ついに「au 4G LTE」対応! 最新WiMAX 2+ルーター「WX04」をいろいろチェック:5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(2/2 ページ)
NECプラットフォームズのモバイルWiMAX 2+ルーター「WX04」は、国産機種としては初めて「au 4G LTE」に対応したこと……だけが特徴はありません。いろいろな角度から、WX04を見ていきましょう。
簡単に通信モードを切り替えられる「ワンタイムHS+A」モード
もう1つの便利機能は、端末ロック中でも通信モードを切り替えられる「ワンタイムHS+A」モードです。
通常、WX04でハイスピードモードからハイスピードプラスエリアモードに切り替える場合、以下のような手順を踏みます。
- 電源ボタンを押してディスプレイをオンに
- ディスプレイをスライドしてロック解除
- 「メニュー」をタップ
- 「通信モード」をタップ
- 「ハイスピードプラスエリアモード」をタップ
- 追加料金に関する注意ダイアログで「はい」を選択
これが、「ワンタイムHS+A」ボタンを使った操作ならこうなります。
- 電源ボタンを押してディスプレイをオンに
- ディスプレイ上の「ワンタイムHS+A」ボタンを長押し
- 追加料金に関する注意ダイアログで「はい」を選択
このように、本来6ステップ必要なところを半分の3ステップで切り替えられます。逆パターン(ハイスピードプラスエリアモードからハイスピードモード)の切り替えも、料金に関する注意ダイアログが出ないことを除けば同様です。
「普段はWiMAX 2+、それが圏外・不安定な時はau 4G LTE」という使い分けをする上で、このモードは利便性を高める役割を果たしているのです。LTEオプションの無料化条件を満たした人なら、よりその恩恵にあずかれます。
……が、利便性が高まったことで、今度は通信モードの切り替えの遅さが気になるようになってしまいました。モード間相互の切り替えに約15秒かかるのです。切り替えにかかる時間をより短縮できれば、ワンタイムHS+Aモードはもっと便利になるはず。今後に期待です。
WiMAX 2+初の「nanoSIM」モデル 互換性に注意!
WX04はWiMAX 2+ルーターとしては初めてnanoSIMカード(au Nano IC Card)を採用しています。このnanoSIMは既存のWiMAX 2+ルータ用のSIMカード(au Micro IC Card)と互換性がありません。
WX04が初めてのWiMAX 2+ルーターという人は問題ありませんが、複数台のWiMAX 2+ルーターを1枚のSIMカード(au Micro IC Card)で使い回している(あるいは使い回しを検討している)人は要注意です。
筆者は「Speed Wi-Fi NEXT WX03」をメインに使っているのですが、旅行や出張などである程度の期間1つの拠点に滞在する時は据置タイプの「Speed Wi-Fi HOME L01」を持って行き、SIMカードを差し替えて使うこともあります。しかし、WX04や(恐らくは)それに続くWiMAX 2+ルーターでは、それ以前の機種との間でこのような使い回しはできません。
WiMAX 2+ルーターの歴史の中で、サービス面での「分断」が起こるのは今回が初めてです。繰り返しですが、注意しておきたい点です。
WX04は「3波CA」「256QAM変調」に非対応
WX04は、3つの電波(WiMAX 2+×2+au 4G LTE×1)を束ねて通信を高速化する「3波キャリアアグリゲーション(CA)」と、電波に載せられるデータがより多くなる「256QAM変調」に対応していません。そのため、下り最高通信速度はWX03と同等の440Mbps(理論値)となっています。
3波CAと256QAM変調は、WX04より先に発売された「Speed Wi-Fi NEXT W04」(ファーウェイ製)では対応しています。半年以上の期間を空けて発売したWX04でもサポートしてほしかった、というのが筆者の正直な思いです。
しかし、これらに対応するエリアが広がっていない(と推測される)ことなどを踏まえると、WX04は「NECプラットフォームズ製では初のau 4G LTE対応」という点をまずは素直に歓迎すべきなのかもしれません。
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