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au系MVNOでiOS8が使えない問題が一歩前進――2カ月後にはiOS9登場で、不安続くMVNO石川温のスマホ業界新聞

MVNO各社を悩ませる、iOSにおける通信の問題。KDDI(au)系MVNOではiOS 8以降、通信できない状態が続いていたが、インターネットイニシアティブ(IIJ)のブログでのある“報告”によって、一筋の光が見えた。しかし、2カ月後にはiOS 9の登場が控えており、ドコモ系MVNOも含めて、予断を許さない状況が続く。

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「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、IIJのブログで、iOS向けのAPN設定ファイルをカスタマイズすると、auのネットワークを使ったSIMカードでもiOS8が搭載されたiPhone、iPadで通信ができるようになったとの報告があった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年7月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 これを受けて、ケイ・オプティコムでも検証作業を実施し、ブログで公開を行っている。また、ユーザーの間でも検証作業が進んでおり、組み合わせによっては不安定な通信になっているものもあるようだ。

 これで、すぐに「auのMVNOでもiOS8のiPhoneが使える」とはならなそうだが、それでも環境改善に向けて一歩前進したと言えそうだ。

 だが、あと2カ月もすればiOS9がやってくる。

 噂では、今度のiPhoneはApple SIMに対応するのではないか、とも言われており、SIMカード周りの制御に手が加えられている可能性もある。

 そうなってくると、au系だけでなく、NTTドコモ系のMVNOにとっても、果たしてきちんと通信できるか、不安になってくるかも知れない。

 毎年、アップルがOSをアップデートする度に、MVNOは戦々恐々としなくてはいけないのもどうかと思う。ユーザーとしても、現状と仕様が変われば、アップデートできないという問題にぶち当たるだけに、気軽に「iPhoneをMVNOのSIMカードで安く使う」と言えないのがつらい。

 SIMカード関連においては、今週、Financial Timesが、GSMAが近く発表する一般消費者向けスマートフォン用組み込み型SIMカード(e-SIM)において、アップルとサムスン電子に協力を求めていると報道していた。

 顧客の契約者情報をSIMカードではなく、端末に組み込むことができ、アプリなどでキャリアの切り替えが行えることになりそうだ。

 すでにApple SIMも同様の用途として利用できているわけで、アップルがGSMAの要請に応じるかは不透明だ。

 ただ、業界全体的には「SIMカードの入れ替えはしない」という方向性に持って行こうとしている雰囲気がある。まるで日本のPDCやCDMA2000のころに逆戻りしているようだ。

 日本市場は、ようやく「SIMロックフリー」が義務化なり、SIMカードを差し替える習慣が広まるか、という段階にきている。

 仮にiPhoneでApple SIMが採用され、「アップルと取引のあるキャリアしかデータ通信できない」となると、MVNOは大打撃を受けてしまう。

 日本はSIMロックフリーで盛り上がってはいるが、この雰囲気を生かすも殺すも、まさに次のiPhoneとApple SIM次第なのかも知れない。

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