P10 Plusも日本発売の可能性あり、SIMを挿せるMateBookも? Huawei幹部に聞く:Mobile World Congress 2017(1/2 ページ)
HuaweiはMWC 2017に合わせて「HUAWEI P10」と「HUAWEI P10 Plus」を発表。どちらも日本で発売する可能性があるという。その他、スマートウォッチ「HUAWEI WATCH 2」も含めて、同社の幹部に話を聞いた。
Huaweiは、Mobile World Congressに合わせてスマートフォン「HUAWEI P10/P10 Plus」と、スマートウォッチ「HUAWEI WATCH 2」を発表した。これらの新製品の日本展開などについて、ファーウェイ・ジャパンのデバイズ部門を率いる呉波(ゴ・ハ)氏と、グローバルのモバイルブロードバンド&ホームデバイス部門のトップであるワン・ビャオ氏に、グループインタビューという形式で話を聞くことができた。
HUAWEI P10だけでなく、P10 Plusも日本発売の可能性あり
―― 今回発表した製品は、日本でも発売する予定ですか?
呉氏 HUAWEI P10/P10 Plusは、どちらも日本で発売する可能性はあります。HUAWEI WATCH 2の4Gモデルについても、日本の周波数にも対応しており、日本にはSIMフリーのマーケットもあります。可能性があると思っておいてください。
―― 大手キャリアのユーザーにも、HUAWEI P9に関心を持つ人が多かったようです。近年、御社はSIMフリー市場に注力しているように見受けますが、今後、大手キャリアにスマートフォンを供給する予定はありますか?
呉氏 日本の3大キャリアとスマートフォンの分野で協業することは、われわれの大きな目標です。弊社はドコモと協業して、2012年に「Ascend D1(HW-01E)」、201年には「Ascend D2(HW-03E)」という製品を投入しました。ワンセグ、FeliCaといった日本の標準機能を搭載し、D2では防水にも対応させましたが、残念ながら芳しい販売結果には結び付きませんでした。
しかし、2007年に日本市場に参入して以来、弊社は、キャリアとSIMフリー、どちらのマーケットが重要とは考えていません。人間の足が2本であるのと同じように、どちらも重要という認識です。実際に、日本国内における事業で主力となるのは3大キャリアとのビジネスですが、弊社の社是としているのは、キャリアと契約しているか、MVNOのSIMで使っているかは関係なく、購入してくれた人が満足してくれる製品を作る。そして、それを、さまざまな販売チャネルを通して、いろんな方にお届けしたい。それがわれわれの目標です。
―― 呉波さんは、これまで日本市場での目標について聞かれた際に、「生き残ること」と答えていました。すでに、生き残るというよりも、勝ち組になりつつあると思いますが、新しい目標はありますか?
呉氏 日本市場は世界的に見ても、最も難しい、要求が複雑な市場だと思います。その認識は変わっていません。1年1年着実に成長していきたいが、そうはいかない時期もありました。これは、私個人の意見ですが、われわれは昨年(2016年)、日本市場において存在感を増すことができたと思います。
しかし、大成功かといえば、まだその段階には達しておらず、小さい成功に過ぎません。2016年の仕事納めに際して、私は部下に「今年も生き残ることができました」と話しました。2017年の仕事始めでは「またゼロから始めましょう」と伝えました。日本市場においては、これからも1歩ずつ着実に進んでいくことが目標です。
―― 最終的な目標は1位になることでしょうか?
呉氏 日本の過去15年間の端末市場を振り返ると、シェアの起伏が非常に激しく、以前はトップシェアだったメーカーが、いまは見る影もないという状況です。そうした日本市場の特徴も踏まえて、日本の社員に対しても、日本の消費者に対しても、責任を持ち続けたいと思っております。
―― HUAWEI P10では、電源ボタンの側面を赤くするなど、細かい部分を改良し、従来よりもクオリティーが上がっているように感じます。日本でのユーザー評価もさらに高まっていくのではないでしょうか?
呉氏 おっしゃる通り、P10に関していえば、細かい部分で大幅な改善を加えています。自画自賛になりますが、HUAWEI P10に搭載しているEMUI 5.0(5.0以降の意味)は、Androidのソフトウェアの中で最良のものだと思います。AndroidのUIを一から作り直したもので、これを搭載する端末を使った人が、他の端末を使うと不便に感じると思います。Android端末は「使えば使うほどもっさりする」と言われますが、弊社は「使えば使うほどサクサクと快適に使える」製品を作っていきたい。実際に、お客さまからもそのような評価をいただいています。それをより周知していきたいです。
―― HUAWEI P10 Plusは防水にも対応しましたね。これも日本のユーザーニーズに合うように思いますが?
呉氏 ただし、P10 Plusの防水性能は、日本で一般的に認知されている基準(IP68など)とは異なります。いわゆる「生活防水」で、水がかかるのは問題ありませんが、水没での安全は保証されていません。また、P10は防水には対応していません。P10 Plusは、グローバルで売るスマートフォンとして初めて防水に対応させた製品です。弊社は、防水機能については非常に重視していますので、今後、対応機種は増えていく見通しです。
―― Huaweiは世界のスマートフォン市場ではシェア3位で、2位をうかがうポジションにあります。しかし、日本ではシェアはまださほど大きくはなく、Appleだけでなく、ソニーモバイルやシャープなど日本メーカーにも追い付けていません。何が足りないと思いますか?
呉氏 私の努力が足りないと思っています。だた、日本国内の多くのメーカーのことを、私どもは競争相手とは見ていません。むしろ、同業のパートナーのような存在だと認識しています。それは、Androidの端末を作ってるという共通点があるからです。日本市場でのAndroidのシェアは、まだ50%に満たない程度です。ですので、Androidのメーカー同士で無駄に争って、逆にAndroidのシェアを減らすことがないようにしなければなりません。これは本心です。また、Huaweiの端末に搭載しているさまざまな部品の多くも日本製です。日本の部材メーカーの協力なしくて、われわれの製品を世に出すことはできません。
―― Huaweiはこれまで、グローバルで展開する多彩なラインアップの中から、日本のユーザーが求めそうなものを選んで発売してきたように思います。そろそろ、新しいニーズを掘り起こすような提案型の製品を日本でも発売してもいい時期だと思いますが?
呉氏 実は私も同じように考えておりました。積極的に、異なるユーザーの異なるニーズに応える提案をしてきたいと。すでに、その取り組みは始めており、例えば、「HUAWEI Mate 9」は、従来の考え方であれば、日本ではリリースしていなかったかもしれません。大きなディスプレイに対する需要が急速に高まっていることに気づいたからこそ発売を決めました。ただし、いきなり多種多様な製品を提案しても、お客さまが戸惑うと思いますので、タイミングを見ながら提案していきたいと思います。
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