバイスでは、保存したライブログをほかのデバイスやクラウドに転送するワイヤレス接続のプレートに置くとアニメーションを流すといったビジュアルエフェクトを用意するという。このような「楽しんで使う」こともこれからのウェアラブルデバイスでは重要になるという(写真=左)。時計タイプのウェアラブルデバイスは、サイズはやや大きいものの、これは、グローブをはめた状態でも操作ができるようにしたためだ。リムを回して操作できるなどアウトドアでの利用を重視したデザインとなっている(写真=右)

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