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ドコモ、仮想化技術で混雑と災害に強いネットワークへ 2016年3月商用化
ドコモがEricsson、富士通、NECとともにネットワークの仮想化に着手した。2016年3月の商用化を目指す。
NTTドコモは3月2日、Ericsson、富士通、日本電気(NEC)の3社と協力し、ネットワーク仮想化技術の開発に着手したことを発表した。2016年3月までの商用化を目指す。
ネットワーク仮想化技術は、特定のハードウェアでしか動作しなかったソフトウェアを仮想的なハードウェア上で動作させる技術。導入により、災害などで通信が混雑してもつながりにくくならないほか、通信設備が故障してもサービスの継続や復旧までの時間短縮が可能になるという。また新たな通信サービスを迅速に提供できるほか、設備投資の効率化も期待されている。
商用化に向けた開発では、Ericssonが仮想的なハードウェアを制御するシステムを提供し、富士通とNECが仮想化技術を適用したEPC(無線アクセスを収容し、ユーザー認証や移動制御、課金機能を提供する通信設備)向けソフトウェアを開発。異なるベンダーのソフトウェアと仮想的なハードウェアを組み合わせてシステムを構築する。
ドコモは2016年3月にネットワーク仮想化技術を商用化するとともに、将来的にはネットワーク全体の仮想化を進める考え。ドコモの仮想化構想は、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2015」で展示される。
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