「nuroモバイル」の戦略を聞く 「5時間」プランの手応え、「0 SIM」の現状:MVNOに聞く(2/4 ページ)
2016年10月からMVNOのブランドをリニューアルし、「nuroモバイル」を提供しているソニーネットワークコミュニケーションズ。2017年2月には5時間プランの提供も開始した。「0 SIM」と合わせ、nuroモバイルの戦略を聞いた。
5時間を超えると速度制限を解除できない
―― 契約者はどのような使い方をしているのでしょうか。
細井氏 いっぱい使う方もいるし、さほど使わない代わりにデータ量が多い方もいます。夜中に一気に使う方もいれば、のんびりゆっくり使う方もいます。
―― 人によってかなり違いがあるということですね。5時間のカウントを自動にしたのはなぜでしょうか。
細井氏 5時間という枠があって、いつでもお使いいただけるようにしていて、あの時間はハイスピードで使える時間が5時間ということです。(高速通信の)オン、オフを意識しなくてもいい。発表時にお話した通り、テキストのような軽いデータだと、高速通信の時間を消費しません。これは、あえてカウントしていないだけですが、気にせず通信していただければと考えています。高速通信とカウントするしきい値がいくつかはお話できませんが、バックグラウンドでちょこちょこ通信しているぶんに関しては、カウントしていません。
―― テキストなどのデータを送受信する際に、速度を絞ることもできたと思いますが、それをしなかったのはなぜですか。
細井氏 たとえ幅が広くても、(テキストのようなデータなら)1Mbpsを超える通信速度が実際には出ないからです。
―― なるほど。ちなみに、容量とはカウントの仕方が異なることで、トラフィックの傾向に変化は出ていますか。
細井氏 全体的な傾向はそれほど変わらず、朝、昼、夕方、夜にそれぞれピークがあります。山の形は、そんなに変わっていないですね。ただ、時間プランと容量プランの使われ方は、それなりに違っていると思います。5時間プランは目的意識を持った方が申し込んでいて、ライフスタイルに合わせて使われている。そのため、使い方はバラけていると思います。
―― 5時間を超えてしまうと、現状では速度制限を解除できません。例えば、容量のように、1時間単位で時間を購入できるようにはしないのでしょうか。
細井氏 現状はありませんが、検討はしたいと思っています。
松井氏 ただし、使ってみるとうまいこと、5時間に収まることも多い。チャージも1つの方法ですが、まずはユーザーが使いやすくすることを考え、初速バーストも入れています。ここは、ユーザーの感触をうかがいながらですね。
大容量プランよりも5時間プランの方が人気
―― 他のプランと比べたとき、人気のほどはいかがでしょうか。
細井氏 細かな数値は公表していませんが、もともとはほとんどが2GBプランだったところが、認知度が高まり、5時間プランを選ばれる方が増えています。8GB、9GB、10GBという大容量よりも、5時間プランの方が割合は多いですね。
―― 現状での主力といえるほどでしょうか。
細井氏 まだ主力とまではいきませんが、選ばれる方は目的を持って選んでいます。逆に、月にせいぜい2〜3GBしか使わないという方もいて、定番の2GB、3GBにもユーザーが集中しています。そういう意味では、二極化しているといえるのかもしれません。
5時間プランは2500円という価格で、われわれの10GBは2300円です。戦略としては分かりやすく、サービスは700円からスタートし、200円単位で上がっていきます。5時間プランもあまり値段がとっぴだと受け入れられなかったのかもしれませんが、10GBよりいただきますという(目安としてどのくらいの容量に相当するのかが分かりやすい)形にしています。
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