「“現時点での初”を凝縮した、最高の体験を与えられるXperia」 ソニーモバイルが語るXperia XZ PremiumとXperia Touch:Mobile World Congress 2017(2/3 ページ)
ソニーモバイルがMWC 2017でスマートフォンやスマートプロダクトを発表。4K HDRディスプレイを搭載した「Xperia XZ Premium」や、投影した映像をタッチ操作できる「Xperia Touch」が注目だ。これらの製品が開発された経緯を、責任者に聞いた。
「Xperia XA1」「Xperia XA1 Ultra」の日本展開は?
―― 一方で、ミッドレンジモデルも拡充しました。こちらについては、いかがでしょうか。
安達氏 昨年(2016年)、同じバルセロナで「Xperia XA」を発表しました。そこから時期は数カ月遅れてしまいましたが、6型の大型ディスプレイを搭載し、セルフィーが特徴の「Xperia XA Ultra」も昨年展開しています。どちらも狭額縁でスタイリッシュなデザインを評価いただいていましたが、フレッシュネスを考えると、1年での正常進化はどうしても必要になります。
デザイン変更もさることながら、今回は上位機種にしかなかった23メガピクセルのExmor RSを搭載できました。これは、Xperia Z5などと同じモジュールになります。加えてチップセットもMediaTekの「Helio P20」を搭載していますが、これはプロセッシングスピードもさることながら、省電力化も進んでいて、同じサイズでもユーザビリティは向上しています。
―― このミッドレンジのラインアップは日本で提供されていませんが、SIMフリー市場が拡大する中で、欲しいという声も増えている印象があります。
安達氏 さまざまな方面、特に日本からは多くのフィードバックをいただけていると思っています。日本市場の展開に関しては、市場の動向を注意深く見定めて、今後の参考にさせていただければと考えています。
―― 特に6型モデルは、「Xperia Z Ultra」以降、日本で後継機がないですからね。
安達氏 おかげ様で、Xperia Z Ultraには非常に熱烈なファンがいらっしゃり、古くなったからとわざわざ買い直してくださった方もいらっしゃいます。メイン機を替えても、サブとして使い続けてくれる方もいて、大画面の需要はわれわれとしても感じているところです。今後、何かしらの形で大画面端末はご提供したいと考えています。
タブレット並みの操作性を目指した「Xperia Touch」
―― Xperia XZsはどういう位置付けの製品なのでしょうか。
安達氏 (Xperia XZから)縦、横、厚みに変更はありません。カメラの部分は画質も改善しているため、モジュール自体の厚みをちょうだいしていて、その分出っ張っていますが、逆にMotion Eyeカメラを搭載し、その特徴のシンボルとしてダイヤモンドカットを入れています。
―― マイナーバージョンアップということですね。続けて、Xperia Touchのお話を伺っていきます。ちょうど昨年のMWCでコンセプトを発表してから、1年がたちました。
伊藤氏 去年のMWCでコンセプトを発表してから1年がたちましたが、最初から目指していたのは、スマートプロダクトとして、新しいコミュニケーションを作ることです。家族のコミュニケーションに着目したとき、どういったものがあるのかというところから考えました。今は皆さんスマートフォンを持ち、タブレットもあり、個人化されたデバイスとともに毎日を過ごしている。そこにもう一度、一家団らんではありませんが、1つの場所にあつまってワイワイガヤガヤと家族の時間を楽しめるものはないか。そう考えてできたのが、Xperia Touchです。
では、この1年、何をやっていたのかというと、ひたすら体験の質を向上させていました。というのも、この商品はシンプルにいえば、超短焦点プロジェクターとタッチを組み合わせたものですが、プロジェクションとタッチを組み合わせること自体が初めてのことでした。この仕組みを前提としたとき、タッチの質をどこまで上げられるか。Xperiaではスマートフォンもそうですし、タブレットも作ってきた中で、目指す性能としてはタブレット並みを実現したい。そういう目標で、操作性を研ぎ澄ませてきました。
最終的には、10本の指をお使いいただけるようになり、タブレットに匹敵する操作性を実現できたと考えています。
―― 10ポイントのタッチができれば、ゲームもきちんとできそうですね。
伊藤氏 コンセプトの発表から1年の間に、いろいろなパートナーさんからお声がけいただきました。
例えば、スペインのデパート、エル・コルテ・イングレスはタブレット向けにショッピング体験を向上させるためのアプリを作っていますが、目指している世界が一緒ということで、商品も扱っていただき、お店の中にも置いていただけることになりました。アプリを開くとデパートの中にある商品が並んでいて、分かりやすく買い物もしやすい。タブレットでも使えましたが、23型であれば、みんなが見て買い物をすることができます。
このようにサードパーティーの方が開発しているアプリとも相性がよく、ぜひコラボさせてほしいというお声がけもいただいています。ほかには、高級キッチンメーカーのNotelさんは、キッチン周りのスマート化にXperia Touchを使っていただきました。ケルンでキッチンショーがあった際に、彼らの最新システムとXperia Touchを一緒に展示していただいています。
欧州でもいろいろなコラボレーションが起きていて、弊社としても、前回のようにコンセプトを出し、評判のいいものに的を絞っていくというプロセスは非常によかったと感じているところです。
1年をどう使ったかという点に関しては、ジェスチャーコントロールもあります。単焦点プロジェクターはテーブルから離して80型まで大きく表示できますが、その際にはタッチができません。そこは離れていても、きちんとジェスチャーでコントロールができるようになります。このジェスチャーコントロールは発売当初には間に合いませんが、新しいインタラクションとして提供させていただければと考えています。
―― 欧州でのコラボレーションの事例が増えているというのは、やはりソニーモバイルさんが欧州にしっかり根を張っていたことも効いているのでしょうか。
伊藤氏 Xperiaスマートフォンが根強い人気を博していることもあり、今でも使っている方はいます。欧州では、スマートフォンのみならず、カメラやオーディオなど、シェアの高いカテゴリーもあるので、ソニーファンは多いという実感もあります。革新性や新しさが、ソニーらしいと評価されたのではないでしょうか。
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